41 / 60
第41話 村での準備
しおりを挟む俺は村に着くなりカイト達の為の生活の手配を始めた。
しかし、街と違って村は大変だ。
なんでも揃っている訳じゃない。
「すみません、この村に宿はありますか?」
「ああっ、1軒だけあるよ」
「何処にあるか教えて頂けますか?」
「ああっ、それなら……」
カイト達には教えて貰った村で一つしかない宿で一番良い部屋を一つ借りた。
もうハーレム勇者なのだからこれで大丈夫。
避妊紋も刻んであるから、何も問題ない。
「問題は俺達だな」
「私は別にカイト達と一緒でも構わないけど?」
「あはははっ……気が休まらないからね……本当に!?」
「確かにそうか?」
俺はカイト達を友達だとは思っていない。
知り合い兼、ビジネス相手だ。
カイト達の冒険をサポートする代わりに俺はレイラの借金をチャラにして貰っている。
その分位は働くさ。
レイラと一緒に冒険者ギルドに向かった。
「ククル村冒険者ギルドへようこそ! 今日はどう言ったご用件ですか?」
「この村に暫くしたら、勇者パーティが来るから、炊事、洗濯を含むその他のお世話を頼める冒険者を紹介して欲しいんだ」
「普通のお世話で宜しいんですか?」
「基本はそれで構わないが、ポーションや必要な物も手配できそうな人物が好ましい」
「それなら、幾らでも紹介出来ます」
「それじゃ、あと3日間位で到着するから、勇者カイト達に紹介して欲しい」
「解りました」
「あと、宿屋以外で長期滞在できそうな場所はありませんか?」
「それなら、ギルドでこの村の空き家を貸し出していますが、如何ですか?」
「それじゃ、小さめの物を見せて貰えませんか?」
「そうですか? それなら、案内人をつけますから、これから見に行かれますか?」
「お願い致します」
3件ほど見せて貰い、その中の一軒が家具などもあり、すぐにでも住めそうなので、そこを借りる事にした。
その後、村にある教会に挨拶をして、ようやく下準備完了だ。
「案外大変そうだね」
「まぁね、あいつ等全く、家事が出来ないから、全部準備してやらないといけないんだ」
「勇者パーティだから良いけどさぁ、もし違うジョブだったらどうしたのかな?」
「確かにもし、そうだったら、カイトは兎も角、他の三人はヤバかったかもな……三人とも女なのに此処まで家事が壊滅的じゃ、幾ら可愛くても貰い手が無かったかもね」
「……」
どうしたんだろう?
急にレイラが黙り込んで。
「どうかしたの?」
「いや、良く考えたら私も三人の事はいえない……家事は、あははははっ、うん苦手かな」
「あのさぁ、レイラは冒険者だから苦手かも知れないけど、一応は肉を焼いて塩振る事やスープを作る事、そして洗濯や買い出し……それ位は出来るでしょう?」
「当り前だよっ! これでも一人暮らししていたんだからね?」
「でしょう? だけどカイト達はそれも出来ない」
「出来ない?」
「うん、肉を焼かせれば消し炭になるし、甘やかされて育ったからか話によれば下着すら洗えない」
「マジなのそれ」
「マジ」
「確かに家事は苦手って聞いていたけど、そこ迄とは思わなかったよ」
「噂以上に酷くてね……この村に居る間に家事とかも教えるつもり。 恐らく俺やレイラがついていけるのは、あと暫くだけ、そこからは自分達で頑張って貰わないとね」
「そうだね」
もう暫く進んだら、俺やレイラが勝てない魔物が生息する場所になる。
そこでお別れだ。
44
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

パーティーを追放された落ちこぼれ死霊術士だけど、五百年前に死んだ最強の女勇者(18)に憑依されて最強になった件
九葉ユーキ
ファンタジー
クラウス・アイゼンシュタイン、二十五歳、C級冒険者。滅んだとされる死霊術士の末裔だ。
勇者パーティーに「荷物持ち」として雇われていた彼は、突然パーティーを追放されてしまう。
S級モンスターがうろつく危険な場所に取り残され、途方に暮れるクラウス。
そんな彼に救いの手を差しのべたのは、五百年前の勇者親子の霊魂だった。
五百年前に不慮の死を遂げたという勇者親子の霊は、その地で自分たちの意志を継いでくれる死霊術士を待ち続けていたのだった。
魔王討伐を手伝うという条件で、クラウスは最強の女勇者リリスをその身に憑依させることになる。
S級モンスターを瞬殺できるほどの強さを手に入れたクラウスはどうなってしまうのか!?
「凄いのは俺じゃなくて、リリスなんだけどなぁ」
落ちこぼれ死霊術士と最強の美少女勇者(幽霊)のコンビが織りなす「死霊術」ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる