勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん

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第39話 ようやく旅立ち

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「リヒト、俺達はもう此処でやる事は無い。そろそろ次に向かおうと思うのだがどうだろうか?」

「そうね、オークなら余裕で狩れるし、そろそろオーガ辺りを相手にしたいわ」

「オーク辺りじゃもう僕の相手にならないよ」

「そうね、呪文の一つも唱えたらなら、私の勝ちだわ」

随分変わったものだな。

カイト達は勇者パーティだから、本来はこういう凛々しい姿が当たり前なんだよな。

今のカイト達なら勇者として見える……

「随分と立派に……」

「ああっ、俺かなり立派になっただろう? だから、早くポーションをくれーー!」

「私にもポーション……ハァハァお願いだから早く頂戴!」

「僕にも早く、頂戴!」

「勿体ぶらずにさぁ、さぁ早く! 早く頂戴よぉぉぉぉぉーー」

本当にこのポーション大丈夫かな。

今日は前のポーションより少し薄めてある。

ゼウスさんの話だと薄めていき、最後には水を与えるようだ。

元々は戦争で使われたタバコを元に使われた物で、勇気がないものや人殺しの躊躇する者に使われたそうだ。

まぁ、薄めていけば大丈夫だよな。

「ハイ……ポーション」

「「「うんぐうんぐっ、ぷはぁ~ハァ美味い!」」」

「そうか……良かったな」

なんだか、口の端からポーションこぼしていて目が曇っているけど大丈夫だよね……いや本当に。

「それで、そろそろ次の場所に移動しようと思うんだが、どうかな?」

確かにこの街での目標はオークが狩れる事だから、確かに移動しても良い頃だな。

「そうだね、ただ、次の行先は村になるのと、途中野営もしないといけないから、必要な物の買い出しを考えて3日後の出発でどうかな? あと買い出しは自分達で出来るか? 出来ないなら冒険者ギルドで付き添いを依頼してくれ」

「冒険者ギルドへ依頼? リヒトが手伝ってくれるわけじゃないのか?」

「そうそう、リヒトがやってくれないの」

「その方が僕も安心だな」

「やってくれない?」

いや、何時までも俺がやる訳にいかないだろう。

「いや、俺はこれでも男だからな、女の必要な物が解らない可能性がある。だから、女性の冒険者、男性の冒険者を指名して揃えて貰った方が良いよ。その費用は経費から出ると思うから。あと、ただ、揃えて貰うだけじゃなく、やり方を覚えて最終的には自分達で出来るようにしないとこの先困るよ!」

「「「「成程」」」」

「解ってくれれば良いよ。ただ、俺だって何処までついていけるか解らないから、今から少しずつで良いから自分達でなんでも出来るようにならないと不味いからね」

「そうだな……確かにそうだ」

「ああっ、俺はただの冒険者。恐らく倒せるのはオーガが限界。そう考えたら俺がついていける限界は近い。 その先は自分達で頑張るしかないんだ! ギルドや教会に協力体制は頼むけど……頑張ってくれとしか言えない」

メンタルの事も含み、そこ迄には『ある程度』出来るようになって欲しい。

「そうだな……頑張るよ」

「そうね」

「確かに僕もがんばらないとね」

「わかったよ」

「まぁ4人も居るんだし、賢者や聖女は本来こう言う管理も得意なジョブだから頑張ってくれよ」

「解った」

「それじゃ3日後の出発で調整するよ!」

ようやく、初めての街から旅立てる……ハァ~永かったなぁ。




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