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第16話 勇者パーティとの関わり方

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「それじゃ行ってきます!」

「私も行こうか?」

「大丈夫だよ…多分3時間位で帰るから」

「そんな早くに…平気なの?」

「もう下準備は終わっているから、ヒヤリングをして書類を作成するだけだから」

「本当に? だけど、幼馴染だから積もる話しとかあるんじゃない?」

「ないない…只の知り合いだって」

「そ、そう?」

レイラは驚いているけど…俺にとっては『同じ村で育った』それだけの関係だ。

チビの頃遊びはしたが、早くに親を亡くした俺は彼等より、その親達に混じって仕事をしながら過ごした。

カイト達と遊んでいた時間より、村長とお茶を飲んでいた時間や、カイトの親たちと畑仕事していた時間の方が遥かにながい。

だから、カイト達は友達より、隣人に近い。

それに、カイトは悪い奴かどうか解らないが『女』という意味では村人として可笑しい。

同年代の女の子3人と交際…勇者になったから事なきを得たが、もし、そのまま村民だったら、将来かなりの修羅場になったはずだ。

貴族や王族なら兎も角、一般人は複数婚ができない。

カイトが3人を独占して過ごしていたから、年頃になった時、カイトが選ばなかった2人は『そこから婚姻相手を探さないとならない』

普通は農家だから、早々婚約者を決めるのにこれは厳しい。

カイトが一番好きなのはマリア。

そう思っていたからか、リタやリアの親は凄く困っていた。

俺に対して『うちの娘貰ってくれんか』そう言っていたのも、半分は本気だったのかも知れない。

俺は3人とも好みじゃないから、問題にならなかったが、もし村長に言えば『1人に絞れバカ者』位は言われるような行為だ。

実害は無いが、此奴性格が悪いな…それ位思っても可笑しくないよな?

「だって、俺は彼奴らと一緒に過ごした時間が余り無いから、好きでも嫌いでも無いって感じだよ! 4人がもし友達なら、村長やカイトの親達は親友になるんじゃないかな」

「言われてみれば、その通りだね…リヒトは何時も大人と過ごしてたよね」

「でしょう?それじゃ今度こそ行ってきます!」

顔見知り位にしか本当に思えないんだよな。

◆◆◆

「よう!リヒト」

「カイト2日間ぶりだな、早速だけど冒険者ギルドへ行くぞ!」

「ちょっと、今着いたばかりだから休みたいんだけど?」

「疲れたぁ~少し休ませて」

「私も…」

「大丈夫…直ぐに手続きは終わるから! 新しい街についたら冒険者ギルドへ直行、これ常識だから覚えて置いて!」

「「「「解った(わ)(よ)」」」」

4人を連れて冒険者ギルドへ向かった。

◆◆◆

「こんにちは! カイト達勇者パーティを連れて来ました! 宜しくお願い致します!」

「はい、大丈夫ですよ! それじゃ、早速、お話を伺わせて頂きます」

そのまま、奥の応接室へ案内された。

勇者ってやっぱり特別なんだな。

応接室なんて上級冒険者じゃなくちゃまず使えない。

「おい、リヒト…どう言う事だ?」

「これからの事について話すんだよ!まずは話しを聞いて欲しい」

「「「「解った(わ)(よ)」」」」

応接室に通されたら、直ぐに高級なお茶や菓子が出て来た。

4人とも少し驚いている。

まぁ、此処からは本格的な『特別扱い』になるからな。

「それじゃ、まず何からお話しましょうか?」

「あらかじめ、申請しておきました支援金からお願い致します」

「そうですね…はい、此方金貨10枚(約100万円)になります!サインをお願い致します!」

「カイト、サインしてお金を受け取って」

「リヒト、これはどう言うお金なんだ…」

「これはカイト達4人の生活費だよ! 冒険者への報酬の支払いは国払いが可能だけど、他はこのお金から払う必要があるんだ! 貰うのには申請が必要だから、注意が必要だ」

「そうか…サインすれば良いんだな」

「そうだよ」

やはり、世間知らずで怖いな。

幾ら俺が言ったからって書類も読まずにサインしちゃったよ。

「これで、この金貨は貰って良いのか?」

「勿論、次はお世話係の冒険者をお願いします!」

「「「「お世話係?」」」」」

「4人とも家事は苦手だよな? 主に洗濯や掃除をしてくれる冒険者だよ! 村だとこんな依頼はしないけど、街だとあるんだ…詳しくはギルドの職員から聞いてくれるかな?」

「コホン、ご説明させて頂きます。この大袋をお渡ししますので、洗濯に必要な物を入れて置いて下さい! 朝、冒険者が宿へお伺いしまして、掃除が終わった後に回収して洗濯して翌日にお渡します!掃除、回収を行う冒険者は、リヒト様の要望で引退まじかの経験豊富な冒険者に交代で行って貰います。討伐で必要な物の調達、武器についての相談も乗る様に言っておきましたので、困った事等がございましたら、何でも聞いて下さい」

「リヒト、これはどう言う事だ?」

「4人とも家事とか壊滅的だろう? だから宿屋への冒険者の派遣を依頼したんだ、これも国払いだから気にしないで大丈夫だ」

まぁ、申請したら明らかに変な目で見られたが出来ないのだからしょうがない。

「そうだな…助かるよ!」

「あと、勇者パーティは討伐をしてもお金は自分達には入らないからな、全部国庫行きだから、忘れるなよ!」

「それじゃ、俺達の金は…」

「そうよ?どうするの?」

「討伐してもお金が入らないの?」

「なんで」

「その為の申請書類だ…これについては宿屋に行ってから話すよ」

「そうか?解った」

「「「そう」」」

「それで、冒険者ギルドで聞きたい事ある? 無ければ今度は宿屋に行くけど?」

「悪い、頭がこんがらがって、質問したい事が解らない」

「取り敢えず、冒険者が朝来て、掃除や家事をしてくれるのよね」

「洗濯ものを袋で出せば良い…そういう事だね」

「困ったら相談、そういう事ね」

「まぁ、解らなければ基本、冒険者ギルドへ相談、それだけ覚えて置けばどうにかなるよ…それじゃ宿屋に行こうか?」

次は宿屋だ。

◆◆◆


「此処が4人のこの街の拠点の宿屋だ…基本、宿屋のお金は支給されたお金から支払う必要があるからな」

「そうなのか?」

「ああっ、だが、勇者は教会とも繋がりがある、もし宿屋のお金が払えそうに無い時や、買い物で必要なお金に困ったら教会を頼ると良い…だが、それは極力避けて申請したお金で生活するように心がけてくれ」

「解った」

「解ら無くなったら、聞くわ」

「それが良いかも…」

「うんうん、そうする」

「まぁ良いや、取り敢えず宿屋に入るよ」

四人の返答を待たずに宿屋に入った。

「いらっしゃい…リヒトさん、そちらがカイトさん達勇者パーティかい?」

「そうです、今日からお世話になります、カイト宿代を払って! 取り敢えず1人部屋と3人部屋を2週間とってあるから、朝と夜は食事がでるから、要らない時は事前に伝えて置けばOKだ! お昼は出ないから、さっき貰った支援金で食べて…ほら」

「ああっこれで良いか?」

カイトは袋からお金を取り出し宿代を支払った。

「そう、それで良いよ、今日は旅で疲れただろう? 一応、今後の流れについて書いたマニュアル置いて行くけど、今日は休んだらどうだ? 明日でもヒヤリングに来るよ…お昼過ぎがよいかな?」

「ヒヤリング? なんだそれ?」

「それ何?」

「何か、話しあうのかな?」

「何か聞きたいの?」

「支援金を貰ったり補助金を貰うのには申請書を出さないとならないんだ、まず、行動予定表、予定目標、計画書、次の支援金の申請書等を聴きながら作っていくよ…それと勇者パーティの方だけど? どっちか決まった?ハーレムパーティか通常パーティか?」

「それどちらか決めないと駄目なのか?」

「もう少し考えてからじゃ駄目?」

「まだ、結論がつかなくて」

「迷っているの」

「あのさぁ、悪いけど王族や貴族が傷物を欲しがると思う? 幾ら、聖女や剣聖や賢者でも男関係があったら、嫁になんてプライドがあるから貰う訳がない。カイトだって同じだ、他の女を抱いた男を姫様の婿にするかな?」

「「「「それは」」」」

「それはじゃないよ? 選べるのは今だけだよ!通常のパーティを選択して醜聞が広がれば、婚姻も無くなり評判も悪くなるよ! 逆にハーレムパーティを選べば避妊さえ気をつければ醜聞にならない。殆どの事が『仲が良いんですね』で済む…それに村じゃ皆が、ハーレムパーティだと思って見ていたから、今が多分最後のチャンス! 明日のヒヤリングまでに決めて置いて…」

「「「「「解った(わ)(よ)」」」」


「あっそうだ…もし通常パーティを選ぶなら『今日もするなよ』此処はもう街なんだから村と違って醜聞は直ぐに広がるからな」

それだけ伝えると、俺はカイト達の宿屋を後にした。

本当はヒヤリングまでしたかったけど、疲れてそうだから、明日にした方が良いな



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