勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん

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第11話 あたいで大丈夫なのか?

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「レイラ姉さん、楽しいねー」

「そうか、リヒトはあたいなんかと一緒に旅に出て楽しいのか?」

そう言いながらもレイラ姉さんは両腕を頭の後ろで組んでご機嫌そうに見える。

「楽しいに決まっている、レイラ姉さんと一緒だからね」

「そうか…まぁ良いや、本当にリヒトは物好きだな」

「そう?俺はそうは思わないけど?」

「それで、隣町まで行ってどうするんだ?」

「カイト達が泊る宿屋の手配、可能なら朝夕2食食べられるような場所が理想。他は雑用を受けて貰える冒険者の手配、洗濯や掃除一式を纏めてやって貰えるのが理想です、昼食を朝用意してくれる酒場に、必要な物を纏めて購入できる雑貨屋の場所の把握…あとは良さそうな武器や防具の店の把握…あとはそうだギルマスへの挨拶、必要なら領主との話し合い…そんな所かな」

「確かに大変そうだけど、なんだか聞いた感じ、リヒトは何もしないで手配だけしかしない様に思えるのは気のせいか?」

「そうでもないよ?諸々の報告書…これだけはめんどくさいけど、俺がやらないと駄目みたいだ!他はまぁ代理で出来る事は全部代理にやらせるよ」

「料理とかやってやらないのか?リヒト得意だろう?」

「得意なのと好きなのは違うよ! 俺の料理は…自分の為、もし自分以外の人に作るなら『大切な人』の為に…かな?」

「大切な人の為?」

「レイラ姉さんの為になら作るよ」

「ああっ…ありがとう…」

顔が赤くなってるし…うんうん、レイラ姉さんのこう言う所は乙女で可愛い。

戦う姿を怖がる人は多いけど、それは誰かを救う為に振るっていたに過ぎない。

俺はゼウスさんの影響を受けたせいか、まるで舞っている様に美しく見えたんだ。

兎も角、素のレイラ姉さんは多少言葉遣いは悪いが、可愛らしいと思う。

尤も口に出すと照れて出さなくなるから、絶対に言えないけどね。

「もう少しで隣町スタトラにつくね」

「そうだな…そう言えばリヒトとあたいは、カイト達が討伐している間は何をするつもりだ…一応は討伐はするんだろう?」

「そうだね…旅の資金は自分で稼がないといけないから。レイラ姉さんに色々教わりながらゴブリンからスタートするつもりだ」

「随分と消極的なんだな」

「無理しないで、貯金を溜めてレイラ姉さんと…そうだな退廃的な生活が出来ればそれで良いや」

「退廃的?」

「そう…ただ二人で面白可笑しく生きられれば、それで良いと思う」

「随分と少年にしては夢が無いんだな」

「夢? それならもう叶っているからね! 好きな人との楽しい生活…今の生活が正に夢の様な生活なんだよ」

「そっそうか…」

また、顔が赤くなった。

この可愛さが解らないなんて、世の中の男は見る目が無いな。

◆◆◆

「レイラ姉さん着いたね」

「そりゃ、隣町だからね…それであたいは何をすれば良いんだ?」

「取り敢えず、宿屋をとるから休んでいて良いですよ! 俺はさっさと仕事を終わらしてきますから、夜は一緒に何か美味しい物でも食べに行きましょう?」

「それで良いの?」

リヒトはさっさと宿をとってあたいを置いて行ってしまった。

しかし、どうして好かれたのか解んねーけど、よくもまぁ惚れたもんだ。

こんなガサツな女何処が良いんだか…

流石に今の状況で『好かれていない』なんて否定はできないな。

それで、あたいは一体どうすれば良いのかねぇ。

リヒトは気がついて無いけど、ここ2人部屋だけどベッドは一つしかねーんだけど。

こんな行き遅れでも良いって言うんなら…覚悟を括るしかねーよな。

だが、本当にあたいで大丈夫か?

あたい、結構なババアなんだけど…




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