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第7話 好きになる理由
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こうしてレイラ姉さんを背負うのは何回目だろう…
うん、数えきれないよな。
涎垂らして、飲んだくれて…それでも俺はレイラ姉さんが好きだ。
レイラ姉さんの家に付き、ベッドで寝かした。
他の人は野蛮だと言うけど、何故か俺にはレイラ姉さんが敵を倒す姿が凄く綺麗に見えたんだ。
なんて言えば良いのか解らないけど、まるで綺麗な鳥が舞うような美しさと、誇り高い獣の様な何とも言えない野性的なカッコ良さがあるんだ。
誰が認めなくても俺にはその戦い方が美しく見えたんだ。
俺がババコンと呼ばれる様になったのにはちゃんと原因がある。
子供の俺に、色々構ってくれる冒険者のゼウスおじさんが、こんこんと年上の女性の素晴らしさを俺に語り、そして俺の生活で、それが身に染みて解ったから…そうなった。
一番、傍に居た女性はカイト達、一応幼馴染の母親だった。
両親を亡くした俺に優しくしてくれて、偶にご飯をくれたり、寂しい思いをしたり失敗したら慰めてくれる女性…それがカイト達の母親だった。
俺はチョロいのかも知れないが、家族が居ない人間なら、そういう女性が好みになるのは仕方が無いだろう…
だけど、だんだんと気づいてしまう。
彼女達は『人妻で母親なのだ』と。
幾ら俺を可愛がってくれても、愛している旦那や子供が居る。
だから、俺がどんなに頑張っても彼女達の1番にはなれない。
何回か幼馴染と揉めた時には、俺が正しくても幼馴染の側に彼女達はたった。
母親が亡くなってから『俺を1番にしてくれる女性』は何処にも居なくなった…そう思っていたんだ。
そんな中で、俺に一番優しくしてくれたのがレイラ姉さんだった。
レイラ姉さんは余り覚えてないみたいだけど…
『男だろう?泣くんじゃない』
『なんだ? 親が居ない? あたいだって同じさぁ!親なんかいなくても生きていける』
『家族が欲しいだぁ? 仕方ねーな姉ちゃんになってやるから泣くな』
時には優しく、時には厳しく、こんな事言われて孤独を感じていた俺が好きにならない訳ないよな。
血は繋がって無い。
だけど、本当の姉さんみたいに思っていた。
だけど、レイラ姉さんが英雄パーティに加わり旅立った時に気がついてしまった。
俺は家族じゃ無くて1人の女性としてレイラ姉さんが好きなんだと言う事を…
10歳を超え、そろそろ結婚を意識しないといけない時期が来た。
カイトはマリアと仲が良い。
基本的に村では近くで結婚相手を探すから、そうなると俺の結婚相手はリタかリアだが…
同じ年なのに可笑しいが、只の子供にしか思えなかった。
『お前はじゃあ誰と結婚したいんだ』
そう考えた時に頭に浮かんだのはレイラ姉さんだった。
だけど、それは失恋を意味していた。
英雄パーティとして旅立ったレイラ姉さんにはどう考えても良縁が来る。
きっと、俺みたいなガキとは付き合って貰えない。
それだけじゃない!俺が15歳になる時は一回り年上のレイラ姉さんは27歳。
普通に考えたら子供の1人や2人居ても可笑しくない歳だ。
ずうっと好きだったレイラ姉さん。
最早諦めるしかない状態だった。
本当は喜んじゃいけない。
英雄パーティでレイラ姉さんにだけ婚姻の話は無く、村に帰ってきた。
そして、いつも飲んだくれている。
俺はもう成人して『好き』だと何回も言っているのに信じて貰えない。
だから、こうするしか無かった。
誰かの奴隷になってしまうなら…これで良い。
◆◆◆
涎垂らしていびき掻いて寝ている。
奴隷契約を結んでいるから抱いても問題はない。
だが、俺が欲しいのは体じゃなく心だ。
俺が買ったのは『レイラ姉さんと過ごせる時間を買った』そう思っている。
だから、そんな事はしない。
流石にこの状況でこの間みたいにベッドに潜り込む度胸は無い。
多分、朝酔いがさめたレイラ姉さんからかなりきつい事を言われる筈だがそれは甘んじて受けよう。
さて、俺も寝ようかな…
俺は床に転がるようにして眠った。
うん、数えきれないよな。
涎垂らして、飲んだくれて…それでも俺はレイラ姉さんが好きだ。
レイラ姉さんの家に付き、ベッドで寝かした。
他の人は野蛮だと言うけど、何故か俺にはレイラ姉さんが敵を倒す姿が凄く綺麗に見えたんだ。
なんて言えば良いのか解らないけど、まるで綺麗な鳥が舞うような美しさと、誇り高い獣の様な何とも言えない野性的なカッコ良さがあるんだ。
誰が認めなくても俺にはその戦い方が美しく見えたんだ。
俺がババコンと呼ばれる様になったのにはちゃんと原因がある。
子供の俺に、色々構ってくれる冒険者のゼウスおじさんが、こんこんと年上の女性の素晴らしさを俺に語り、そして俺の生活で、それが身に染みて解ったから…そうなった。
一番、傍に居た女性はカイト達、一応幼馴染の母親だった。
両親を亡くした俺に優しくしてくれて、偶にご飯をくれたり、寂しい思いをしたり失敗したら慰めてくれる女性…それがカイト達の母親だった。
俺はチョロいのかも知れないが、家族が居ない人間なら、そういう女性が好みになるのは仕方が無いだろう…
だけど、だんだんと気づいてしまう。
彼女達は『人妻で母親なのだ』と。
幾ら俺を可愛がってくれても、愛している旦那や子供が居る。
だから、俺がどんなに頑張っても彼女達の1番にはなれない。
何回か幼馴染と揉めた時には、俺が正しくても幼馴染の側に彼女達はたった。
母親が亡くなってから『俺を1番にしてくれる女性』は何処にも居なくなった…そう思っていたんだ。
そんな中で、俺に一番優しくしてくれたのがレイラ姉さんだった。
レイラ姉さんは余り覚えてないみたいだけど…
『男だろう?泣くんじゃない』
『なんだ? 親が居ない? あたいだって同じさぁ!親なんかいなくても生きていける』
『家族が欲しいだぁ? 仕方ねーな姉ちゃんになってやるから泣くな』
時には優しく、時には厳しく、こんな事言われて孤独を感じていた俺が好きにならない訳ないよな。
血は繋がって無い。
だけど、本当の姉さんみたいに思っていた。
だけど、レイラ姉さんが英雄パーティに加わり旅立った時に気がついてしまった。
俺は家族じゃ無くて1人の女性としてレイラ姉さんが好きなんだと言う事を…
10歳を超え、そろそろ結婚を意識しないといけない時期が来た。
カイトはマリアと仲が良い。
基本的に村では近くで結婚相手を探すから、そうなると俺の結婚相手はリタかリアだが…
同じ年なのに可笑しいが、只の子供にしか思えなかった。
『お前はじゃあ誰と結婚したいんだ』
そう考えた時に頭に浮かんだのはレイラ姉さんだった。
だけど、それは失恋を意味していた。
英雄パーティとして旅立ったレイラ姉さんにはどう考えても良縁が来る。
きっと、俺みたいなガキとは付き合って貰えない。
それだけじゃない!俺が15歳になる時は一回り年上のレイラ姉さんは27歳。
普通に考えたら子供の1人や2人居ても可笑しくない歳だ。
ずうっと好きだったレイラ姉さん。
最早諦めるしかない状態だった。
本当は喜んじゃいけない。
英雄パーティでレイラ姉さんにだけ婚姻の話は無く、村に帰ってきた。
そして、いつも飲んだくれている。
俺はもう成人して『好き』だと何回も言っているのに信じて貰えない。
だから、こうするしか無かった。
誰かの奴隷になってしまうなら…これで良い。
◆◆◆
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だが、俺が欲しいのは体じゃなく心だ。
俺が買ったのは『レイラ姉さんと過ごせる時間を買った』そう思っている。
だから、そんな事はしない。
流石にこの状況でこの間みたいにベッドに潜り込む度胸は無い。
多分、朝酔いがさめたレイラ姉さんからかなりきつい事を言われる筈だがそれは甘んじて受けよう。
さて、俺も寝ようかな…
俺は床に転がるようにして眠った。
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