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第56話 とりあえず旅は続ける
しおりを挟む「聖夜って、地味だけど結構カッコ良かったんだね! 知らなかったな……うんうん!」
「そうだよね……なんで黙っていたのかな……」
「聖夜様、本当に素敵ですわ」
と言われているけど……目が見えない2人は何を基準にこんな事言っているんだよ……全く。
散々容姿の事でリスっていた癖に……
「あのさぁ、リリアは兎も角、二人は目が見えないだろう?」
「確かにそうなんだけど、聖夜の姿が頭に浮かぶのよ……そのまるで黒髪の王子様みたいに頭に浮かぶのよ……その完全に私の理想の男性の姿で……それで、あんな事までされて、もう……お金も権力も要らないわ……聖夜さえいれば他は何も要らない……だから捨てないで、私なんでもするからね」
「うんうん、なんでかな? 私の理想の男性の姿で聖夜くんの顔や体が浮かぶの……ドS系御曹司みたいな姿でね、それに体の感触も最高! 細マッチョでまるでアイドル俳優みたい……離さないで欲しい……なんてね」
「私は、聖夜さまが……その理想ですわ! それが、あんな事までされて……凄かったとしか、もう一生奴隷で構いません。そう、愛の奴隷ですわ」
これはどう言う事だ?
いきなり来夢が頭に語りかけてきた。
『当たり前だわ! 昨日も話したじゃない? サキュバスやインキュバスは夢魔。 実際にただ抱くだけでも『魅了』は掛かり、あっちの方は最高レベル……貴方童貞だった筈なのに凄い事が出来たでしょう?』
『確かに……だけど容姿が違っているのはなんで?』
『あのね……サキュバスは万人に理想的な異性にみえるでしょう? 一つの容姿じゃあり得ないじゃない? 相手にとって理想の存在に見えるそういう種族なのよ』
『それは……凄いね』
『ええっ、特にあの二人は目が見えないから、生涯、貴方の容姿は理想の男性に見え続けるわ……良かったわね』
本当にそれで良かったのか?
『貴方『愛』が欲しかったんでしょう? サキュバスやインキュバスの能力は強烈よ! 子供から大人の女性まで犯せば、どんなに嫌がっても貴方の物……これで解ったでしょう?』
これで良いのか……まぁ考えても今更だな。
『あと、もう魔族は気にしないでよいわ』
『何故?』
『だって、貴方の中に私が宿っているんだから、魔王様や更に上の幹部に出会わなければ、敬意を払うか黙って立ち去るわよ! 魔物や馬鹿な奴ら意外はね』
『そうなのか』
もう安全は半分確保したものか……これからどうするかな。
『また眠くなっちゃったから眠るわね。 よいかな? もっと沢山SEXしなさい……そうすれば更に強くなるからね』
戦闘以外でもか……もうなるようにしかならないな。
「聖夜……どうしたの? なにか悩み事?」
「うんうん、なんでも相談に乗るからね」
「聖夜様、困った事があるなら幾らでも言って下さい」
股間に手を伸ばし、胸を押し付けられて言われてもな。
「そうだね、旅を続けるか」
もう魔族関係は安全とはいえ、王国も恐いから離れるに越したことは無いからな。
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