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第19話 使えない女たち
しおりを挟む塔子と綾子と一緒に風呂に入っている。
羨ましいって……そんな事は全然ない。
大体、入浴も態々メイドか執事に申請して夜遅くに入らないとならない。
城の使用人用の風呂は男女に別れている。
だが、二人が真面な状態なら、自分勝手に入るだろうが、目が見えない状態だから、男の俺が世話をする為に入る事になる。
だから、全員が使ったあとに貸し切り状態で入るしかない。
「裸の私が見れて嬉しいでしょう?」
「じっくり見ても良いし! ちゃんと面倒みてくれるなら夜の相手もしてあげるよ……どうかな? こういう子、手元に置いて置くべきじゃない?」
ハァ~ 別に嬉しくはない。
いや、確かに目の保養にはなる。
触れば、なんとなく良い感触は味わえる。
だが、その対価がお世話だと言うなら『全然釣り合わない』
◆◆◆
介護を舐めちゃいけない。
それが此奴らと過ごしているうちに良くわかった。
体が動くだけまだ良いが目の見えない相手の介護は物凄く大変なんだ。
例えば、朝起きるだろう…...まともに目が見えないから顔を洗ったり歯を磨いたりする介助をして、着替えさせてやらないとならない。
飯だってそうだ、ナイフやフォークの位置がわからないから、当人にやらせるとグチャグチャにするから、僕が食べさせてあげないとならない。 これが日に三回だ。
トイレだってそうだ。 最初は連れていって自分でさせていたけど……下着の件でこの城のメイドから苦情がきた。
『さすがに、こんな下着を洗いに出すのは非常識すぎます』
だとさぁ……簡単に言うとまぁ、黄色い物や茶色い物が結構ついている。
目が見えないという事は、まともに用を足した後に尻やあそこが拭けていないんだよ。
この世界にウオシュレットなんて物はない。
当人にまんま伝えるしかないだろう。
『何考えているんですの? 目が見えないからって変態ですわ! 恥を知りなさい』
『幾らなんでも酷いよ……そんな事までされたくないよ、そこ迄私が憎いの』
ハァ~面倒くさい。
僕は二人の後ろに回り、スカートをたくしあげて、パンツをおろした。
『『きゃぁぁぁーーー』』
『あのな、見たくてやっている訳じゃない! お前等、目がまともに見えていないから、ちゃんと拭けてないんだよ! はっきり言えば、二人とも尻にウ〇コもついているし、紙の破片もついているんだ。そしてパンツも良く拭けていないからか黄ばんでいる……それでクレームがきているんだけど? どうする?』
こんな汚物状態の物出されれば文句位言われても仕方が無い。
まして、相手は此方を嫌っているんだからな。
『どうするって! どうするのよ!』
『あの……もしかして……聖夜くんがするの』
『それしかねーだろう! 嫌ならいいんだ。ケツにウ〇コつけて過ごせよ……だが、その汚れたパンツは誰も洗いたがらない。勝手にどうぞ!』
確かに二人は見た目は可愛いが、だからって排泄あとの世話なんて誰もしたくないだろう。
『解ったわ…ごめんなさい』
『お願いします、ゴメンね』
結局、僕が二人のトイレの際のパンツの上げ下げから、尻拭きまでやる事になり、此奴らのパンツは僕が下洗いした状態でメイドに渡す事になった……最悪だ。
綾子はまだ良かったが、塔子は最初の時に、べそかいて暴れて俺の手にアレがついた。
幾ら美少女でも臭いものは臭い。
その他にも、鼻をかませてやったり、鼻毛を切ってやったり、凄く雑用が多い。
こんなのと裸が見れて触れる事が釣り合う筈がない。
介護って身内や夫婦でも面倒くさいのに……本当に面倒くさい。
◆◆◆
「あのな、確かにお前達は美少女って言えるくらい綺麗なのかも知れない……だが、性格が悪くて引く様な女だし、まず汚い。 これから洗うのだって仕方なくだ……目が見えるなら状態を見せてやりたい位だ。 汚れ切った股間や尻に手をいれて洗う身になれよ! 誰だって汚い物を触りたくないだろう」
「ごめんなさい……悪かったわ」
「えっ!? だけど、男の子って、その状態のアレをしゃぶれって咥えさせて喜ぶ位だから…….」
「僕にそういう趣味は無い」
そうだ、綾子は色々経験済みだったな。
まぁ、僕だって男だし、人並みに性欲はある。
性格は兎も角、外見なら二人ともそこそこ可愛い。
塔子は黒髪色白のお嬢様だし、綾子は黒ギャルっていう感じだ。
いっそうの事、性処理相手に使ってやろうか。
そう思ったが……その後を考えやめた。
だって、使ったあとの後始末は全部僕がする事になる。
体を全部洗って口を注がせてシーツ交換やそのほか諸々の事をして……どう考えても大変だ。
「ほら、洗ってやるから、喋るな」
本当に使えないよ此奴ら。
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