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第15話 大河SIDE 死に繋がる腕の痛み

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「痛ぇぇぇぇーー腕が、腕が痛ぇぇぇぇーー」

何が起きたのか解らない。

腕が急に痛くなった。

最初は少し冷たく感じ、次は熱く感じ、そこから腫れてきて……今は物凄い激痛が走っている。

「うわぁぁぁぁーー痛い痛てぇぇぇぇーー」

「これは、まさかライオネス様の時と同じだ……駄目だ! 回復魔法も薬草も効かない」

「頼むから、頼むから治してくれ。ハァハァ痛いんだよーー止めろよ」

だが、回復師は首をかしげるだけで、動かない。

さっき迄、魔法を掛けたり、回復薬を振りかけていたが、今は何もしてくれない。

異世界なんて来るんじゃなった。

どんな病気か解らないが……元の世界なら大病院で治療を受けられる。

だが、魔法が使えない以上ここでは真面な治療が受けられない。

俺が痛みに耐えながらベッドで朦朧としながら寝ていると……どうやら、ライア王女が来ているようだった。

『まさか、これはライオネスと同じ病なのでしょうか?』

『恐らくそう思われます』

『それでどうなの?』

『ライオネス様と同じ症状です! 既に腕の一部が壊死し始めています』

『くっ、聖女についで剣聖まで失うと言うの! 今回の異世界召喚は呪われているって言うのかしら? 役立たずもいるし最悪だわ! どうにかならないの?』

『命を助けるという意味なら腕を切り落とせば、助かります……ですが腕が無ければ剣聖として』

『駄目よ! 絶対に腕を切り落とさないで治しなさい』

『それならば『究極呪文パーフェクトヒール』か『秘薬エリクサール』しかありません』

『無理ね……パーフェクトヒールは今現在使い手が居ないわ。エリクサールはいかに剣聖でも使えない! 貴方達でどうにか治療しなさい』

『そんな』

こんな会話が聞こえてきた。

俺の腕が壊死しているだと!

それは俺の腕が腐ってきている? そう言う事か?

『良い!?  腕を切り落とすのは許さないわ! 剣聖としての価値が無くなるから、死んだも同じ……その条件で治療をしなさい』

『ですが……それだと死ぬ確率が高いですよ』

『剣を使えない剣聖なら、居なくても同じです』

俺の腕はこのまま腐ってしまうのか?

今、俺の腕を切り落とせば助かる可能性はあるのか……

「待ってくれ!」

「起きていたのですか?」

「ああっ、今の話を聞いていたんだ……ハァハァ、頼むから助けてくれ……死にたくない! 死ぬ位ならこの腕を切り落としてくれ」

「それなら、気にしないで大丈夫ですよ? 切断もしないでちゃんと治療しますから! 大丈夫です、最高のヒーラーがついています。 ご安心を」

「ハァハァ……痛いんだ、頼むよ……そうだ、エリクサール。 秘薬エリクサールを使ってくれ……頼む」

なんだ、俺達は魔王と戦うんだろう……使ってくれたって、良いじゃないか。

「貴方の症状では意味は無いと思います。ですが……それで、安心できるなら良いでしょう! だけど、エリクサールは城より高いのでもし使ったら、貴方達がもし魔王を討伐してもまともな褒賞を払えませんが良いのですか」

「死にたくない……ハァハァ使ってくれ」

「解りました、使いましょう」

そう言うとライア王女は俺の前から去っていった。

◆◆◆

「ライア様、本当にエリクサールを使って良いのですか?」

「あれは、王族でもおいそれとは使えないわ! どうせわからないから、適当なポーションをエリクサールとして与えなさい!」

「宜しいので?」

「もし、治ったら……エリクサールを使ったからと褒賞を思いっきり減らせるし、治らなければどうせ使い物にならないんだから、それで良いわ。絶対にばれないようにね」

「解りました」

しかし、なんで今回の召喚はおかしな事ばかり起こるのでしょうか?

これで2人目よ……
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