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第40話 【閑話】 老人施設
しおりを挟む「大輔、お前のDSSSより追放が決まりました、連行します」
何で儂が乱暴に女に抱えられなければならんのじゃ。
「待て、儂は今でも搾精の義務を果たしておる、横暴じゃ」
一体何が起きたのじゃ…確かに儂は年齢的にはそろそろ終わりじゃが、まだ早すぎるし…此処から何故追い出されるのじゃ
「大輔、貴方はパートナー申請での虚偽がありますね…確かに人数は満たしていますが、面会などを行っていません」
「儂は確かに、そうじゃが…そんなの殆どの男がそうじゃろう…名前だけの申告等、全ての男が行っておる…それに儂は1人は老後の世話の為に此処にいれておる」
「その一人は理由は言いませんが、もう貴方の者じゃありません」
「何の権利があって、まさかあの32歳の糞野郎がごねたのか…お前ら散々儂を利用して…」
なんじゃ…何時もと様子が違うようじゃ。
「そうですね、その分のお金や待遇はしていました…それじゃ行きましょうか」
「待て、何処に行くのじゃ離せっ」
「老人施設ですよ…男しか居ない場所です」
◆◆◆
ヘリコプターに乗せられて儂は何処かに連れていかれた。
そして、突き飛ばされる様に落とされた。
「此処は何処じゃ…いい加減にしろ」
「そこは老人施設、貴方達にふさわしい住処です…では素晴らしい老後をお過ごしください」
なんなんじゃ此処は。
「おう、新入りが来たな」
「久々じゃな…お互い頑張ろうな」
どういう事じゃ…女ではなく男しか居ない…だが、何故皆はこんな貧乏そうなんじゃ。
「ここは何処じゃ」
「此処は老人施設…女が居ない世界じゃ」
老人施設?
「まぁ良い…休みたい…どこか休める場所に…」
周りを見渡すが、廃墟みたいな建物しかない。
近くの儂より年上の男がその廃墟みたいな建物を指さした。
「こんな所なのか…」
「あんたに説明してやるから、行こうぜ」
此処に居ても仕方が無いので儂はついていく事にした。
「それじゃ…説明してやる」
話を聞くと、この建物に儂は住まないとならないらしい…
エアコンもテレビも無い…暑い時は窓を開けるしかないそうだ…
しかも、無いだけじゃなく、電気、ガス、水道もなく、水は井戸に飲みに行くしかない。
調理をしたいなら、焚火をして焼かなくてはならない…しかも調味料も無く…洋服の支給も無いそうじゃ…
何もない…
どうしてこんな事になったんじゃ。
「どうしてこんな事になっておるんじゃ」
「そりゃ、あんたが義務を果たしてないか女性を大切にして無いかしたからこうなったんだ」
話を聞くとこうだった。
今やこの世界は女によって回っている。
この施設は『女を蔑ろにし大切にしなかった者』や『女と縁を結ばなかった者』のくる場所だという事じゃ。
女側の言い分では…
電気もガスも水道も『男は誰も携わらずに作られている』
洋服もスマホも家電も同じ…
建物も全部同じく女が作っている。
食料も99.999999パーセントは女が作った物だ。
つまり…この世の全ては『女』の物、そういう事らしい。
そして『女』は男を大切にし尽くし…幸せにしたい、そう考えている。
そこ迄尽くしても『女』を嫌う男性には男としての価値が無くなった時に此処に連れて来られるのだと。
「そんな話は聞いた事ない」
「確かにそうだ…だが良く考えてみれば『介護して貰っているネットの情報は個人の者ばかりだった』そう思わないか?」
たしかにいちいち調べたりしなかったが…
だが、言われてみれば、老人のサイトの多くは個人のサイトが多く、大概のサイトは妻に世話になっているサイトばかりだった。
儂は勘違いじていたのか…死ぬまでDSSSに居られる…そう思っていたのじゃ。
「死ぬまでDSSSに居られる、そう思っていたのじゃが…」
「ああっ、それには条件があって、後だしみたいで私も腹がたつがDSSSに自分を介護してくれ程愛してくれる女が居る…そういう条件らしいぜ…何でも歳をとって価値が無くなった男は要らない、だからDHSやDSSSの保護から外れる…だが男に囲われた女の多くは自分達も衣食住が無料だからとしっかりとお金を貯め込むらしい…そのお金を最後に使って『永代料金』を払うらしい」
「永代料金?」
「そうだ永代料金だ…ようは『自分と旦那を死ぬまで面倒見て下さい』そういうお金だそうだ幾らかは解らないがな、それをDSSSは受け取って生涯の面倒を見るんだそうだ…あそこで生涯暮らしている男は…そういう男か…もしくはそれに匹敵するお金を自分が払い込んだか、そういう奴だ」
「待て…それじゃ、支給金は貯めなくちゃならんかったのか?」
「そうだな…それだけじゃない足りないから、頑張って精子を2本以上提出してお金を貯めたり…もし関わり合いになりたくないなら、お前だって女に『ご学友』や『顔見知り』『愛人』の名前を売っただろう…そのお金を貯めて置く必要があったんだ」
「そうだったのか…」
「まぁ『女』にちやほやするようなキモイ男は居ない…ただ、我々はやりすぎた…それだけだ」
「それで儂は、これからどうすれば良いんじゃ」
「住む所は、大昔、戦争前に男が作った廃墟…さっき見ただろう、そこだ…食料は自給自足…トイレは無いから、その辺で済まして、川で尻は洗うんだな…この島は運が良く温泉があるから自由に入れる、あとは自由に…」
「コーラは?」
「無い…」
「自給自足とはどうすれば良いんじゃ」
「俺達の仲間に入るなら、食わせてやろう、その代り畑の世話や狩り、漁等を手伝って貰う」
「そんな事何故せねばならぬのじゃ」
「此処には世話をしてくれる女が居ないんだ、自分で全部やらなければならない…まぁ仲間になる、ならないは今直ぐでなくて良い…ゆっくり決めれば良いさぁ」
此処では、食べる事すら大変だった。
『女』が居ない…それだけで地獄だった。
こんな辛い思いをするなら…『女』に親切にするべきじゃった。
うん…待て、儂は『顔見知り』を1人置いていた筈じゃ…
次にヘリが来た時に申しだてをしたが…そんな登録は無いと言われた。
儂は誰かに嵌められた…
多分、そうじゃ。
いつ死ぬか解らないが…この地獄の中で生きていかなければならない。
医者も居ないし、薬も無いから病気や怪我は怖いし、重病や大怪我をしたら死ぬしかない。
死んだら…墓も作られずに…海に捨てるそうじゃ…
『コーラが飲みたい』
こんな小さな望みも敵わない…
馬鹿な事をしたもんじゃ…
幾ら後悔しても…もう遅い。
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