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第61話 戦利品
しおりを挟むアジトの中には沢山の少女がいた。
「あの……私、そんなお金返せません……許して下さい!」
これから言う事は、人間として最低の事だ。
だが、俺にとっても彼女にとってもWINWINの筈だ。
「あのさぁ、ホスト相手にあっちの方の経験はあるんだよな?」
「あります……ですが、お金で体を売るのは……」
「あっ、そう体なんて売らなくても良いよから、俺に抱かせてくれるだけで良いよ! 借金もチャラで良いし俺は金をとらないよ?」
相手の目を見つめながら『魅了』をかける。
「そんな、私は好きだったから……あの、抱かれるって貴方に抱かれれば良いのですか?」
「そうだけど?」
「それなら構いません! いえ、寧ろ望む所です!」
さっきまで半べそをかいていたのに、もう目の前でガッツポーズをとっている。
なかなか強いな。
「そう……良かった」
「貴方相手なら頑張って稼いで貢ぎます! 体だって嫌ですが売っちゃいます」
やっぱり『魅了』は凄いな……
「体は売らないで良いから、寧ろ俺の方が生活費を負担するからね」
「そうですか……それじゃ、抱きたくなったら何時でも声かけて下さいね」
この子、今は普通に話しているけど、さっき迄服を脱がされ掛かって、泣いていて、今は下着姿なんだけど……いまは、何故かニコニコしている。
まぁ良いや……
「嫌だ……嫌だぁぁぁぁーー! 嫌だ殺さないでーー」
この子はさっきまで暴力を振るわれていたんだよな。
手錠をかけられ、転がっている。
元は結構かわいい子なのに体中痣だらけ。
顔も腫れている。
まぁ、治療すれば治るだろう。
『魅了』
「えっ……あの……」
「暴力は振るわない……寧ろ大切にするから、俺に抱かせて欲しい」
「私を抱きたいの? あのボロボロだけど……」
「ああっ」
「良いよ……」
俺は彼女の手錠を引き千切り外した。
それなのに……あれっ。
「あのさぁ、なんでまた手錠をはめているの?」
「私、貴方になら監禁されたままで良いからね……待っている……から」
「解った」
魅了って本当に凄いな……
此処までボロボロになった状態でも、幸せそうに笑うんだから。
次は……
「クスリ……クスリを頂戴……なんでも、なんでもするから」
「クスリ……クスリが欲しいの、なんでもするから……ね頂戴」
此処か……
どう見ても薬漬けの状態だ。
それが不衛生な状態で約10人位いる。
どんな麻薬か解らないが、血に麻薬が入り込んでいる可能性がある。
だから、血は暫く吸えない。
麻薬は快楽に依存する物だ。
麻薬からの解放。
『インキュバスの与える快楽』
『麻薬の快楽』
果たしてどちらが上か……他の者達とは別に此処は先にどうにかしないと駄目だろう。
「お前等、俺に抱かれてみろ……それでも麻薬の方が良いなら、このビルにある麻薬を全部やる」
「いいの……抱かれるだけで……クスリくれるの?」
「やる、SEXするだけで……クスリをくれるなら良いよ」
「「「「「「「「「「クスリ、クスリを頂戴――っ!」」」」」」」」」」
麻薬に犯された女……10人。
上等だよ!
あの時の事が思い出される。
『あの時?』
何時の事だ……
そうだ、翔子と初めてした時の事だ。
あの時も、愛が無いSEXが始まりだった。
「なんでもするから、すぐにクスリちょうだいね」
「そーれ」
俺が何も言ってないのに、自分から服を脱ぎだした。
10人が一斉に下着まで脱ぎ捨ててまるでゾンビかゴブリンみたいに襲い掛かってくる。
マンガみたいな凄い光景だけど、色気が無いような気がするのはなんでだろう。
俺もシャツを脱ぎ捨てて、ズボンにパンツも脱ぎ捨てた。
「「「「「「「「「「凄く大きい」」」」」」」」」」
俺のアレは50cmはある。
普通の女性ならこれを見た瞬間ひるむのに……クスリが欲しいからか全然怯まない。
「あれ……本当に入るのかな……」
「だけど、やらないとクスリが貰えないんだから」
一斉に俺に襲い掛かってきて押し倒された。
◆◆◆
「うっうっ、グスッ…うっ…すんすん、痛いよ……」
「ううっ、裂けちゃった……裂けちゃったよ」
無理やり俺を犯しにかかった女の子が痛さから泣いている。
「いや、いや……こんなの無理だよ!」
麻薬をやっていて『なんでもする』そういう位だ。
多分、そういう経験を沢山してきた筈だ。
それでも……こんな化け物みたい……いや、正真正銘の化け物を受け入れた事は無いのだろう。
まぁ、こんな物入れられたら、痛くて仕方ないよな。
まるで破瓜したように、裂けたのか血が出ているし…
「泣いている所悪いけど、まだまだ続けるからね」
「うっぐすっ、いや、痛いの…あそこ裂けていて痛いの…」
「そんなのは知らないな、クスリが欲しいなら頑張るんだな」
泣いて嫌がる彼女達に覆いかぶさった。
◆◆◆
『愛している』『好きだ』その言葉を繰り返し、インキュバスの力を使いながら抱き続ける。
もう抵抗する力もなく、半分泣きながら受け入れていた。
「ほら、まだ終わらないぞ…」
「うっ、グス、すん、嫌ぁぁぁぁーー」
10人が10人絶望した眼差しをこちらに向けた。
◆◆◆
「ねぇねぇ……私の事好き!」
「違うよね? 私の事が好きなんだよね?」
「私、理人がしたい事なら、なんでもしてあげるよ。ほら」
「ちょっと、そんな貧相な胸押し付けてなにしているのかな? 理人さん私の方が大きくて気持ち良いでしょう?」
もう何処にも悲壮感が無い。
クスリが欲しいとは一切言わなくなった。
『魅了』を使いインキュバスの能力で快楽を与え続けた結果がこれだ。
「クスリはもう要らないのか?」
「要らないよ……理人が居ればそれだけで良いから……あたし今日から体売って貢からね……捨てないで」
「いや、貢必要は無いから、そうだな……そんな事しないで良いから、抱かせてくれるだけで充分だよ。寧ろ、居場所位はどうにかするよ」
多分言っている事は最悪なのに……彼女達は喜んでいる。
「「「「「「「「「「本当?」」」」」」」」」」
これは決して俺が貢いでいるのではない。
『食料』の確保だ。
俺はもう化け物だ。
認めるしかない。
生きるためには『精』と『血』が必要で、どちらも若い女の物を極上と感じる。
バンパイアでインキュバスだから仕方が無い。
だが、人を襲ったり、不幸にする事はしたく無い。
だったら、どうするか?
不幸で誰かに搾取されている者を手に入れれば良い。
此処に居る女の子『コマ横キッズ』は上手く騙され、借金を背負い、麻薬に溺れ、売春をさせられている。
そして、その多くの者は『家族も最悪で帰るべき場所は無い』
少なくとも、俺は彼女達に借金を背負わせたり、麻薬を使ったり、売春なんてさせない。
俺に抱かれる人生の方が少しはましな気がする。
「他にも、同じような境遇の子がいたら連れてきて欲しい! 生活費位はどうにかするし! 皆で生活出来る場所は用意するから」
一瞬、悲しそうな顔をしたが……全員が首を縦に振った。
「「「「「「「「「「わかった」」」」」」」」」」
これでどうにか一段落ついたかな。
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