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第39話 南条孝蔵との交渉
しおりを挟む「総理ですら儂との僅かな時間を欲しがるのに…」
「ああっ、そう言うのは良いんで! そちらこそ、俺の迷惑顧みず、いつも黒服送り込んでくるでしょう?おあいこでしょう?」
「警備の人間はどうした?」
「全員寝てますよ!」
「全員だと? 此処に来るまでは30人の武装した者がいた筈だ」
「亀岡流は獣と戦う技…人間より遥かに気配に敏感な獣にすらたやすく近づける…人を無力にするなど造作もない」
「ただ強いだけでなく、暗殺拳でもあるのだな…」
困った時の亀岡流。
何でも、亀岡流にしておけば問題無い。
「その気になれば、総理大臣に大統領何時でも殺せる…それが亀岡流だ!」
「ふぅ…何時でも殺せるか…お前にとっては儂もただの人…そう言う事だな? それで態々此処に来ると言う事は何か儂にようがあるのだろう」
「実は…」
「ほう…金ならもう一生贅沢できる金があるだろう! それが何故、ホストに等なりたいのだ!」
「亀岡流を使い続けると、その弊害で女を抱きたくなる…しかも、商売女じゃなく、普通の女をな…だから、この際、半分仕事にしてしまおう、そう思っただけだ」
「確かに、特殊な技だから弊害がその様にでるのか? だが、儂がその様な事をするメリットが無い。お前が言った事じゃ無いのか?メリットが無ければ動く必要が無いのだろう」
「確かに言ったな…俺が差し出すのは『塔子の情報』についてだ、もう戻って来ないとはいえ孫娘の話は聞きたくはないか?」
これは俺しか持ってない情報だ。
いかに南条財閥の総帥孝蔵でもこればかりは手に入らないだろう。
「ふっ、それは取引にならぬな…幾ら孫娘とはもう帰らぬ存在、儂は経営者だ、もう死んだ者と思う事にした!それにお前から話は聞いたところで場所が異世界であれば手を出せぬ、聞くだけ無駄だ!」
流石は財閥の長、孫娘の情報じゃ無理だったか。
「そうか、それなら交渉は決裂だな」
「馬鹿言うな!この話はビジネスとして受けて良い!」
「どういう事だ?」
「ちょっとした事情で、儂の所で…まぁ出張型の高級ホストクラブを作る案がある、そこのキャストをしてみないか? そこで物足りないなら、南条系列のホストクラブに自由に出入りも許そうじゃ無いか…勿論、年齢の事は目をつぶろう…どうだ!」
南条財閥ってホストクラブも持っているんだ。
どうだも何も…うますぎる話だ。
まさか、何かの罠か?
「裏があるんじゃないか?」
「特に裏は無い、なぁに令嬢の中には火遊びを好む者も多い『守秘義務』だけ守れば問題は無い」
「それなら、問題無い」
「それじゃ、交渉成立だ…話を詰めようか?」
話しは到って単純だった。
孝蔵が作る『出張型の高級ホストクラブ』は会員制の物。
俺は、ただスマホに連絡が来るのを待てば良い。
連絡が来たら、待ち合わせ場所に向かい、マネージャーから詳細を聞く。
その際に、条件を聞き、こちらが納得したら商談が成立。
そのまま、マネージャー同伴で女性と会い。
その後は『条件』を果たす…それだけのようだ。
最低線この仕事をこなせば、南条の他のホストクラブへも自由に出入りしても良いらしい。
裏が何かありそうな気がするが…これは都合が良い。
「これで良いか?これで良いなら契約書を作るぞ」
「構わない」
本来は未成年相手に書類など意味がない。
だが、南条の契約書だ守らなければ…まぁ地獄だろうな。
◆◆◆
これは渡りに船だった。
あの戦いを見た『令嬢』達から、リヒトに会いたいとしつこく連絡がくる。
南条にとっては…そこそこ有用な人物だ。
余り無碍には出来ない。
向こうから話が来るとは…都合が良い。
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