5時から俺は! 地獄の様な異世界から帰ってきた俺が更に地獄の様な生活を送りながら希望を見出す物語。

石のやっさん

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第31話 VSワニ

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ワニか…

一応、ネットでくぐって調べて見たけど、弱点は口を開く力が無いのと、真正面が死角になる…その位か。

この体はインキュバスにバンパイア、しかも始祖クラス。

まず、遅れをとる事は無いだろう。

「流石の理人も動物は怖いんだね…調べ物なんかして…」

「相手はワニなんだから当たり前だろう! 南条が相手だから小さいワニは考えられない、恐らくは3メートル以上の化け物みたいなワニを用意して来る気がするからな」

「そんなのやめた方が良いんじゃない?」

「200億を吹っ掛けた時点で無理だな…用意された今、もう無理だ」

「死んだりしないよね?」

「相手はワニだから、絶対に死なないとは言えないな…」

「理人やだ! 死んじゃ嫌だぁぁぁーー」

まぁ、絶対に俺の勝ちは揺るがない。

だが、普通の人間ならワニには敵わない。

翔子には悪いけど『余裕だよ』それは言えないな…

しかし、泣きながら俺に抱き着いてくる翔子は凄く可愛く思える。

「あははっ、冗談だよ、ワニ位余裕で勝って見せるさ」

「本当? 約束だからね」

「解った」

誰かに心配して貰える。

それは凄く心地よいな…

◆◆◆

「こんなのってアリですか…」

「問題は無いだろう?これはワニだ!」

確かにワニには違いない…だが、この大きさは絶対に可笑しい。

こんな、大きさなワニなんて普通は居ない。

「まさか、南条の特殊技術で人工的に作り出された生物兵器じゃないのか…」

「儂をなんだと思っている…そんな事はしない! これは到って普通のワニだ」

「いや、どう見ても恐竜…ワニの大きさじゃない」

「いや、至って簡単だ…世界中を回って、最強の生物を探して見つけた、それだけだ…ズルはしてないからな」

「そうかよ…」

普通の人間は牛に勝てない。

牛や熊に勝てる人間は、それこそ一流の格闘家だ。

だが、普通に考えて『あの化け物』に勝てる格闘家が居るのか?

恐らくは居ない。

大きな、恐らくは生きたまま放り込まれたであろう、牛一頭の肉を一心不乱に食っている。

後々のトラブルを考えたら『逃げた方が良い』

だが、契約書を交わした今、もし逃げ出したら南条財閥が何をするか解らない。

しかし、金持ちって頭が可笑しいのか?

明らかに、露骨な仮面をつけた、セレブっぽい人間が沢山いる。

ワニが人間を襲い、食べる様子をそんなに見たいのか?

態々、仮面迄身に着けてまでこの会場に来たんだ。

『見たい』のだろうな。

「どうした? 怖気づいたか?」

まぁ、良い…亀岡流を大いにアピールしよう。

「どうして怖気づく必要がある?亀岡流は無敵だ!亀岡流は非力なる人間がどうすれば獣に勝てるか…そこから作られた…怖く等無い」

「そうか…だがこのサイズのワニと戦う事は流石の亀岡仙人も想定していない筈だ」

「見くびられては困る!亀岡流は無敵の拳法…あの程度の相手を殺すのは造作もない事」

これで良い…

今後、何かバレたら、それは全部『亀岡流』のせいにすれば良い。

『亀岡流の技』そう言う事にすれば、誤魔化せる。

「そうか…なら存分に戦え」

「それじゃ、もう始めて良いのか? 亀岡流空歩ぉぉぉぉーーっ!」

俺は空中を歩くように会場へと飛び込んだ。
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