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第28話 平城SIDE 失った為に
しおりを挟む王や王女からクラス全員がお叱りを受ける事になったわ。
その中で盗賊のジョブも強奪のスキルも『有用な物』として説明された為、大魔道でありながら、今の私は…嫌われ者だ。
当たり前といえば当たり前だ…
特殊なスキルを持っているからと言って同級生を殺す事を提案した。
『強奪』の怖さを伝え...皆が悲惨な事になる可能性がある事を伝えた。
中には『殺すのは良くない』『もしそうなら軟禁して貰えば良い』そう言った同級生が居たが、自分の立場でごり押しした。
大樹達、仲間の勇者パーティは皆が有用なスキルを持っていて、奪われる事を恐れ、私に同調してくれた…その結果がこれよ。
『小説や漫画と混同するなよ…最低じゃん』
『っていうか、普通に人殺しじゃないか』
『どうしようもない、大変な事になるから…そう言っていたから思わず同調したけど…悪くも無いのに理人を殺したのか…最低だな』
王女と王の話を聞いた同級生が一斉にこちらを非難し始めた。
幾ら言われても仕方がないわ…殺してしまったのは事実だし…
もう取り返しはつかないんだから…
◆◆◆
大樹達はこれからパーティを組む関係で庇ってくれていた。
「まぁやってしまった事は仕方が無いさぁ、その分討伐で取り返せば良い!」
「そうだな、仕方ないさ」
「理人には気の毒だけど、確かに盗賊で強奪なんてスキルを持っていたら勘違いもするって」
「仕方ないわ」
一緒に旅をしなければならないせいか優しくして貰っていた。
そうよね、旅に出れば、他の同級生は関係ない。
この4人だけしか関わらない。
あとは頑張って手柄を立てれば良いんだ…
そんな風に甘く思っていたのよ…
◆◆◆
「嘘でしょう…」
レベルを調べる為に水晶による測定を計ったら…
「間違いありません! 『闇魔法』のスキルが無くなってます」
「そんな…」
いや…心当たりはある。
「『スキル強奪』『スキル強奪』『スキル強奪』『スキル強奪』」
理人を殺そうとした時、理人は4回叫んでいた。
藪をつついて蛇を出してしまったの。
強奪を恐れ嫌ったばかりに、理人くんに『強奪』を使わせてしまった。
「俺の『聖剣の使い手』が無くなっている…」
「大樹もか!俺は『斬鉄』が無くなっている!」
「嘘、私聖女なのに『聖魔法』が無くなっている…不味くない?」
「僕は…良かった。何も無くなって無い!」
4人の顔が一斉にこちらを振り向いた。
まるで能面の様な顔で、少し前の私を庇ってくれた優しい笑顔は何処にも無かった。
「平城…」
「平城!お前どうしてくれるんだよ!」
「聖女なのに聖魔法が使えない…平城さんどうすれば良いの!」
「まぁまぁ…皆、もう少し冷静になろうよ!」
「聖人、お前は何も無くなってないから良いよな…」
「大樹、なんでそんな事言うんだよ!」
「いや、お前は何も失ってないから言えるんだ!俺は剣聖なのに斬鉄が無くなったんだ! これが無いと竜種を切断出来ないそうだ…どうすんだよ!」
「私、聖女なのに聖魔法が使えないのよ…もう普通のヒーラーと変わらないみたいなのよ…これで大丈夫なのかな?」
「たしかにそれはそれで大変だが、問題は俺だ…聖剣が使えないと魔王と戦う時に相当不利になるらしい…下手したら死ぬんじゃないかな…」
「ごめんなさい…」
「「「「いいよ」」」」
そういう4人の顔は明らかに不機嫌そうに思えた。
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