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第27話 勇者SIDE 誤算
しおりを挟む「敵が混ざっている!緊急案件で『即処分』しないといけない…そう言うから許可しましたが…それだけなのですか?」
「スキル強奪は危ないスキルで仲間からスキルを奪う物です…先に手を打たせて貰いました」
異世界人の平城殿が『急ぎ手を打たないと危ない』
『この世界の危機です』
そこ迄言うのと、大樹殿、大河殿、聖人殿、塔子殿も同意したと事で騎士を貸出し対処させたのですが…その内容がまさかの異世界人殺しだと思いませんでした。
「『強奪』のスキルの何処が問題なのじゃ?」
「はっ?!スキルを奪えるスキルですよ? しかも盗賊…危ないに…」
「そうだ!仲間にそんなスキルを使われたらどうなった物か、不安です」
「俺も大樹に同感だ!」
「僕も同じです」
「私も同じですわ」
何を勘違いしているのでしょうか…
「あの…何を言っているのか解りませんが『強奪』のスキルは使う時に目が緋色に変わりますから顔を隠してなければ使っているのが解ります! それに、持っていると解れば、鑑定をこまめにしますから、そこ迄怖いスキルじゃありません…それに貴方達の6人目のパーティメンバーになるのが『強奪』持ちでした…」
「あの…どういう事でしょうか?」
「「「「…」」」」
「盗賊のジョブ持ちは、斥候として必要です! 強奪のスキル持ちは貴方達が旅で快適に暮らせるように必要なスキルを囚人から奪わせます…例えば家事を獲らせて生活の向上などをはからせます…それに貴方達が戦う強敵にはやっかいなスキル持ちがいます…そういう相手への切り札です」
「ちょっと待て!いないと問題になるのか!」
「例えば、魔族の幹部に『切断』のスキル持ちがいます…これを使われたら、最後、四肢の何処かが切断されます。彼が居れば先にスキルを奪う事ができます…ですがいない現状誰かが手足を失う可能性が高いです…他にも魔王が使う『黒のカーテン』や四天王の使う『失明』恐ろしいスキルが沢山あるのです!それに対抗するのが『強奪』です」
「大樹、不味い事になったんじゃないか?」
「大樹ヤバいよ」
「ヤバいわ」
「そんな悪い条件で俺達は戦いたくない!」
「そうよ…無理だわ」
ハァ~馬鹿ですか?
「貴方達の先生の赤川殿から聞きましたよ? 貴方達の世界でも罪の無い者を殺せば重罪だそうですね? この世界も同じです!貴方達は勝手な判断で罪の無い者を殺しました…しかも緊急案件として『王権』まで発動させて…勇者パーティとして戦うなら不問にしますが…戦わないならギロチン送りです」
「そうじゃな…無罪の者を手にかけたのだ、死刑も仕方なかろう」
「「「「「そんな」」」」」
「お好きな方をお選び下さい! 勇者パーティとして戦うか…それとも処刑かを」
「殺人は重罪じゃ、だが勇者パーティは特別な存在、その罪を許そう…但し、その生涯は魔王討伐に捧げる覚悟があればじゃ」
可哀そうですが彼等にはこれを断る事は出来ないですね…
「解りました…皆もそれで良いよな?」
「「「「はい」」」」
大切な人材を失ったのですから…その責任はとって貰いましょう。
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