5時から俺は! 地獄の様な異世界から帰ってきた俺が更に地獄の様な生活を送りながら希望を見出す物語。

石のやっさん

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第6話 【過去】 悲劇の始まり。

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その日の夜には予定通りの宴が行われた。

立食形式でバイキングに近い感じだった。

同級生の多くは貴族の方や王族の方としゃべっていたが俺は元から話すのが苦手なのでひたすら食べる方に没頭した。

何故だろう?

さっきから同級生がチラチラとこちらを見ている。

気のせいか?

もしかして、ステータスが低いから同情しているのかも知れない。


歓迎会が終わり、明日は王都の見学に連れて行ってくれるそうだ。

ステータスが低いから、ジョブが盗賊だからという差別は一切なく。

お城の個室に通され、ベッドに横になり月を見ていた。

ふぅ…疲れたな。

気がつくと俺は、うとうとし、はじめて眠っていた。

◆◆◆

「なぁ、君達、本当にこんな事をするのか? 友達じゃないのか?」

「煩いな、さっき王様や王女様には許可はとったんだ、文句言わず手伝えよ!」

「そうよ…早く手錠に足錠をつけなさい!」

「仕方ない、王にも手伝えと言われた…勇者を含む異世界人全員からの頼みだ!やるしかないだろう」

「おいおい、約束だろう? 約束を破るなら…俺達は此処を出ていくぞ!」

体が動かない…これは夢なのか?

さっきから、大樹に大河…そして平城さんに塔子の声が聞こえてくる。

そして騎士? の声だ。

一体、俺はどうなるんだ…

手足が動かない…

嘘だろう、袋に詰められた。

不味い…体が動かない。

食事か飲み物に毒でも盛られたのか…

「ねぇ、聞こえているかな?まぁ、どっちでも良いわ…貴方が、そんな物騒な『スキル強奪』なんて持っているからいけないのよ! そんな物持っていたら、幾らステータスが低くても気にならないわよね…あんなに低いステータスなのに目が輝いていたわ…それ使う気でしょう?」

平城さん、俺は…しない…口すら開けないのか…

「そのスキルは人間にだけしか使えないらしいわ…そうすると奪う相手は同級生の可能性が高いわ、それじゃ無くてもお城の人間よね…スキルは皆の命綱だし、貴重な財産よ?」

塔子…

「君が本当にスキルを盗むのかどうか解らない…だが盗まれた後じゃ遅いからな…悪いな」

大河…

「悪いね、クラスの皆と話し合って王や王女に頼んだんだ…君を殺して欲しいとね…」

大樹…

そうか、パーティの時に俺を皆が見ていたのはこのせいか。

俺は、仲間から何も奪う気は無かった。

だが、皆が俺を殺そうとするなら話は違う…

『スキル強奪』『スキル強奪』『スキル強奪』『スキル強奪』

ひたすら唱え続ける…

体が熱くなり、意識を失うまで頭の中で俺は唱え続けた。

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