40 / 51
第40話 王、異世界人SIDE 飴
しおりを挟む次の日になった。
儂こと国王ドラド6世は告げる。
「どうするかは決められましたかな?」
不安そうな顔で、異世界の戦士たちは顔を見合わせた。
儂の娘、王女マリンが口を開いた。
「まず、私から説明させて頂きます! 皆様は死後の世界についてはご存知ですか?」
「何、それ......死後の世界なんて」
「ちょっと、待って此処は女神様の居る世界なんだからあるんじゃない?」
「確かに神様が居るんだからあるんだろうよ! 聞こうぜ!」
「有難うございます! まず、貴方達は女神の御使いとしてこの世界に現れました! だから、死後の世界では、貴方達の話で言う天国行きが確定しています! そこはありとあらゆる夢が叶った世界なのです! 生きている間は「異世界の戦士」と扱われ、死後は天国での生活が約束されている、貴方達の神はそんな約束してくれますか? イシュタス様はそこまでの約束をして下さったのですよ」
「嘘、本当にそうなの? 死んだ後も天国に行けるの?」
「そんな約束もされているのか?」
「皆さま、如何でしょうか? 生きている時の保証もされ、死後の面倒も見て下さるし、そして天国から転生して生まれ変わった後も成功を約束してくれている女神様をまだ信仰できないでしょうか?」
「それは本当なのか?」
「はい、それに今現在も恵まれたジョブにスキルですから、手柄を立てるのは簡単な筈です。 前にも言いましたが、貴族にすらなれ、現世でも成功は難しくない筈です……そこまでの約束がされています」
「それをちゃんと説明して欲しかったですな! なんだか喚いていた我々が馬鹿みたいじゃないですか、それなら納得しました!」
どうやら、異世界の方は納得してくれたようじゃ。
「良いのですよ! 貴方達は異世界の戦士様なのです。 これからこの世界の為に戦って下さるのですから、お気になさらずに!」
「そう言ってくれると助かります!」
「他の皆さまにもお願い致します。 この国は一神教ですが、貴方達には、女神イシュタス様が未来永劫の幸せを保証して下さっています! もし前の神様との繋がりが薄いのであれば、イシュタス様を信仰して頂けませんか?」
「そうだな......女神様にこれからもお世話になるんだ。僕は信仰するよ」
「私も」
「俺も」
「有難うございます......全員が信仰なさって下さるなんて......父もこのマリンも感謝しかありません」
「色々とありましたがお互い水に流す事にしよう。儂も、この国も貴方達、異世界の戦士に協力を惜しみませんぞ」
「それでは皆さん。全員が残り、この世界の為に戦って頂ける。そう言う事で宜しいでしょうか?」
「ああっ、私はそれで構いません! 皆はどうだ!」
「俺は残るぞ!」
「私も」
「僕も」
「皆さん本当に有難うございます! 此処からは本当の意味でこの国の仲間と思い接させて頂きます! これからも残って下さる方へ王宮では戦いの為の支援をさせて頂きます! 是非頑張って、輝ける未来を掴み取って下さい! この後はこの国や近隣諸国の貴族の子息令嬢とのパーティを企画しています。是非交流を深めて下さい」
「そのような事迄……」
「各地域でも魔族や魔物で困っているのです! そこで各貴族の方から、異世界の戦士が欲しいという話が来ているのです......まだまだ、先の話、ある程度訓練が進んだ後の話になりますが、貴族の方々が、子息や子女を連れて此処に来ています。その方達は貴方達のこれから戦うパーティーメンバーなるかもしれません!」
「「「本当ですか?」」」
この場所には、魔族や魔物で困っている領地の貴族が子息、子女を連れて来ておる。
「パーティーメンバーであり、将来は婚約、なんて事もあり得ますよ? 半分お見合いだと思って頑張って下さいね......さぁ大広間に行きましょう!」
しかも、最低でも男爵階級以上の本当の貴族達の子息子女じゃ。
その中でも見栄えの良い子息子女を連れて来て貰っておる。
「初めまして 異世界の戦士様、私はユーラシア子爵の三女コーマと申します! お話ししませんか?」
「えっ僕ですか?」
「はい、戦士様、お名前は何とおっしゃいますの?」
「えーと秋野春樹と申します」
「春樹さまですか? 凄く綺麗な目をしていますね」
「マドモアゼル、私はロードマン伯爵家の四男スポークと申します! 少しお話ししませんか?」
「マドモアぜルって、あたあたしの事?」
「そうですよ、マドモアゼル他に誰が居るっていうんですか?」
1人の異世界人に数人の貴族の子女、子息が群がるようにして貰っておる。
これは、謀っているわけではない。
だが、彼等の領地は魔物や魔族の被害にあっている地だ。
異世界の戦士として力を振るえるなら、喜んで子息や子女位差し出す。
子息や子女も領地を守れ、家でも発言権が増える。
子息子女にとっても決して悪い話ではない。
そしてこれなら儂が命令しなくても自ら激戦区に行ってくれるだろう。
「えーっ、これって1人を選ばないといけないんですか?」
「はい! 順子様…...私を選んではくれないのですか? 私はどうやら貴方に一目惚れしたみたいだ……将来」
「ちょっと待ちたまえ! 順子様は私が幸せにするのだ」
「嘘でしょうこんなイケメンが私を取り合って喧嘩しているなんて...もしかしてこれは私が主人公の話なのかな!」
「こんな、素晴らしい事があるなら来て良かったわ」
「本当にそうだな! この俺がこんなにモテるなんて」
パーティに参加した異世界人は始終笑顔だった。
これでヤル気も出て訓練もはかどるじゃろうな。
30
あなたにおすすめの小説
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる