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第17話 永遠
しおりを挟むあれから、100年がたった。
メリーは僕との暮らしの中で最低線の物しか望まなかった。
魔王軍とも多少揉めたが、面倒くさいので魔王城に乗り込んで片っ端からネズミに変えたら、魔王が降参してきた。
不干渉で良かったのだが、何を勘違いしたのか魔人と呼ぶようになった。
暫く崇められていたが、なにかとお願い事をされる様になったので、メリーを連れて引っ越した。
◆◆◆
「ナイト様、凄いですね~ 空飛ぶ家ですか?」
「まぁね、やはりこの世界でも僕の事を知るとお願いばかりしてくるからね……もううんざりだ」
僕を利用しようとしているのが解る……
「それなら、メリーだって、同じですよ?」
「君の場合は、違うよ」
与えた物に対して、感謝の方が多い。
「それじゃ、感謝の印に、今から頑張っちゃいますね」
メリーは本当にブレないな。
容姿や年齢は固定したけど……いまだに感謝の印はこれだ。
僕たちみたいに『何でも出来る人間』と暮らすと。
ありとあらゆる贅沢をし……最後には退屈になり。
死を望む。
だがメリーにはその兆候はない。
もしかしたら、永遠という時を一緒に過ごせるパートナーを手に入れたのかも知れない。
「それじゃ、お願いしようかな」
「はい」
こんな歪だけど、平凡な生活がいつまでも続けば良いな。
そう僕は思った。
FIN
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