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第35話 1つの勇者パーティの終わり
しおりを挟むあれから1年もしないうちにドルマンの訃報が入った。
冒険者ギルドに大きく張り出されていた物を見ただけだ。
あの日、別れた時、あの時にお別れがすんで居たのだと思う。
それは三人も一緒だったのかもしれない。
親友、元彼、幼馴染、それらを併せた存在、ドルマンが死んでも『なんとも思わなかった』
『本物の精鋭』で戦わなければならない魔王討伐の旅。
力も足りないハーレムパーティじゃ、何時かこうなる。
当たり前の事だ。
多分、それはドルマンも知っていた可能性もある。
恐らく、死ぬまでの間、気に入った女を抱きたい。
それがドルマンの『思い』だったのかも知れない。
勇者パーティの時間はあっけなく終わった。
ドルマンが死んだ事で三職は一段下のジョブに代わる。
聖女は最上級ヒーラーに。
賢者は大魔法使いに。
そして剣聖は最上級剣士に。
変わった。
これはドルマン達、勇者パーティの終わりを意味する。
ドルマン達の勇者パーティの魔王との戦いは終わり。
そして、次の世代の勇者パーティに引き継がれる。
おおよそ5年後、勇者を含む4職のジョブが復活する。
それまで人類は魔族に対抗する4人を失った。
暫くは希望を失ったわけだが、精々が境界が少し動くだけだ。
恐らく何連チャンで負けない限り、問題はない。
最悪10回負けても大きく後退するだけで、そこ迄世界は変わらない。
多分、俺達が死ぬまでに魔族の世界は来ることはない筈だ。
だから『もう俺達には関係ない話』だ。
今の俺達はコハネに3LDKの家を購入して暮らしている。
三人は働かないで家事を…あれ家事をしているのは俺だ。
まぁ、何をしょっちゅうしているかは解るよな?
「「「リヒトしようか?」」」
「いや、俺は仕事を…」
「今日はしないで良いじゃない?」
「明日、頑張ろう!」
「うんうん、一緒に今からお風呂に入ろう? ねね」
S級冒険者ってのはある意味チートだ。
月に3日間も働けば、通常の冒険者の数か月分は稼いでしまう。
断る口実に『仕事』は出来ない。
三人以外に知り合いは居ないから、これも口実に出来ない。
「解った、明日頑張るから良い…それじゃ…」
「リヒト、それじゃ今日は私が1番乗りにね…」
「ちょっとセシリアズルいよ!今日は私の番だよ」
「え~! 僕じゃ無いの~」
「どうせ、順番が変わるだけなんだから良いだろう?」
「そうだね」
「うん、そうだね」
「ははは、そうだ」
何故、怪しい目をしてこちらを見ているんだ。
「だったら、今日も3人一緒で良いんじゃない?」
「「うん」」
今日もまた押し倒されるのか…
前世で言うなら、最早完全なダメ人間だな。
色欲に溺れる。
そういう状態だ。
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