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第28話 旅が進まない
しおりを挟む「それで、これからどうするの?」
「本当に、田畑耕して暮らすのかな?」
「田舎で冒険者するの?」
正直言えば、お金にはそんな困ってない。
これでもS級だからな…忘れてないか?
何処に行ってもお金には困らない。
「いや、これから取り敢えず、湯治に行こうと思う!」
「「「湯治?」」」
この世界に温泉はあるが、湯治という言葉はない。
「三人とも体、相当辛いだろう? だから温泉に浸かって美味しい物食べてゆっくりした生活をしないか? どうだ?」
「え~と、本当にそんな生活で良いの?」
「それ良いね、うん、楽しそう」
「あの、僕は、その…」
「エルザは介護要員だから、他はしなくて良いよ、稼ぐのは俺がするから、安心しろよ」
「良いの?」
「ああっ」
身動きできない二人を放って行動なんて出来ない。
俺が稼いでいる間、守ってくれて介護をしてくれる人間が必要なんだ。
それにはエルザが最適だ。
片手が不自由でも、恐らくはその辺の冒険者にはひけはとらない。
そして、幼馴染で女だから、下の世話も大丈夫だな。
「その分、介護を頑張れ…」
「あのね、リヒト、何だかゴメン…」
「わ、私も…」
「辛気臭せーのはごめんだ! 楽しくやっていこうぜ!」
「リヒトがそれで良いなら良いんだけど」
「本当に良いの…」
「なんだかゴメン」
「気にするな!」
俺は馬車の御者をしながら笑顔で答えた。
流石に大八車じゃ疲れるから馬車を買ったんだよ。
◆◆◆
御者をエルザに代わって貰い、俺は馬車にゴロンと転がった。
すると、セシリアとイザベルが俺の方ににじり寄ってくる。
さながら、まるで前世の女幽霊か蛇みたいな感じだ。
人によってはトラウマ物だが、俺は気にならないし、まぁこれも可愛く思える。
「リヒト、良いでしょう…ねぇ…」
「私も、お願い…」
そう言って二人は体を擦り付けてきた。
「そんな事しなくても良いんだぞ?」
「ううん、私がしたいの…だからね?」
「私も同じだから…ね」
一線を越えてから二人は物凄く変わった。
暇さえあれば俺を求めてくる。
流石に昼間にする時はドラッグなんて使わない。
それでも、まるでサキュバスにでも憑りつかれたみたいに…これだ。
「なら良い、これで良いのか?」
2人とも体が上手く動かせないから、俺は望まれるがまま、服を脱がしてやった。
幌があるとはいえ、全裸は流石に不味そうだから、下半身だけだ。
「うん、ありがとう…うんぐ、うんっ」」
「うんうーんハァハァ」
器用な物だな、俺のズボンや下着を手が使えないからか、口を使って脱がしてくるんだからな。
俺は、最初は止める事もあったが、今は自由にさせている。
止めると『お願いだから』と泣き出すから止められない。
きっと、頭の中で『捨てられたくない』とか思っている気がする。
偶に寝言で『捨てないで』と言っているから間違いないだろう。
「リヒト、本当に気にしないで良いからね? ハァハァわたしは好きでやっているんだから」
「私もハァハァ同じだからね、こんな事しか出来ないし…それのリヒトも喜んでくれるし、私も、恥ずかしいけど気持ち良いから」
顔を赤くしながら体も火照っているし、間違いなく興奮して喜んでいるから、そのまま身を任せれば良い。
特にやる事も無いしな。
「ちょっと、三人ともズルいよ! 僕も混ぜてよ」
「仕方ないな、それじゃ何処か人通りの無い場所に馬車を止めろ…そうしたら相手してやるから」
「うん、解った…僕すぐ止められそうな場所探すね。」
急ぐ旅じゃないから良いけど。
全然進まないな…
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