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第26話 ガールSIDE リヒトの愛
しおりを挟む「我ながら凄い格好だわ」
「だけど、男ってこういうのが好きなんだよね?」
「それで合っていると思うよ?」
リヒトがシルカ村に討伐に向かい、私達の宿をとったあとエルザに頼んで下着を買いに行って貰ったのよ。
ほうら、今日がそのアレだからね…
「自分で選べないのがいけないんだけど? こんなスケスケで良いの? これ下着として意味無いんじゃない?」
「セシリア、こう言うのがいいんだってさぁ~僕のなんてこれほぼ紐だよ?」
「まぁ私のも結構凄いよ…まぁ初めての夜なんだからこれ位してあげて良いんじゃない?」
「そうね」
本当にリヒトの馬鹿は素直じゃないんだから、言っている事ややっている事は無茶苦茶だけど全部愛情の裏返し。
もうそんな事解っているんだから、本当に馬鹿ね。
大体、この容姿になった私達なんて嫁どころか奴隷としての価値すらないわ。
ただ、抱きたいだけなら娼婦で充分だし、傍に居て欲しいなら奴隷で充分。
ドルマンみたいに、綺麗で可愛い奴隷を買えば良いだけだわ。
大体、私にくれた、この宝石だけで奴隷が何人買えると思っているのよ…馬鹿じゃないの。
ハァ~本当に馬鹿。
「さっきからセシリアが握りしめている袋、何が入っているの?」
「此処暫く、良く眺めているよな?」
「なんでもないわよ…なんでも…」
「なら良いや、それじゃ、一旦下着を脱がさせて貰って順番にお風呂に入れてあげるから、どっちから入る?」
「私は後で良いわ」
「そう、それじゃイザベルからね!OK、OK」
「それじゃセシリアお先に!」
「どうぞ…」
しかし、凄いわね…全くもう…
『リヒト専用』『リヒト命』『リヒト愛している』『リヒトの物』文字でこんなに自分の物なんだって刻み込んで、ハートと薔薇は解るけど、変な模様に骸骨、凄く気持ち悪いわ、それに背中の変な女神。
どれだけ私が好きなのよ。
最初、これをされた時、復讐されたんだ。
そう思ったけど。
それなら、気持ち悪い刺青だけで充分だわ。
なに、この『自分の物だ』って主張する名前。
入れられた時はショックを受けたけど、此処迄して私を『自分の物』にしたかった?
『病んでいるわよね』
だけど…ハァ~此処迄、愛していた訳。
確かに、今迄嫌な顔しないで何でもしてくれていたわ。
だったら言葉にするべきよ。
そうしたら…駄目だわ。
あの時の私はドルマンが好きだったから…
だけど、此処迄好きだったなんて知らなかったんだもん。
仕方ないじゃない。
「ハァ~」
「セシリア、イザベルが終わったから、ほらお風呂!セシリアは歩けるんだから肩貸すから行こうか?」
「ええっ」
「また複雑そうな顔してる! 此処迄来たら観念するしかないよ」
「解っているわよ、つくづくこの体凄いわね」
「うん、やる事はクズだけど…あはははっ愛情も詰まっているよね」
「やっぱり、そう思う?」
「当たり前ジャン! これだけ自分の物って主張しているんだから『愛』もあるよ? それにリヒト言っていたじゃん? 私達が宝物なんでしょう…子供が大切な物をとられたくないから名前書くのと変わらないよ」
「そうね…」
「今更考えても仕方ないよ! 凄く病んでて可笑しくなってるけど、僕たちをリヒトが愛しているのは間違いないから、もう受け止めるしかないよ…今日は頑張ろう」
「そうね、頑張るしかないわ」
待つ時間があると色々と考えてしまうわ。
早く帰ってこないかしら….
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