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第12話 奴隷商 薬屋 そして娼館へ

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雑用をしなくなり、自由な俺は街を、ブラブラと歩いていた。

俺の用事があるのは2件。

奴隷商と薬屋だ。

まずは奴隷商からだ…

「いらっしゃいませ…おや、なんで勇者パーティのリヒト様が当店に?!まさか奴隷を買われるんですか?」

「買いはしないけど客ではある…見るだけ見せてくれないか?」

「はぁ~構いませんが…」

買わないと宣言したら、普通は入店も断られる筈だが、そこは勇者パーティ、無碍に出来ないから入れてくれたのだろう。

「凄く綺麗な美女が沢山居るんだな…想像以上だ」

「リヒト様は奴隷商は初めてで?」

前世の非合法なのを除けば初めてだな。

「ああっ…今は買わないが、この旅が終わったら…そう考えていたのと知人にちょっとな…」

「そうでございますか」

しかし、本当に思った以上の品揃えだ。

檻に貼ってある金額は高額だが、見た瞬間目を奪われる存在も結構いる。

今は良い…それより…

「実は避妊紋を刻んで欲しくて来たんだ、お願いできるか?」

「リヒト様がですか? その、理由…」

「それは言えないが、うちのパーティには女が三人居る…事情は察して欲しい」

「成程、畏まりました」

この世界にはコンドームやペッサリーは無い。

だが、体に紋章を刻む『避妊紋』がある。

避妊効果のある魔法の小さな刺青を体に彫る事で避妊をする方法だ。

四職(勇者 聖女 賢者 剣聖)は流石に醜聞になるから彫ったら問題だ。

だが、俺には関係ない。

それに俺が彫る事で周りが誤解していく…それも面白い。

俺を使って三人が性処理している…そんな醜聞が広まれば、まぁ面白い。

俺は銀貨5枚を払って奴隷紋をお尻に刻んで貰い奴隷商を後にした。

◆◆◆

薬品屋には、材料を揃えに来た。

普通のポーションを作る…なんて事はしない。

俺の前世で、ヤクザを破門になってから、半グレになった時に合法ドラッグ、まぁ後には脱法ドラッグの仕事をしていた。

結構、簡単に手に入るハーブやキノコから作れる。

体への入れ方はまちまちでローションにするもの、液状にして飲む物、たばこのように巻いて楽しむ物まで結構ある。

流石にサキュバスやインキュバスには勝てないだろうが、前世はこれでキメてから犯れば、もう普通のSEXには戻れない、その位の物だった。

調べて見たら、この世界にも同じような物があったので、これを機に作ってみようそう考えた。

ちなみに、この世界でも似た様な物はあったがメジャーでなくマイナーで粗悪品だった。

「いらっしゃい」

「欲しい物があるんだけど、置いてある?」

俺は、自分が目をつけていた薬草に調合器具を指定した。

運が良い事に全て在庫があった。

「随分、変わった物を買われるのですね」

「まぁ、初心者の遊びだよ」

「そうですか」

俺はある分全部を購入して収納袋に放り込み、薬屋を後にした。

◆◆◆

軽く、昼食をし宿屋に帰るとドルマンが待っていた。

「お前何処行っていたんだよ!」

「いや、色々と買い出しに行ってきたんだよ…」

少し機嫌が悪いな…どうした?

「今後について話さないとならないだろう? 取り敢えずお前の部屋で話そうぜ!」

「ああっ、解った」

何か話す事あったか…解らねー。

◆◆◆

「それでドルマン、何かあったのか?」

「何かあったかじゃない、今後の事の話し合いが必要だろう?」

そうか、彼奴らを恋愛対象から外した今、今まで通りの俺に色々しろ、そういう事か?

まぁ仕方ねーな。

「そうか、それじゃ…」

「それで、次は何時なんだ!」

「次って…?」

「娯楽だよ! 娯楽! 飲み屋も有れば嬉しいが、無理なら娼館だけで構わない、相手はサキュバ嬢で頼む!」

「一体、どうしたって言うんだ…まだ数日もたってねーだろう?」

「あのな、あの夜にお前が紹介してくれて楽しい夜を過ごしてから、凄く疼くんだよ! 上手くイザベルを誤魔化して、金を貰って昼間娼館で遊んできたが、あの日みたいに気持ち良くないし、楽しくないんだよ…なぁ約束だろう? 早目に頼む…」

サキュバ嬢はサキュバスの血が入っているし、『何回かしたら他の女じゃ満足できなくなるから』そう言っていたな。

何回って、通う意味じゃ無くて、まさか回数だったのか…

「なぁドルマン、一応確認する!この街に居るのもあと2週間足らずだ…2週間、サキュバ嬢の娼館と話をつけて借り切れ、そういう事か?」

「出来るなら、そうしてくれると助かる…なぁどうにかして貰えないか?」

サキュバスの血の魔力は勇者にも継続して効くのか?

思わぬ誤算だ。

「どうにかするのは良いが、流石に2週間も入り浸りじゃ三人にばれるぞ! それは良いのか?」

「三人は要らない、そう言ったじゃないか? お前が欲しそうだからあげたもんだ、知られたって、もうどうでも良いさ…俺の未来に響かないならそれで良い」


「そうか…どうにかするのは良いが、2週間で本当に平気なのか?2週間借り切った後は、サキュバにサヨナラをお前言えるのかよ…」

「…悪い、無理かも知れないな」

「惚れたな」

サキュバスの血のせいだ、本当に惚れた訳じゃない。

だが、今なら『惚れた』と勘違いさせる事も出来る。

「惚れた…」

「俺は親友だから解る、お前がそこ迄執着した物は無い! 違うのか!」

「そうかも知れない...」

「なぁ、お前はサキュバが欲しいのか? どうしても欲しいと言うなら、俺が手に入れてやる…だが、それなりの犠牲は払う事になる…それで良いなら…どうにかしよう…どうだ!」

「ああっ…頼む」

「そうか、それなら旅の支度だ! サキュバを手に入れてやるから、三人に連絡を取ってすぐにこの街を出られるようにして置けよ、そうだ旅支度を済ませて、街の入り口で待っていてくれ!」

「解った…信じているからな」

俺は此奴の何処を…まぁ良い。

俺は変わると決めたんだ…どうでも良い事だな。










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