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76話 変わる幼馴染

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あははっ、凄い男も居たものですね。

サキュバス、それもクィーン相手に『純愛』を語りますか…

私達、サキュバスは、あの貧乳聖女が馬鹿な事をする前までは『恋愛強者』でした。

ですが、それは『性』ありきの話です。

麻薬すら超える快楽を与えるから…誰もが私達の虜になる。

サキュバスの女を抱いてしまったら、もう他の種族の女じゃ満足できなくなりますね。

ですが…それはある意味、本当の『愛』かどうか? 解らないのです。

性欲、特にその中で肉欲と愛その区別が解らないのがサキュバスの恋愛。

だからこそサキュバスの中には『肉欲から離れた愛』を夢見る存在が多くいます。

勿論、私もその1人です。

まさか肉体関係無しで…あんな事言われるなんて思いませんでした。

『はぁはぁ…違う…レイラも皆もそうだけど…魅力的で大好きだ…だから、こんな本能からじゃなく…抱くならちゃんとした愛する心で抱きたい…それだけだ』

『愛ですか…そうですか…リヒトちゃんで良かったです…あはははっ、私何を言っているんでしょう…』

まさかサキュバスクィーンで魔王の私が…顔が赤くなるなんて思いもしませんよ…

ドキドキが止まらず、思わず逃げてしまいました。

◆◆◆

この体はなんだ…

インキュバスキングの体に変わっていくせいなのか、体が熱い。

近くの泉に飛び込んで体を冷やしているのに…体から熱が引かない。

表面が熱いのではなく、体の中から熱くなってきていて…

性的衝動が抑えられない。

剣、胸当て、収納袋に姿を変えたサキュバスロードが『精』を吸収してくれているのが解る。

もし、この三人が居なければ、恐らく俺は可笑しくなっている。

下手したら片端から女を犯して、瞬く間に犯罪者になっても可笑しくない。

今の俺は…きっと『女を狂わせる』

例えではなく、本当の意味でだ。

百だろうが千だろうが女を相手して、その全てに『死ぬ程の快楽』すら与えられる。

これが『他の種族になる』インキュバスになる。という事なのか…

まるで虫けらが人になった位に体の変化が起きているのが自分でも解る。

今の俺はもう人間を超えた存在になった。

その確信がある。

例えばそう…『蟻』と『人間』だ。

蟻が死ぬ程頑張り強くなり、その群れの中で1番になっても赤ん坊が倒れたら『ぷちっ』と音を立てて潰れてしまう。

それが種族の差だ。

今の俺はまさに『蟻』が『人間』になった。

その位強く、上の存在になったのが自分でも実感できる。

凄い…

見た感じ体は、前と変わらない。

いや、寧ろ少し痩せたのかも知れない。

だが、それは…より男としてセクシーに変わったように思えた。

まるで前世で言う所の男のモデル、ホストみたいな感じの体つきだ。

だが、それでも今迄以上の力が体から溢れてくるのが解る。

俺の体はもう、人間の力という枠を大きく超えている。

不意打ちで剣で突かれても恐らく刺さらない。

ようやく、剣、胸当て、収納袋として寄生しているサキュバスロードが頑張ってくれたせいか、性欲がおさまり、体から熱が抜けた気がした。

『これでもう大丈夫だ』

そう確信した俺は街に戻っていった。

◆◆◆

そろそろ飯を用意してやらないとな…今日は忙しかったから、アイカ達とは外食するとして、マリアンとリラには弁当でも買っていくか?

久々の手抜きだが…時間的に仕方が無いよな。

◆◆◆

「悪いな、今日は色々忙しかったから、弁当で我慢してくれ」

「あっ、リヒト…あれっ」

「リヒト…ハァハァ」

あれっ可笑しい…『リヒトはカッコ良い』最近、そう思っていたけど、今日のリヒトは違いすぎる。

横に居るリラもその違いに気がついているみたいだわ。

なんでよ…今迄も好きだったけど…今の感情はそれ以上…頭の中がピンク色に染まり、リヒトが欲しくて仕方が無い。

リラなんてさっきから股間に手を当ててモジモジしていて全く賢者らしく無い。

理知的な彼女がメスみたいになっていて興奮しているのが横で見ていても解るわ。

頭の中がピンクに淫乱に染まっていく…私は聖女。

そのジョブの影響で、そういう感情は沸きにくい筈なのに…

気を抜くと『抱いて欲しい』…そういう感情が沸き上がる。

凄く可笑しいわ。

私はふしだらな女じゃない。

そこら辺の女とは違う…『聖女』なのよ。

その私が、淫らな感情が次々と浮かび上がる。

今の私をリヒトが望んだら、きっと私は、自分から服を脱ぎ捨ててしまう。

そして、言われるままに、リヒトに跨りそうで…怖い。

目を見る度に顔を見る度に…心が乱される。

見れば見る程…やたらとセクシーな美少年にしか見えないし『抱かれたい』『なんでもしてあげたい』そんな感情に押し流されそうになる。

体から汗が吹き出し…多分下着はびちゃびちゃに濡れている。

「部屋は、綺麗なみたいだし、洗濯もちゃんとして貰えているみたいだな…後は食事だけだ! それだけどうにかなれば、もう俺の手は要らないな」

「リヒト…好き、大好き…リヒトになら何でもしてあげる…だから私の傍に居て、なんなら今すぐにでも」

リラが耐えきれずにとうとう口に出したわね。

「あはははっ!リラ、そんな媚を売る必要は無いよ! 二人は幼馴染だし俺には大切な存在だから…ちゃんと最後まで面倒見るから」

リヒトが帰っちゃう…嫌だ、引き止めないと。

私は勇気を出し、スカートに手を掛けたわ。

手が震えるけど、もう駄目…リヒトが欲しい。

「リヒト…私もリヒトが…」

「それじゃあね、また明日食事を届けに来るから」


「ああっ…リヒト」

無情にもドアが閉まり、リヒトが行ってしまった。

その後、少し遅れて私のスカートが床に落ちた。


◆◆◆

「あの…リラ、リヒトってあんなにカッコ良かったのかな」

これが男の子の成長なのかも知れない。

『男子、三日会わざれば刮目して見よ』

そんな諺が異世界にはある。

と聞いたことがあったわ。


今が正にそれなのかも知れない。

確かにリヒトは派手じゃないけど、元からそこそこ器量が良かったわ。

だけど、今のリヒトは『完全な女殺し』にしか思えない。

ただ、目が合うだけで、体が疼いてくるの。

「それがマリアン…可笑しいの! リヒトが好きで!好きで!たまらないの! これが恋なのかな? 愛なのかな? これがそうだと言うのなら…ガイアとは恋でも愛でもないよ…私、本当に苦しくて、リヒトの事ばかり考えるの…しかも、その、普通じゃ無くて淫らな事ばかり、このままじゃ頭が可笑しくなりそう」

そう言いながらも、リラは顔を赤くしモジモジしている。

私もさっきから淫らな事ばかり頭に浮かぶ。

妄想の中でもう何回リヒトに抱かれたか解らない。

妄想の中のリヒトに…

『マリアン愛している』

『好きだ』

そう言われる度に私は淫らにリヒトを求めていた。

「えへへっ」

「マリアン、涎…」

「あっゴメン…」


「あれは本当にリヒトなの? セクシーで、そのカッコよくて…あはははっ…その抱かれたい…どうしてあんなになっちゃったのかな?」

「知らないよ!でも私もよ!」

リヒトがあんなにカッコよくなるなら…パーティの時にガイアなんかに構わずに押し倒して既成事実を作るべきだったわ。

「私、今のリヒトになら全部あげちゃう…ううん自分から全て捧げたい…」

リラの言う通りだわ…

多分、今日は悶々して眠れないわ…よ








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