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第54話 【閑話】勇者パーティ解体
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「それで、お前等、リヒト落とせねーの? 馬鹿じゃ無いの?裏切られた寂しさから化け物みたいな女に走った位なんだぜ」
あれから、俺はマリアンやリラと連絡をとってみた。
リヒトの言う通りに宿屋ではなく教会を拠点に今の俺は活動している。
全ての面倒を見て貰っているが、お祈りをしたり、酒が食卓に出ない等、窮屈極まりない。
シスターに手を出す事は出来そうだが…
『勇者様となら問題ありません、ですが責任はとって貰えますよね』
とニコリと笑うんだ。
教会関係者だから『手を出したら最後』確実に側室、相手によっては教会から無理やり正室に押し込まれる可能性が高い。
正にあれは『ネズミ捕りの中のチーズ』みたいな物だ。
食ったら終わりだ。
更に試しにポーターをつけて貰ったが、料理は下手だし、何かと『女神に感謝を』を連呼してくるので気が休まらない。
女が良いと言って、女にして貰ったが…此奴も食ったら最後終わりだ。
そして…最大の問題は。
魔王討伐を辞めてしまったら…特権の半分以上が無くなる。
S級冒険者だから恐らく金には困らない。
勇者という名前は討伐に参加しなくても女神から貰ったジョブだから残る。
だが、地位や名誉は違う。
勇者としての栄誉は魔王討伐の向こうにある。
王族、貴族との婚約、爵位…全てが手に入らない。
それ処か魔族と戦わなかった勇者としての汚名がつき 王国、帝国、聖教国では恐らく…かなり肩身の狭い思いをしなくちゃならないかも知れない。
「煩いわね!もうガイアとは関係ないんだから放っておいてよ! どうしても会いたいと言うから『幼馴染』の義理で来てあげただけだわ!」
「そんな嫌味を言う位なら帰るよ」
「まぁまぁ、待てよ!今日はお前等にお願いがあって来て貰ったんだ…魔王討伐だ! 世界を救う為にもう一度手を貸してくれ! 頼む!」
これは人類全部に関わる事だ此奴らだってきっと渋々でも戻ってくれるはずだ。
「それでガイア…それ引き受けたらリヒト戻る訳?」
「エルザも戻ってくるのかな?」
「いや、リヒトは三職じゃないから必要ない、脈が無いなら諦めてだな…ほら上手くやれば王子や貴族との婚姻もある、もうそれで良いんじゃないか? あとエルザは…実は化け乳だと解ったから、パーティの醜聞になりかねないから要らない...追放したんだ」
「そう? それじゃ、話は終わったのね!私はもう魔王討伐の戦いに参加はしないわ」
「そうですね、私もパス!それにエルザが、化け乳でもリヒトが見捨てないなら、私達にもチャンスはある! このまま粘れば…きっと」
「そうね、今でも最低限の面倒は見てくれているんだから、まだチャンスはあるわ」
「マリアン、リラ! 貴様ら世界はどうなる! 魔族領近くには俺らを待っている人たちが居るんだぞ!」
「別に… 私は恋に生きると決めたの! それに大体、私がそんなに貴重な戦力なら捨てたガイアが悪いわ! もう貴方の為に私は命がけになれないわ…連携も真面にとれないんだから、魔王城にたどり着く前に全滅よ、全滅!…態々、行っても死体が3つ増えるだけだわ」
「そうね、顔見知りなら兎も角、知らない人の為に命なんて張りたいと今は思わないよ! それにマリアンが言った通り、私も恋に生きたいし、無駄死にと解かるのに旅なんてしたくないな! 何より、リヒトの傍を離れてまで旅を続けたいとは思わないな」
「お前等…」
「ガイア、手柄が欲しいだけでしょう? 仲間を仲間と思わない、アンタにはうんざりよ! エルザの扱いを見て解るわ! 化け乳でも一緒にパーティ組んでいるリヒト、醜聞になるからと突き放すガイア…男としてどちらが正しいの?何時から此処迄クズになったのかしら? それとも元から?」
「そうね、もし私がドラゴンのブレスでも浴びて火傷して醜くなったらガイアは捨てるのかな? 顔以外取り柄が無いのよ。今のガイアは!」
「マリアン、リラ貴様ら!」
「このパーティは終わりよ…終わり! アンタに下手な希望を持たせちゃ悪いから、私が教会にしっかり『魔王の討伐はしない』そう伝えるわ」
「そうね『魔王討伐』したいなら一人でどうぞ!『勇者ガイア様』マリアン、私も付き合うわ!」
「そうね…面倒くさいから、直ぐに行こうか?」
「うん」
「おい…」
嘘だろう?
こんな簡単に俺の勇者パーティ『希望の翼』が無くなるなんて。
あれから、俺はマリアンやリラと連絡をとってみた。
リヒトの言う通りに宿屋ではなく教会を拠点に今の俺は活動している。
全ての面倒を見て貰っているが、お祈りをしたり、酒が食卓に出ない等、窮屈極まりない。
シスターに手を出す事は出来そうだが…
『勇者様となら問題ありません、ですが責任はとって貰えますよね』
とニコリと笑うんだ。
教会関係者だから『手を出したら最後』確実に側室、相手によっては教会から無理やり正室に押し込まれる可能性が高い。
正にあれは『ネズミ捕りの中のチーズ』みたいな物だ。
食ったら終わりだ。
更に試しにポーターをつけて貰ったが、料理は下手だし、何かと『女神に感謝を』を連呼してくるので気が休まらない。
女が良いと言って、女にして貰ったが…此奴も食ったら最後終わりだ。
そして…最大の問題は。
魔王討伐を辞めてしまったら…特権の半分以上が無くなる。
S級冒険者だから恐らく金には困らない。
勇者という名前は討伐に参加しなくても女神から貰ったジョブだから残る。
だが、地位や名誉は違う。
勇者としての栄誉は魔王討伐の向こうにある。
王族、貴族との婚約、爵位…全てが手に入らない。
それ処か魔族と戦わなかった勇者としての汚名がつき 王国、帝国、聖教国では恐らく…かなり肩身の狭い思いをしなくちゃならないかも知れない。
「煩いわね!もうガイアとは関係ないんだから放っておいてよ! どうしても会いたいと言うから『幼馴染』の義理で来てあげただけだわ!」
「そんな嫌味を言う位なら帰るよ」
「まぁまぁ、待てよ!今日はお前等にお願いがあって来て貰ったんだ…魔王討伐だ! 世界を救う為にもう一度手を貸してくれ! 頼む!」
これは人類全部に関わる事だ此奴らだってきっと渋々でも戻ってくれるはずだ。
「それでガイア…それ引き受けたらリヒト戻る訳?」
「エルザも戻ってくるのかな?」
「いや、リヒトは三職じゃないから必要ない、脈が無いなら諦めてだな…ほら上手くやれば王子や貴族との婚姻もある、もうそれで良いんじゃないか? あとエルザは…実は化け乳だと解ったから、パーティの醜聞になりかねないから要らない...追放したんだ」
「そう? それじゃ、話は終わったのね!私はもう魔王討伐の戦いに参加はしないわ」
「そうですね、私もパス!それにエルザが、化け乳でもリヒトが見捨てないなら、私達にもチャンスはある! このまま粘れば…きっと」
「そうね、今でも最低限の面倒は見てくれているんだから、まだチャンスはあるわ」
「マリアン、リラ! 貴様ら世界はどうなる! 魔族領近くには俺らを待っている人たちが居るんだぞ!」
「別に… 私は恋に生きると決めたの! それに大体、私がそんなに貴重な戦力なら捨てたガイアが悪いわ! もう貴方の為に私は命がけになれないわ…連携も真面にとれないんだから、魔王城にたどり着く前に全滅よ、全滅!…態々、行っても死体が3つ増えるだけだわ」
「そうね、顔見知りなら兎も角、知らない人の為に命なんて張りたいと今は思わないよ! それにマリアンが言った通り、私も恋に生きたいし、無駄死にと解かるのに旅なんてしたくないな! 何より、リヒトの傍を離れてまで旅を続けたいとは思わないな」
「お前等…」
「ガイア、手柄が欲しいだけでしょう? 仲間を仲間と思わない、アンタにはうんざりよ! エルザの扱いを見て解るわ! 化け乳でも一緒にパーティ組んでいるリヒト、醜聞になるからと突き放すガイア…男としてどちらが正しいの?何時から此処迄クズになったのかしら? それとも元から?」
「そうね、もし私がドラゴンのブレスでも浴びて火傷して醜くなったらガイアは捨てるのかな? 顔以外取り柄が無いのよ。今のガイアは!」
「マリアン、リラ貴様ら!」
「このパーティは終わりよ…終わり! アンタに下手な希望を持たせちゃ悪いから、私が教会にしっかり『魔王の討伐はしない』そう伝えるわ」
「そうね『魔王討伐』したいなら一人でどうぞ!『勇者ガイア様』マリアン、私も付き合うわ!」
「そうね…面倒くさいから、直ぐに行こうか?」
「うん」
「おい…」
嘘だろう?
こんな簡単に俺の勇者パーティ『希望の翼』が無くなるなんて。
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