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第47話 お世話②
しおりを挟む「リヒト、それは良いからっ止めてー――っ」
「恥ずかしいから、そこ迄しなくても良いからね、それから、手を放して!」
何を恥ずかしがっているんだ?
下着を俺が手にした位で何を言っているのか解らない。
大体昔から俺に下着を洗わせていただろう?
俺は洗濯をする為に衣類を回収しに二人の部屋に行った。
山積みとなった汚れた服を全部麻袋に入れている所だ。
恥ずかしいと思うなら脱ぎ散らかすなよ。
「いつもの事だろう? もっと汗だくで汚い物や、何日も履いた汚い物まで洗濯してきたんだ、気にするなよ!今更だよ今更! あとこの部屋の清掃を宿屋に頼んでおいたから、少しの間出かけておいてくれよ…」
「あの…ほんとに恥ずかしいから…」
「お願いだから」
知らないな!
こんなに汚した服を放置しているのが悪い。
もう何年洗っていたと思っているんだよ。
もう照れたり恥ずかしがるなんて気持ちは無いな。
散々ぱら汚れた下着を押し付けられてきたんだから。
こんな物に夢もロマンも無い。
「今更何を言っているんだ? もう何年も洗っていたんだから、こんな布に何も感じないよ!大体、トイレ番までしていたんだからそう言う対象じゃないから安心しろよ」
野営の時に、ようをたす時には見張りが必要だ。
特にしゃがみ込んでいる時は凄く危ない。
魔物、特にゴブリンやオークに襲われる可能性が高いから、冒険者の場合は必ず見張りを立てる。
ガイアには頼めないし、ほかの仲間は嫌がって寝ていると起きないから『男として見られていない』俺に頼むことが多かった。
そんな環境で『照れ』なんてとっくの昔に無いっていうの。
「「ううっだけど…」」
「俺はお前達に『友情』以外一切感じなくなっているから気にするなよ…だけど安心して良いよ『昔みたい』に暫くは面倒見るから安心して良いよ」
「「リヒトっ」」
「それじゃ、暫くしたら出かけろよ!掃除が入るからな! これでうん衛生的な生活に取り敢えず戻れるからな…今日の昼は外で食べてきてくれ…夜はまた届けにくるから」
「あの…」
「ちょっとリヒト」
「それじゃあな」
それだけ伝えて俺は二人の部屋を後にした。
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