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第26話 【閑話】本当に壊れている

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俺達はギルドで得た情報を元にリヒトが居る街まで戻って来た。

俺達にはどうしてもリヒトが可笑しくなったとは思えなかったからだ。

幾ら考えても『化け乳』は無いだろう。

確かに俺は幼馴染の三人を独占した。

そしてリヒトを追い出した。

確かに酷いことをしたのかも知れない。

だからと言ってリヒトが壊れてしまう程のショックを受けるのだろうか?


俺にはそうは思えなかった。

少なくともあの時はそう思っていた。

彼奴は親友ではあるがライバルでもある。

色々と競い合う、そんな中だ。

『女の取り合い』だってそんな中の一つだ。

確かにショックを受けるだろうが…心まで壊れる様な事じゃない筈だ。

それにリヒトが居なくなってからよく考えるんだが…此奴らそんなに欲しい女か?

料理に洗濯は凄い下手糞で俺とトントン。

気が利かないし、リラに至っては書類仕事でいつもイライラしている。

リヒトが居なくなって俺の物、そう思うようになったら正直『どうでも良くなった』

『リヒトが奴隷を買った』

そう聞いた時にエルフかダークエルフを買ったのかと思い、心底羨ましかった。

ここで俺は気がついてしまった。

『此奴らより良い女でも金で買えるんだな』ってな。

そう思ってしまったら、もうどうでも良くなったよ。


「僕の顔になにかついているのかい?」

「どうしたの?」

「急に見つめてきて照れちゃうよ」

なんだか最近、此奴ら汚くなって来たな。

女子力が全くないんだよな。

リヒトが世話しないと、どんどん本当に汚くなっていくだけだ。

魔王討伐までは一緒に居なくちゃならないし、機嫌を取らないとならないが…戦力になる駒以外価値が無いんじゃないか?

「いや、リヒトの事を少し考えていてな、この輪に彼奴も居たんだな、そう思っていたんだ」

「なんだそうか…」

「確かに、あの頃の方が楽しかった気がしますね」

「リヒトが居ないと本当に不便だよ」

「確かにな、あの時はああは言ったが、やはり帰って来て貰えるようにしないと不味いな」

「「「賛成」」」

俺が幼馴染の女を独占したのが原因なら、1人位彼奴にやるか?

よく考えれば『魔王さえ倒せば』王女でも貴族の令嬢でも手が届く。

最悪、三人とも全部彼奴にくれてやるか?

魔王討伐した後は…余り必要だと思えないな。

リヒトが世話しなければ、そこらへんにいる並みの女じゃないか。

◆◆◆

冒険者ギルドの情報の宿屋を四人ではった。

暫く見ていると件の奴隷と仲良く手を繋いでいるリヒトが出てきた。

「嘘だー-っリヒト…本当にうっううっ僕が悪いのかな…僕が…」

いきなりエルザが泣きだした。

エルザは男女関係は兎も角、リヒトとは親友関係にあった。

あの原因が自分にあると思ったら泣きたくなるのも仕方がないだろうな。

「エルザ、静かに気づかれるわよ…だけど、何でよ…なんで、本当に壊れちゃったの?」

「ううっエルザァァァ、マリアァァァ私、あんなリヒト見たくないよ…」

噂は本当だった。

リヒトが嬉しそうに手を繋いでいる女は…メロン程の大きさの脂肪の塊をぶら下げている化け乳女だった。


あれ程気持ち悪い女を見たことが無い。

そんな気持ち悪い女に笑顔を向けて笑っているリヒト…

幼馴染が本当に壊れてしまったんだと…実感してしまった。








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