21 / 85
第21話 【閑話】貧乳聖女の伝説 ①
しおりを挟む私の名前はレイス、フランソワ.ド. ジョルジュ。
伯爵家の次女に生まれたわ。
私の姉のカトリーヌは私と違いお父様に可愛がられているの。
お母さまは私を産んで早くに死んでしまったから、私には味方はいない。
お姉さまと私は異母姉妹でお姉さまのお母さまとお父様は恋愛の末結ばれたのよ、だけど、お姉さまのお母さまは病弱でお姉さまを産んですぐに亡くなってしまった。
そして後添いになったのは私のお母さま。
お母さまとお父様は政略結婚、そこには多分愛は無かった。
お母さまが生きていた頃はまだ良かったのよ。
だけど、お母さまが亡くなってからは…もうお父様の目に私は映っていないわ。
貴族だからお金に困ることは無い。
平民と違い、誰もが羨む裕福な生活を送っているわね。
だけど、私の周りには…私を愛する人は…いないわ。
その理由は解っているのよ。
この家にいる女性はお姉さまも含み『皆、同じ特徴があるの』よ!
多分、お母さまは、その特徴が無かった為に『愛されなかった』のよ
そして、その特徴は…私にも無かったの。
自分で言うのもなんだけど、これでも顔は良い方だと思うわ。
体はスレンダーだし、綺麗な赤髪だし、目も大きいしそれなりに美貌には自信はあるの。
だけど、その特徴が無いから、私はお父様に愛されなかったのよ。
『本当に悔しい』
お父様は…『大きなお乳が好きなのよ!』
多分、女性を見る時には顔より先に胸を見る位…そしてそれはジョルジュ家の男全員にいえる事なの。
『大きな胸は正義』
そんな事を言い出す位に『大きくて立派なお乳が好きな人間たち』なのよ。
だから、この家の使用人は『大きなお乳の女』ばかり…胸が小さいとどんなに優秀でもお父様が雇わないのよ。
しかも、お父様が『大きなお乳』が好きなせいで、メイドはメイドで全員が全員、胸の大きさに誇りを持っているのよ!
本当にふざけているわよ。
執事や男の使用人もお父様の影響のせいで『大きなお乳が好き』なのよ!
この館には大きなお乳の女とそれが好きな男しか居ないの!
頭が可笑しいんじゃないの!
それで、メイドが使用人の癖に私を馬鹿にしてくるわけ。
「お嬢様の胸は見事な大草原ですね!」
「そのお胸はまるで少年の様ですわね!」
「微乳ですね」
そんな事ばかりを、聞こえる様に陰口を叩くのよ!
私はお嬢様なのよ!
お父様に言いつけたら…
「はははっ確かに大草原で少年みたいな胸じゃないか? レイスも貧相な胸だという自覚をした方が良いぞ…」
笑いながらそれだけよ…
使用人が自分の娘を馬鹿にしたのに…怒りもしないのよ!
『あり得ないわ』
私だって、私なりに頑張ったのよ!
メイドから教わった通り『胸の大きくなる体操』もしたし『揉みもしたわ』
牛乳だってお腹が下る位飲んだんだから。
それでも私のお乳は『大草原のまま』だったのよ。
仕方ないじゃない!
どんなに努力しても『大きくならない』んだもん。
何時しか私は大きなお乳を見る度に呪うようになったのよ。
『垂れてしまえ』って…
本当に呪ったわけじゃ無いわ…
だけどね、大きなお乳なんてこの世から居なくなれば良い。
そう私が思うのは仕方が無いでしょう。
12
お気に入りに追加
910
あなたにおすすめの小説
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが
別に気にも留めていなかった。
元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、彼には時期的にやりたい事があったからだ。
リヒトのやりたかった事、それは、元勇者のレイラが奴隷オークションに出されると聞き、それに参加する事だった。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
そんな二人がどうやって生きていくか…それがテーマです。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公になれない筈の二人が主人公、そんな物語です。
最近、感想欄から『人間臭さ』について書いて下さった方がいました。
確かに自分の原点はそこの様な気がしますので書き始めました。
タイトルが実はしっくりこないので、途中で代えるかも知れません。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
【石のやっさん旧作】『心は』●●勇者…さぁ勇者褒美をとらす! 欲しい物をなんでも言うが良い! 「はい、では●●●で!」
石のやっさん
ファンタジー
主人公の理人(りひと)はこの世界に転生し、勇者に選として、戦い続けてきた。
理人は誰にも言っていなかったが、転生前は42歳の会社員の為、精神年齢が高く、周りの女性が子供に思えて仕方なかった。
キャピキャピする、聖女や賢者も最早、子供にしか見えず、紳士な彼からしたら恋愛対象じゃない。
そんな彼が魔王を倒した後の物語…
久々の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる