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セレスが愛してくるって言ってくれた
しおりを挟むセレスの居場所は簡単に解った。
S級冒険者なんだから当たり前かもしれない。
もうすぐ貰った国に旅立つらしいが、まだこの国に居るそうだ。
休みもしないで僕たちはセレスのパーティハウスに走った。
「此処にセレスが居るんだね」
「そうね、だけどどうやって謝るのよ」
「だけど、この家まるでお城みたい..どうしよう…」
いざ着て見るとどうして良いのか解らない。
なかなかノックする勇気も出ない。
暫くウロウロしていると…
「あっ、ドラ猫娘..」
「「「マリベルさん」」」
マリベルさんに見つかった。
◆◆◆
「この子達知り合いだから」…そう言って他のオバサン達に言うとマリベルさんはダイニングに僕達を連れて行った。
そして僕達三人はその場所に正座させられた。
「全く、リリアナもレイラもリサイヤもどんな教育したんだか、まぁうちのリヒトが一番悪いけどさぁ、良くもセレ坊に酷い事したもんだよ」
お母さん達の名前を出されると何も言えないよ。
僕のお母さんもリタやソニアのお母さんも皆セレスを可愛がっていたからね。
多分、僕のお母さんだったら…多分ほうきで殴られたかも知れない。
『ケイト、リヒトじゃなく絶対にセレスが良いよ..セレスなら今直ぐ婚約したって許しちゃうし、子供が出来ても怒らないから』
なんて言っていたけど…よく考えれば何時も『お手伝い』しているからセレスはお母さん達の人気は凄く高いんだよね…あれ僕達、ジミナ村に帰れないんじゃない。
「「「ごめんなさい」」」
「別に良いわ、反省しているならね、だけど貴方達が謝る相手は私じゃ無くて『セレ坊』だわ、そこは間違いないでね…それで今日は何の用? リヒトとの婚約の報告とか?」
僕はマリベルさんに今迄の経緯を話した。
「そう、リヒトがそんな事をこれはおばさんの育て方が悪かったのね、ごめんなさい、それで貴方達はなんの為に此処に来たの?」
僕達は三人共にセレスへ想いを話した。
「へぇーそうなの? 散々酷いことした相手が好きなんだーーっへぇー(ボソッ糞ガキ)」
なんだろうか?
さっき迄と違って後ろに鬼が見えるのは僕だけ..じゃないソニアもリタも震えている。
ドラムキングより怖く思えるのは何故だろう。
「まぁ、暫くしたらセレ坊、あっセレスも帰って来るわ..頑張って謝るのね、多分許してくれないんじゃないかなぁ? おばさん、そう思うな? だけど、会わさないのはフェアじゃ無いから会わせてはあげるわ」
そう言うとマリベルさんは出て行ってしまった。
あの正座止めても良いのかな?
足が死ぬ程痛いんだけど…
◆◆◆
暫くしてセレスが帰ってきた。
応接室で待っているというので痺れた足を摩りながら三人で歩いていった。
「これでセレスに会えるのね」
「ようやくだわ」
「一生懸命謝ろう」
ノックしてドアを開けると、傍にはマリベルさん以外にも4人のオバサンが立っていた。
『綺麗なおばさん』それが僕の印象だった。
良かった、あの年齢なら『恋人』や『嫁』じゃないよね。
「ごめんなさい、セレス」
「本当にごめん…」
「許してとは言えないよね」
僕達三人はすぐに土下座をしてセレスに謝った。
「別に謝る事無いよ! ほら可愛い顔が台無しだよ」
そう言うとセレスはハンカチで僕たちの顔をぬぐってくれた。
「本当に…僕あんな事言ったのに…」
「私も酷い事言った」
「私はセレスに…セレスに」
何故かマリベルさんや他のオバサンは怖い顔しているけど、今はセレスの方を優先したい。
「何で僕、酷い事したのに、許してくれるの?」
「私だって、酷い事沢山した」
「どうして、どうして許してくれるの?」
「皆を愛しているからな」
「…本当に」
「本当にこんな私でも愛してくれるの」
「ありがとう」
僕達は思わずセレスを抱きしめていた。
周りなんか気にしない..三人でセレスにキスの前をふらすようにキスした。
これで元通り..ううん、これまで以上に楽しい毎日が始まるんだ。
「やっぱり若い子が良いんだ…嘘つき」
「茶番だったのね」
「お姉さまあの態度どう思います?」
「酷いですわ」
オバサンが何か言っているけど気に何てならないよ。
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