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ホワイトウイング
しおりを挟むマイクさんと話が終わった俺は、一旦宿屋に戻ってきた。
少し大きめの部屋を借りているが、流石に少し狭く感じる。
「お帰り~セレス」
「お帰りなさいませですわ、セレス」
マリアの『ですわ』という語尾を聞くと『うんお姫様だったのだな』と感じる。
午後から出掛ける約束をしているから、2人はしっかりと着替えている。
今日これから、出掛ける場所は冒険者ギルドだ。
パーティ登録に変わる物が無いか相談だ。
◆◆◆
「セレス様、今日は一体、どのようなお話しでしょうか?こみいった話なら 直ぐにサロンにご案内致します」
俺が依頼書を持っていないから、何かしらの話だろうと考えたんだな。
流石受付嬢、顔を覚えるのが早いな。
「流石、セレスS級ともなると応対が違うのね」
「何だか、私が聖女だった時より待遇が良さそうですわね」
そのまま、サロンに案内を受けていくと既にギルマスが待っていた。
「今日はどう言ったご用件ですかなセレス殿」
うん、最初の時とは全然違うな。
「パーティを組みたいと思うのですが、勇者パーティから抜けずに組む方法、もしくは似た様な方法は無いかと相談しに来ました」
「成程、それなら簡単だ、別動隊パーティとして登録すれば良い」
「別動隊パーティ?」
余り聞いた事が無いな。
「最近のパーティは大きなところが無いが、大昔はかなり大規模で100名規模のパーティもあった、まぁクラウンと呼んでいた時代もあったな。そういう時代には大きなパーティやクラウンがあり、そこに所属しているという形をとっていた、まぁ今じゃそんな大きなパーティは無いが、制度として生きている」
「なら、それで登録お願い致します」
「解った、リーダーはセレス殿、あとの二人をパーティ登録で良いか?」
「お願いする」
「それじゃ、ミランダ後は頼んだ」
「畏まりました」
「それじゃ、セレス殿、私は次の仕事があるので退席させて貰う」
「有難うございました」
◆◆◆
「それではこれで登録は終わりました、なお親パーティが『ブラックウイング』なのでそちらにも連絡がいきます、それでパーティ名はどうしますか?」
「二人とも何か良い名前は無いかな」
「私はそういうのは苦手だから任せる」
「ここはセレスのパーティなのですからセレスがつけると良いですわ」
名前か…
「それじゃニアゴッデス」
「「め女神?」」
「あの、女神関係の名前は避けるのが賢明ですよ」
「嬉しいけど恥ずかしいわ」
「そうね、凄く嬉しいですが恥ずかしいですわ」
「それじゃ、ホワイトウイングでお願いします」
「ホワイトウイング…はい登録しました」
こうして、俺達は『ホワイトウイング』の名前でパーティを組んだ。
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