上 下
21 / 68

元聖女VS騎士

しおりを挟む

「うんぐっ、うううん」

「大丈夫よ殺したりはしないからね?…だけど、貴方達は殺されても仕方無いと思うのよ?」

何をしているのかって?

私は絶賛逃亡中なのですわ?

あの糞豚王に糞息子は私を指名手配したのですわ。

本当に馬鹿ですわね。

黙っていれば国から出て行ったのに。

それで、今の私が何をしているのかと言えば、家に押し入っていますの。

その人は何かしたのかって?

私の人相書きを見たらしく『通報しようとしていた』のですわ。

街中騎士やら兵士やらが沢山いるし、仕方なく此処に逃げ込んだのですわ。

この国の恩人を国に売り渡そうとしたから仕方ないと思いますわね。

「ううっううううーーー」

「ううっうううーー」

親子を縛り上げて立てこもっていますの。

「あのね、私が聖女だった頃、この街に大量の魔物が襲ってきた事がありましたわね? その時に助けてあげたのは私ですわ、それなのに、私が酷い目にあっていますのに、通報するってどうい了見ですの?」


「「うううっううううーーっ」」

「あのですね、聴いてますか? あの時に私が助けに入らなければこの街はかなり高い確率で滅んでましたわよ? わ.た.く.し.が助けたらから貴方達は生きていますのよ? ねぇ? そもそも、あの時にわ.た.く.しが助けなければ、貴方達は死んでいました。それなのに不義理するなら、殺しちゃっても良いのですわ」

「「ふんぐーーーーーっふんふん」」

「まぁ、良いですわよ、夜まで此処に居ますわ、その後、貴方達が通報しなければ、何も不幸は置きませんわ..良いですわね」

親子は首を縦に振った。


◆◆◆

夜になりましたわね。

本当に馬鹿ですわね。

私、この国も面子があるから、隠れて出て行こうと思いましたのよ。

それなのに、こんなに大事にする何て…馬鹿ですね。

夜なのに騎士やら兵士やらが駆け回っていますわ。

仕方ありませんわね…正面突破しかありませんわ。


私は、めんどうくさくなり、そのまま歩き出しました。

「待て、そこの女、マリア様だ、マリア様が居たぞー」

「私はもうこの国の敵ですわ! ですがマリア様と言った、その言葉に免じて見逃してあげますわよ! さっさと道をあけなさい」

「これも任務です、そういうわけにはいきません…マリア様が居たぞーっ此処にぐふっうえわーー」

大した事をしていませんわ。

ただ、鳩尾を殴っただけですわ。

私は多分歴代聖女の中ではか弱い方かも知れません。

ですが、素手でフルプレートを拉げる位のパンチは打てます。

「教会に行けば治りますよ? まぁ背骨が折れているから、暫くは歩けないでしょうが…それじゃ行きますわね」


だが、此の騎士が大きな声を出した事により、沢山の騎士が集まって来ましたわ。

もう、わ.た.く.し.国の面子なんて考えてあげませんわ。

「居たぞーマリア様だ」

「此処にいるぞ」

「生死を問わない、必ず捕らえよという命令だ」

「はぁ、仕方ないですね…ホーリーアロー」

無数の光の矢が周りの人々に振り注いだ。

本気で打ち込めば貫通して全員死ぬ、だがそれは不本意ですので手加減しましたわ。

まぁ皆、動けなさそうですからもう大丈夫でしょう。


そんな事を3回ほど繰り返しましたら、もう誰も追って来なくなりましたわ。

さぁ、後は門を通り、外に逃げれば終わりですわね。

まぁ、殺さないで去って行くのは私の優しさですわね。

私の後方で空間が歪んでいるのを感じましたわ。

これは空間転移魔法。

私と一緒に戦った『賢者』も出来ませんでした。

これが出来る存在はただ一人。

「待ちなよ! オバサン」

「態々ここ迄来たんだからね」

私はその顔に絶望した。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが 別に気にも留めていなかった。 元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、彼には時期的にやりたい事があったからだ。 リヒトのやりたかった事、それは、元勇者のレイラが奴隷オークションに出されると聞き、それに参加する事だった。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 そんな二人がどうやって生きていくか…それがテーマです。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公になれない筈の二人が主人公、そんな物語です。 最近、感想欄から『人間臭さ』について書いて下さった方がいました。 確かに自分の原点はそこの様な気がしますので書き始めました。 タイトルが実はしっくりこないので、途中で代えるかも知れません。

戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。

隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。 婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。 しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……

彼女の浮気相手からNTRビデオレターが送られてきたから全力で反撃しますが、今さら許してくれと言われてももう遅い

うぱー
恋愛
彼女の浮気相手からハメ撮りを送られてきたことにより、浮気されていた事実を知る。 浮気相手はサークルの女性にモテまくりの先輩だった。 裏切られていた悲しみと憎しみを糧に社会的制裁を徹底的に加えて復讐することを誓う。 ■一行あらすじ 浮気相手と彼女を地獄に落とすために頑張る話です(●´艸`)ィヒヒ

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた

ああああ
恋愛
優は大切にしていた妹の友達に冤罪を掛けられてしまう。 そして冤罪が判明して戻ってきたが

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜

純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」 E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。 毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。 そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。 しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。 そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。 『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。 「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」 「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」 これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。 ※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。

底辺回復術士Lv999 勇者に追放されたのでざまぁした

島風
ファンタジー
勇者パーティーでお荷物扱いされていたアルは、とうとう勇者にクビを宣告されてしまう。 だが、実は彼はユニークスキル『パーティステータス2倍』の持ち主。パーティ全体の能力を2倍にしてパーティーに大きく貢献していた。 にもかかわらず、アルは最愛の幼馴染の恋人を寝取られ、都合が悪いからとダンジョンの奈落の底に突き落とされて殺害されてしまう。 しかし、死んだかと思われたアルは運よく奈落の底で生き残った。そして奈落の底で魔剣と膨大な経験値をもらい前人未踏のレベル999と勇者をも超える力を手に入れた。 アルは復讐の為、魔王を自ら滅ぼし、卑怯な勇者エルヴィンを法の元裁こうと決意する。 だが復讐に燃えていた彼は王女様と出会い、何故かパーティーに入ってほしいと勧誘される。おまけに、王女様をはじめ後輩や妹や彼を慕う女の子からも何故か次々と求婚されてしまう。 一方、アルを追放した勇者は当然落ちぶれて行き、次第にどん底へと追い詰められていく。 落ちぶれた糞勇者エルヴィンはアルに土下座して泣きつくが、もう時すでに遅い。そして遂にエルヴィンは外道が災いして底辺奴隷に落とされるのであった。

処理中です...