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元聖女VS騎士
しおりを挟む「うんぐっ、うううん」
「大丈夫よ殺したりはしないからね?…だけど、貴方達は殺されても仕方無いと思うのよ?」
何をしているのかって?
私は絶賛逃亡中なのですわ?
あの糞豚王に糞息子は私を指名手配したのですわ。
本当に馬鹿ですわね。
黙っていれば国から出て行ったのに。
それで、今の私が何をしているのかと言えば、家に押し入っていますの。
その人は何かしたのかって?
私の人相書きを見たらしく『通報しようとしていた』のですわ。
街中騎士やら兵士やらが沢山いるし、仕方なく此処に逃げ込んだのですわ。
この国の恩人を国に売り渡そうとしたから仕方ないと思いますわね。
「ううっううううーーー」
「ううっうううーー」
親子を縛り上げて立てこもっていますの。
「あのね、私が聖女だった頃、この街に大量の魔物が襲ってきた事がありましたわね? その時に助けてあげたのは私ですわ、それなのに、私が酷い目にあっていますのに、通報するってどうい了見ですの?」
「「うううっううううーーっ」」
「あのですね、聴いてますか? あの時に私が助けに入らなければこの街はかなり高い確率で滅んでましたわよ? わ.た.く.し.が助けたらから貴方達は生きていますのよ? ねぇ? そもそも、あの時にわ.た.く.しが助けなければ、貴方達は死んでいました。それなのに不義理するなら、殺しちゃっても良いのですわ」
「「ふんぐーーーーーっふんふん」」
「まぁ、良いですわよ、夜まで此処に居ますわ、その後、貴方達が通報しなければ、何も不幸は置きませんわ..良いですわね」
親子は首を縦に振った。
◆◆◆
夜になりましたわね。
本当に馬鹿ですわね。
私、この国も面子があるから、隠れて出て行こうと思いましたのよ。
それなのに、こんなに大事にする何て…馬鹿ですね。
夜なのに騎士やら兵士やらが駆け回っていますわ。
仕方ありませんわね…正面突破しかありませんわ。
私は、めんどうくさくなり、そのまま歩き出しました。
「待て、そこの女、マリア様だ、マリア様が居たぞー」
「私はもうこの国の敵ですわ! ですがマリア様と言った、その言葉に免じて見逃してあげますわよ! さっさと道をあけなさい」
「これも任務です、そういうわけにはいきません…マリア様が居たぞーっ此処にぐふっうえわーー」
大した事をしていませんわ。
ただ、鳩尾を殴っただけですわ。
私は多分歴代聖女の中ではか弱い方かも知れません。
ですが、素手でフルプレートを拉げる位のパンチは打てます。
「教会に行けば治りますよ? まぁ背骨が折れているから、暫くは歩けないでしょうが…それじゃ行きますわね」
だが、此の騎士が大きな声を出した事により、沢山の騎士が集まって来ましたわ。
もう、わ.た.く.し.国の面子なんて考えてあげませんわ。
「居たぞーマリア様だ」
「此処にいるぞ」
「生死を問わない、必ず捕らえよという命令だ」
「はぁ、仕方ないですね…ホーリーアロー」
無数の光の矢が周りの人々に振り注いだ。
本気で打ち込めば貫通して全員死ぬ、だがそれは不本意ですので手加減しましたわ。
まぁ皆、動けなさそうですからもう大丈夫でしょう。
そんな事を3回ほど繰り返しましたら、もう誰も追って来なくなりましたわ。
さぁ、後は門を通り、外に逃げれば終わりですわね。
まぁ、殺さないで去って行くのは私の優しさですわね。
私の後方で空間が歪んでいるのを感じましたわ。
これは空間転移魔法。
私と一緒に戦った『賢者』も出来ませんでした。
これが出来る存在はただ一人。
「待ちなよ! オバサン」
「態々ここ迄来たんだからね」
私はその顔に絶望した。
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