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全ては無に帰り 邪神は笑う (最終回)

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邪神リリはは自分より上位の神に会いに来ていた。

「私は卑怯な事をしてしまいました...だからその責任を取りたいと思います」

「何を言っているのだ邪神リリ、魔王の事なら許容内ではないか、あの世界は魔族側、つまり貴方の勝ちだ」

「その勝ち方に納得がいかないのです。あれは余りに卑怯すぎます」

「確かに卑怯ではあるが、あの位はやる者もいる、だが邪神リリは納得がいかないのだな」

「はい、だから、あの勝利を取り消して欲しいのです」

「それで良いのか?」

「はい」

「と、いう事は、勇者召喚された時まで時間は引き戻すとして、それでも八人の魔王が居るハンデはどうする事も出来ない...それはどうするのだ、同じ様になると思うのだが」

「それは...この戦いは無効にしたいと思います...そう、魔族側も人間側も勝ち負けが無いようにしたい、そう思います」

「まぁ、この戦いは君の勝ちだ...自由にするが良い...問題がないだろう」


そして、時間は巻き戻される。


「あれ、僕は..」

「セレス、目を覚ましましたね」

「僕は魔王カーミラ様に仕えていたはず...」

「そうです、ですが、私が貴方がこの世界に召喚された直後に巻き戻しました」

「そんな事が出来るのですか? 貴方はいったい? もしかしてマイン様以外の女神様?」

「そう、私は邪神リリ、魔族側の女神です」

「その邪神様が何故? せっかくの魔族側の勝利を捨てるのですか?」

「私は貴方の行動を見ていました...そして新たな可能性を見出したのです」

「可能性?」

「そう、魔族と人間が楽しく手を取り生きて行く世界...それこそが本当に良い世界なのではないか? 貴方を見てそう思ったのです」

「本当ですか?」

「はい、ゴブリンや魔族に呪われた死の女王、果ては魔王とまで仲良くなった貴方の姿を見て思いました、そして私は貴方にその様な世界を作って貰いたい、そう思ったのです」

「.....」

「だから、私は魔族の勝利を捨ててまで上位神に頼んで時間を巻き戻したのです...それは本来なら邪神や女神とてやってはいけない事です」

「それではリリ様が...」

「良いのです...私がそんな世界を見てみたいそう思っただけですから」

「そうですか...ありがとうございます」

「そこでセレス、貴方には前の世界での経験と記憶を持った状態でやり直して貰います。恐らく貴方が目を覚ました時は召喚された時と同じ状態からのスタートになります。 魔族と人間の懸け橋になって下さい...頼みますよ」

「はい」

「最後に私からも加護を与えます、私の加護は女神にも人間にも見えないようにします。女神と邪神の加護を持つのです...その力は勇者や魔王を超える力となるでしょう...さぁお行きなさい。」

「はい」

...........

僕は目を覚ました。
だが、周りを見回すと他の生徒は倒れたままだった。
前と同じ様に会話がはじまった。
さぁ、起きるか。

「あの大丈夫でしょうか?」

「あぁ大丈夫です...貴方は一体?」


麗華が話しかけてきた。

ここから又新しい僕の冒険が始まる


                         FIN




「くふふふふふふふ マインどう? 悔しいでしょう?」

「これで振り出しに戻ったわよ? いえ私の勝ちかしらね! だって貴方は魔族を倒す為に勇者達を送り、そして彼を女神の騎士にした。 だけど、彼は...醜い者が綺麗に見えるのよ...そう、人間と魔族や魔物、どちらの方が美しくみえるのかしら? 勿論、魔王や魔族たちにもこの事は伝えるわよ! そして魔族を倒そうとするマイン貴方と、魔族と人間が楽しく過ごせる世界を作って欲しいという私...どちらがよりよい神に見えるのかしら...」

「これで、次の転生の後は...セレスは私の物...寂しい思いをするのは貴方よマイン...私、貴方と違って加護の出し惜しみはしないからね...彼には彼の愛する者達と一緒に国でも作って貰おうかしら? 充分今世を楽しんで貰ってから、ここに来て貰おう..うん、それが良いわ」

「楽しみに待っているわ...セレス」

「セレスは リリの物....」






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