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コーネリア

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僕は約束を守るために死の森にきた。

こんな所に1人でいるんだ...何か訳があるのかな?

僕だったら、こんな所に1人で居るなんて耐えられない..

だから..凄く彼女が気になった

「コーネリアさん..居る?」

「セレス...本当に来てくれたんだ..ありがとう」

「うん、約束したからね..来る時に、木苺のパイを買ってきたんだけど..どうすれば渡せる?」

「私は、事情があって..姿を見せられないから、茂みの方に放ってくれる?」

「はい、放るよ..」

僕は茂みに向かってパイを投げた。

「お土産だね..ありがとう..ここ暫くは人間らしい食べ物を食べていなかったからね..凄く嬉しいよ!」

「そう、良かった..さぁ、食べながら話そうか? と言っても女性と旨く話せる自信は無いんだけどね!」

「そう? そんなにかっこ良いのに? 凄く女の子にモテそうだけど?」

「少しは、モテるかも知れないけど...それ程でもないよ?」

「そうかな? 怪しいな...沢山の女の子に囲まれていそうだよ?」

「そうだね..否定はしないよ..だけど、それを言うなら貴方だって凄く綺麗な声をしているから、男性は放って置かないでしょう?」

「昔はね..今の私は..ただの化け物だよ? もう二度とは誰からも愛される事はない..死の化け物」

《化け物..だったら..僕には綺麗な人にしか見えない筈だ..見たいな》

「コーネリアさん..私は異世界人なんだ..美的感覚が、この世界の人とはかなり違う..」

「異世界人..勇者様だったのか..セレスは..私を討伐にきたのかな?」

「違います..私は勇者では無く 女神の聖騎士..残念ながら勇者の召喚に巻き込まれただけですね」

「そうなんだ! 良かった..セレスとは戦いたくないからね...」

「この先、勇者と戦う事になるのですか?」

「正直、解らないかな? だけど、以前に勇者が攻めにきた事があったから、魔王を倒した後ならあるかも知れないかも?」

「大丈夫なのですか?」

「多分、私は死なない呪いが掛けられているから..死ぬかどうかという意味なら大丈夫だよ..本当は死にたいんだけどね?」

「何でですか?」

「孤独の中で生きてきて疲れたからね...」

「それだったら、私ときませんか?」

「私の姿を見た者は恐怖で死ぬんだよ? 嬉しいけど無理だよ」

「もしかしたらだけど..私なら大丈夫かも知れません!」

「何故?..」

「それは、私が居た世界と、この世界では美的感覚が違うみたいなんです...私にはゴブリンやオークが美しく見える...驚きました?」

「そうか..だからオークやゴブリンと仲良くしていたんだ..」

「最も、女性だけですが..」

「あのさぁ..だったらエルフはどう見えるの?」

「物凄い、化け物ですね!」

「そう、なんだ! だったら私が綺麗に見える可能性もあるかも...だけど、もし失敗して死んだらどうするの?」

「その時は、その時ですよ? 死んでも文句言わないから..貴方を見ても良いですか?」

《見たら死ぬほどの醜さ..僕の目にはどう映るのかな..》

「そこまで、言うなら、遠くから私を見て...距離を置けば死ぬことは無いから..精々が気持ち悪くなる程度ですむからね」

コーネリア《これでもう来てはくれないな》

僕は遠くからコーデリアさんを見た..遠目から見ても解かる..これ以上の美しい人は絶対に居ない..もし異世界転移の時に会って..私が美の女神です、そう言われても信じてしまう..そして、何よりも見ているだけで..凄く幸せに思えてしまう。

「コーネリアさん..私には美しい姿にしかやっぱり見えない..近づいても良い?」

「セレス..無理してない? 傍に寄ったら死んだりしない?」

「多分大丈夫だと思う..私には綺麗な姿にしか見えない」

コーネリアさんに近づいてみる..近づく度に気持ちが高まる。

好きだ、そういう気持ちがどんどん高まる..まるで魅了の魔法でも掛けられた様に心臓がドキドキしだす。

彼女に触れる距離まで近づいたら..まるで回復の呪文に掛かったように..体から疲れが抜けていった。

「嘘嘘嘘..私を見て死なないなんて..気分とか悪くない? 大丈夫なの?」

「逆かな..コーネリアさんの傍に居るとまるで回復の呪文にでも掛かったように元気になるよ..」

「そう、なんだ..良かったょ...それで、私はセレスから見て..どうかな?」

「そうだね、世界一の美人さん..そんな感じ?」

「そう、この顔がセレスには美人に見えるんだね..なら、それで良いかな...ちょっと複雑だけど」

「それでコーネリアさん、どうしますか?」









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