勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

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第37話 おしまい

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『と言う訳で、ギルメドにたどり着いた時にはもう魔族が街に入り込んだ後で…どうにかスカルは討ち取りましたが…聖女マリア様も賢者リタ様も剣聖エルザ様も、もう戦えるような体じゃありません』

「そうですか…それでリヒト殿はこれからどうなさるのですか?」

近くの教会に行き、実際に三人を見て貰った。

前世で言う診断書みたいな物を作成してくれて中央教会に連絡してくれた。

だから『戦えない』それはもうローアン大司教にもロマーニ教皇にも伝わっている。

だからこれは建前みたいな物だ。

「何処かの田舎に引っ込み、三人の面倒を見ながら生活しようと思っています。田舎冒険者か農業でもしようかと思います」

「そうですか…それでは近くの教会に聖なる武具と勇者様ようのお金の返金をお願い致します。 あと退職金として三人には金貨1000枚(1億円)を支払いますのでお受け取り下さい」

「何から何までありがとうございます」

これはスカルを倒したからの退職金だ。

もし負けていたら、きっと何も貰えていない。

世間的には、死んで無いが…前世でいう『名誉の殉職』みたいな物だろう。

四天王の一人スカルとの戦いの勝利…大きくふれが出ていた…その際に勇敢に戦った三職の話が載っていた。

ガイアは…まぁ遅れて駆けつけた事になっていた。

全く来てないが…

俺はガイアに冒険者ギルドを通して手紙を書いた。

内容は簡単に言うと『戦力外なのでパーティを抜ける』そういう内容だ。

尤も、もう戦えない事を教会が知っているからパーティリーダーのガイアの意向は関係ないだろう…

何しろ…本当に戦えないんだからな。

◆◆◆

「マリア、畑仕事は私達がするから休んでいなよ」

「そうだよ…気を付けないと」

「リタ、エルザまだ大丈夫よ」

「結構、お腹が大きいんだから気を付けないと駄目だよ」

「リヒト、本当にまだ大丈夫だから…それに私は聖女だから何かあっても自分で治療はできるわ」

「確かにそうだけど、心配だよ」

「もう大げさなんだから」

俺達は魔族と縁が遠い南に進んできた。

この辺りはもう魔族と縁が無い場所で魔物も精々ゴブリンが偶に出る位の場所だ。

まぁ凄くのどかなド田舎だ。

そこで冒険者登録を再度して、畑と小さな家を買った。

三人の退職金と俺が稼いだお金で一生遊んで暮らせるお金はあるが、働かないと駄目になりそうだから半分趣味で働いている。

そして、まぁ一線を越えてヤリまくっていたらマリアが妊娠した。

そんな所だ。

仕方ないだろう?

新婚みたいな物だからな。

「今日の仕事も終わりだな…これから家に帰ったら食事の準備するよ」

「それじゃ、マリアは今は出来ないから今日は私が頑張るか」

「エルザ…周りに人が居ないからって…今日は私と励む日だよ…そうだよね!リヒト」

「お腹が少し出てきたけど…まだ優しくなら大丈夫よ」

「時間は沢山あるんだから、三人一緒にゆっくり楽しめば良いんだよ」

「「「うん」」」

今迄、三職だった為に『出来なかった』せいか三人とも夜が凄い。

気がつくと朝になっている事すらある。

スカルと戦った時にエリクサールを使ったが…実はもう一本エリクサールはくすねて来てある。

だがマリアの『今使ったらバレるよ』の一言で様子見することにした。


そして…

「リヒト…私上級ヒーラーになっているわ」

「私は上級剣士だ」

「私は魔導士…」

これはガイアが死んだ事を意味する。

勇者が死ぬと四職はリセットされ他の三職は一段落ちるジョブになる。

『これから次の勇者パーティが生まれるのか』


ガイアは戦いのなか死んだのか…次の世代を期待した何者かに殺されたのかは解らない。

だが、これで三人は完全に呪いから解放されたようなものだ。

誰もがガイアが死んだ事を悟ったが何も言わない。

「これで本当に終わったね…もう普通の女の子に戻れたんだから…『普通の幸せ』を楽しもう」

「「「うん」」」

大好きな彼女達にお酒と生活出来るだけのお金…

俺はそれ以上を欲しいと思わない。

今の生活が俺には…最高だ。

FIN










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