勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

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第28話 マリアSIDE 魔性の男 究極の嫁

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「リヒト…行っちゃった」

「全く、本当にお人よしだよ…凄く良い奴だな!」

「それだけじゃないわ…あれは『魔性の男』だわ! なんであんな風になっちゃったのよ…まるで別人よ!別人!」

「マリア、魔性の男ってなんだよ」

あれが魔性じゃないなら、なんだって言うのよ。

良く『魔性の女』なんて言葉を聞くけど、それの男版じゃない。

「だって、そうじゃない? 料理をはじめ家事は完璧。そして凄く優しくて…見た感じは地味で清楚…それなのに、夜になったら、途轍もなくエロいのよ!凄く激しくて何日もリタの喘ぎ声が聞こえてくる。そして覗いたら、あれよ、あれ! あんなに淫らな事しているの…私、今までリヒトをそう言う目で見れなかったのに…今じゃ『そう言う目』でしか見えなくなっちゃったわ」

そうなのよ。

リヒトは線が細くて、真面目だから性の対象として見られなかったわ。

ガイアとはそう言う事は考えられても、リヒトとそう言う事するなんて少し前じゃ一切考えられなかった。

なんというか、そう言う事と無縁で、そういう対象として見ちゃいけない、そう思っていたのよね。

「確かにあれは凄かったな。明け方まで、あんな事やそんな事…凄く淫らで一歩間違ったら変態にしか思えない事をあのリヒトがしているんだから、信じられない」

「そうなのよ…しかもリタが嬉しそうな顔しながらあそこを押し付けているし、自ら口に含んでいるんだから…ハァハァなんなのよ…」

「女に直したら、昼は淑女で夜は娼婦っていう、巷で言うあれか?」

「そうよ…それ、まさかリヒトが、それだなんて思わなかったわよ」

「その話、詳しく聞かせてくれないかな? 人が心配して来てみれば…そう…覗いていたのね!変態!」

「「リタ?!」」

「リタじゃ無いわよ!壁に小さな穴が空いていたから可笑しいと思ったのよ!まさか、あんた達だったのね!覗きなんて犯罪だよ! 仮にも勇者パーティがそんな事をしていたなんて…」

だけど、あんな声聞かされちゃ…見たくもなるわ。

「だけど、なにアレ!幼馴染のリタが変態だなんて思わなかったわ」

「リヒトも凄いけど、リタも凄いよな。一晩中やりっぱなしだった日もあるし、一線を超えないのに最低3時間も…しかも、口までお互いに使って、あんな事やそんな事」

「仕方ないじゃない! リヒトが私を物凄く愛してくれるんだから!私だって驚いたわよ…真顔で『大好きなリタに汚い所なんてないよ』と笑顔で笑っていきなり、あんな所を舐め始めるんだから…」

「嫌々じゃ無かったよね」

「そうだよ!リヒトの頭を押さえつけたり、自分からもしてたじゃないか」

「仕方ないでしょう? あそこ迄されると『私だってしてあげたい』そう思えちゃうし…私だって『リヒトに汚い所なんて無い』と思えちゃうんだから、私はリヒト限定ならもう、とんでもなく淫乱な女かもでもね、それで良いの…私はリヒトを愛しているから」

「「そう」」

「当たり前じゃない! 愛してなくちゃあんな事恥ずかしくて出来ないよ。それに、そうじゃなくちゃあんな恥ずかしい事させられない。少なくともリヒト以外、そんな事させたり、出来る相手なんてきっと現れない…それだけは思えるよ。私はガイアにはそんな事してあげたいと思わないし、されたいと思わない。だから、あれは恋でもなんでも無かった。そう言い切れるわ」

「そうなのかもね、私ももうガイアはもう良いや!こっちから願い下げだわ」

「私も同じだ。あの暴力男、最早クズとしか思えない」

「そう、良かった。二人とも元気になって、まぁ若いんだから次があるよ」


「次も何も、もう相手なら居るわ」

「そうだよねー」

「誰の事言っているの?まさか!」

「勿論、リヒト! 気が利いていて家事が得意で、その癖エロイなんてもう最高!」

「あれを見せられちゃな…うんうん凄くエロいな」

「なに言っているの? リヒトはもう私のなんだから! わ.た.しのリヒトなんだからね」

「だけどリヒトが言ったのよ『これで二人とも俺の物』だって!ねぇーエルザぁー」

「そうだよねーマリア」

「うぐっ…あーあっ!暗い雰囲気にいたたまれなくなって出て行かなけりゃ良かったよ!リヒトの性格なら絶対そうなると解っていたのに…」

「それでね、私とエルザは凄く今心身共に傷ついているから、今夜はリヒト貸してね!」

「うんうん、減るもんじゃないから良いよね!」

「減るの!減るのよ!私とリヒトの甘美で淫靡な素敵な時間が減るのよ!」

「そう…酷いわリタ!怪我して心がボロボロの私達が心配じゃ無いの?」

「リタは親友じゃ無かったのか酷いよ…ヨレヨレ」

「ハァ~もう良いわよ、解ったわ!貴方達を見捨てるリヒトじゃないのは解っていた事だから、覚悟していたわ…その代り正室は私だからね…そこは譲らない」

まだリタだって恋人なだけじゃない。

「あらっ別にリタは結婚してないんだから、それを決めるのはリヒトだよね? そう思わない?エルザ」

「うんうん、その通り、先に色々経験しただけで偉そうにするなよ!」

「嫌い、嫌い…二人とも大嫌いーーっ」

「そう?私はリタの事好きだわ」

「私も好きだよ」

「一体、なんなのよ全く…もう良いわ」

私達三人の仲が悪いとリヒトが困るもんね。

仲良くしないとね…

だけど、リヒトの事が良く解ったわ。

あれは『嫁』なのよ!

私もリタもエルザも『勇者パーティ』だから女らしい事は何も出来ないわ。

女らしさは全く無く『生活はほぼ男』なのよ。

今迄は『幼馴染の清楚な子』だから恋愛や性の対象に思えなかったのね…

あと心の中の僅かな『女らしさ』がリヒトを拒んでいたのかも知れないわ。

だけど『あんな凄いのを見ちゃったから』もう、そうは思わなくなっていたのね。

男に変えたら『清楚な少女』だと思っていたら、実は『凄くエッチな子だった』そう言う事なんだから…

『可愛くて家事が得意で尽くしてくれて…そして夜は獣の様に求める子』

『究極の嫁』じゃない?

私達みたいな女が求めるのはリヒトだわ。

元からガイアじゃなかったのよ…

今夜の事考えるだけで涎が垂れて来たわ。

「マリア…涎」

「そういうエルザも目が変よ!」

「二人とも私のリヒトに変な事しないでよ…」

「「解っ(た)(ているって)じゅるっ」」

お前が言うなって言いたいけど…まぁ良いわ。








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