勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

文字の大きさ
上 下
25 / 38

第25話 勇者の要望 完了篇

しおりを挟む

「ガイア、話はついた…だが、ちょっと人払いを頼めるか?」

「仕方ねーな!親友の頼みだ、お前等悪いけど、後でな」

「「解ったわ」」

しかし、ガイアは何時もパン一で女を侍らせているな。

前世のPCゲームで見た、鬼畜勇者みたいだ。

「それでどう言う事なんだ?ティア達に聞かせたくないという事なんだろう? まさか駄目だったとか言うんじゃねーよな」

なんだか最近荒れていて、性格も随分変わった気がする。

「結論から言うと『身請け』は問題ない。ただ扱いは側室どころか愛人でも駄目だった」

「それはどう言う事だ?」

「いや、身請けはOKだが教会的にはエルフは亜人だから『物』扱いとなるんだ」

「それは俺に何か不都合はあるのか?」

「ないな…彼女達の立場が低い。それだけだ」

「なら、問題は無いな。それじゃお願いして良いか?」

「あと、このお金は流石に教会にお願いできないから『俺の金』だ!これからは少しは控えてくれ」

裏の口座の事はガイアに黙って置いた方が良い。

それに貸しを作って置いた方が良いだろう。

「随分と貯め込んでいたんだな!」

「俺は支援金が貰えないから、暇みて狩りをしていたんだよ!おかげで全財産がパァだ!」

「わはははっ、済まないな、それじゃ頼むわ!まぁ、お前にしても大金を払ったとはいえ本当に欲しい物が手に入ったんだからWINWINじゃないのか? それとな、お前の事だから絶対に約束は果たすと思ってよ! 俺ももう動いておいたからよ! 頼んだぞ!」

動いた?

良く見るとガイアの頬っぺたにビンタされたような跡があった。

もしかして、二人と別れてきた。

そういう事か?

「悪いな」

「良いって事よ! お前と俺の仲だろう? もう方はつけてあるぜ! それでようこの状態じゃ帰れねーから良い宿をとってくれねーかな?」

「ああっ、ガイアが嫌われ役を買ってくれたんだ、3日間位はそうだな、最高級のホテルをとってやるよ」

「悪いな」

「任せておけ」

俺はその足で娼館の主に会いにいった。

◆◆◆

「身請けのお金が用意できたから、頼みます」

「宜しいのですか? 言っておいてなんですが、勇者様が身請けをする代金をリヒト様が払うという事ですよね?」

「まぁ、そういう事ですが気にしなくて結構です…これがその代金です」

俺はあらかじめおろしてきた金貨を娼館の主に渡した。

「確かに頂きました。あとで奴隷商に連絡して正式な書類を作り、奴隷紋の所有者の上書きもして頂きます」

大金が絡んでいるが『勇者パーティ』を騙すような奴はこの世界に居ないから大丈夫だろう。

「それじゃ頼んだ」

「畏まりました」

俺は此処で一つ気になった事があったので聞いてみた。

「所で、この娼館の売れっ子嬢を手放して、この娼館大丈夫なのか?」

「これでようやく廃業できます。貰ったお金で田舎に帰ってのんびりできる商売でもしますよ」

「そうですか」

話を聞くと親からエルフとダークエルフの娼婦を娼館ごと遺産として受け取ってしまった為に、やりたい事が何も出来ずにずうっと娼館勤めをしていたとの事だ。

これを機に他の娼婦も引き取って貰い此処を畳むのだとか。

「はい」

娼館の主の顔は憑き物が落ちたみたいに晴れやかだった。

◆◆◆

「ガイア話はついたよ、金は払い終わったぞ」

「悪いな」

「奴隷商があとで来て奴隷紋を刻んだり正式な手続きをするらしいから、後は大丈夫だよな! あと、これは当座のホテル代だ金貨10枚あるから大丈夫だよな」

「ああっ、問題無いな」

「それじゃ、俺は行くから一応泊まっている場所を後で教えてくれ」

「解った、解った…それじゃあんがとな!」

ガイアが手をヒラヒラさせていたので、そのまま帰る事にした。

しかし…思った以上に…まぁ言うまい。






しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...