勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

文字の大きさ
上 下
23 / 38

第23話 勇者の要望 前編

しおりを挟む

「それで、お前リタと付き合う事にしたんだ! 良かったじゃねーか? それで他の2人どうするんだ?」

ガイア…お前…

変わり過ぎだろう…今のガイアはティアとラクリアを両方に侍らせ、手を胸に滑り込ましていた。

簡単に言うなら『乳を揉みながら』話している。

此処迄変わる奴は珍しい。

「流石に、断られたばかりだからな…さぁどうするか…」

「はぁ?!馬鹿か、お前…あのなぁリヒト、彼奴らが好きなのは俺だろう? 俺はもうあいつ等要らないから、なんならこっぴどく振ってやろうか?」

此奴、本当にガイアなのか?

他の女に現を抜かすのは解る…だが、幼馴染としての想いは無いのか?

「良いのかよ…」

確かに、ガイアが『本気で幼馴染』を愛してないのは勘づいていた。

だから、切り離しを考えたのだが…此処迄変わるか…

「よいぜ…パーティとしては必要な人材だが、あいつ等女として終わっているだろう!ヤレないのは職業だから解るが、大した顔やスタイルじゃねーのに、何もサービスしねーんだ…付き合ってみれば解かるが碌な女じゃねーよ。気もきかないし、正直一緒に居ても楽しくも何ともねぇ…もう女としては本当に要らねーんだよ…だからやるよ…マジで」

そりゃ、娼館のナンバー1からナンバー3なんだから気立ても良いだろうし…あっちの方も上手いに決まっている…

「それ本気で言っているのか? 要らないというなら本当に貰うよ」

「良いぜ…だが只じゃ駄目だ」

「それじゃ、俺はどうすれば良いんだ?」

「良いか?今現在お前は俺のおかげで1人女を手にしたんだ。そしてこれから2人女を手にする…相手は俺からしたら要らない女だけど『お前は欲しいんだよな?』なら俺にも感謝して女を用意して良いんじゃないか?」

「どうすれば良い?」

「はぁ?! そんなの、解るだろう!身請けだよ!身請け…3人全員とは言わねーからせめて2人か1人どうにかしてくれないか?」

「いや…それは不味いだろう? 勇者なんだから。次の街に行っても娼館に入り浸れるようにするから、それじゃ駄目なのか?」

まさか1発目で惚れたのか?

幾ら童貞を捨てた相手とはいえ...どうしたんだよ…

「確かにリヒトの事だから、移動しても同じようにしてくれるのかも知れないな…だが、旅から旅の移動中はどうだ? お前が3人とイチャついている間、俺は1人だ…それに俺もお前も勇者パーティ、複数婚が認められている。エルフの側室を貰っても良い筈だ」

いや、相手が普通の人間なら良いが確かエルフは人権は普通にあるが教会では『亜人』として扱っていた筈だ。

流石に不味いだろう。

「いや…勇者って女神の使者じゃないか? その…エルフはな、不味いだろう?」

「そこをどうにかして欲しいんだよ! 親友、マブダチ、兄弟…なぁ、リヒトどうにかしてくれ!」

「解ったよ…どうにか頑張ってみるけど、期待はしないでくれ!あと手元に置けるようにはするが『側室』は難しいかも知れない…まぁ頑張るよ」

「頼んだ」

しかし、すっかり別人だな。

「それじゃ、色々話をして後でまたくるよ」

「期待しているぞ!」

「ああ」

やるしか無いか。

◆◆◆

娼館の主に話をしに行った。

買うにしてもまずは幾らか聞かなくちゃならない。

エルフは奴隷にしても凄く高価だ。

どの位になるのか?

それに看板娘とも言える嬢だ絶対高価に違いない。

「身請けでございますか? そうですな…1人金貨100枚で如何でしょうか?」

金貨100枚…エルフにしては異常に安い。

そう言えば、先日も貸切る位なら『身請け』した方が…そう言われていたな。

「随分とエルフにしては安い気がしますが、理由を聞かせて貰えませんか?」

「エルフは外見には出ませんが、3人とも高齢で一番若いティアでも年齢にして250歳位です。尤もエルフは300年以上生き続けるから、寿命という意味では問題はありません。ですが、私の祖父の代からこの娼館に居ますから、ある意味家族と同じ位長い付き合いなんです。その状態ですから『信頼のある方』に身請けして欲しいと思っていたんですよ」

「そうなのですか?」

「はい、3人も勇者様を気にいったみたいで精神誠意尽くしたみたいです…それに夜の生活の方はエルフの秘薬から長年培われたテクニックで大変頑張ったそうですよ。彼女達にしても、流石に娼館でこんな長い生活を送られてはもう帰る場所も無いから、必死だったと思います」

そんな長い年月娼婦をやっていたエルフが秘薬迄使ったんじゃ、童貞の田舎者なんて簡単に篭絡されてしまうな。

「それでは、3人からは身請けには反対は無いのですか?」

「はい、それは、それは乗り気ですから問題はありません!こちらとしても大賛成です」

「それなら問題は無いですね、前向きに考えてみます」

「宜しくお願い致します」

あとは教会の説得だけか...





しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

処理中です...