17 / 38
第17話 ミニスカートと白馬の馬車
しおりを挟む「リタ…ミニスカートを履くなんて久しぶりじゃない? どうしたの?」
「それってリタの勝負服じゃ無いのか?」
「最近、リヒトって色々頑張ってくれているじゃない…それに私の事、好きみたいだし…少しはね」
「そう言われてみたらそうね、そう言えば今日は豪華な夕食を食べに行くんだっけ、私も少し位お洒落した方が良いかな」
「…」
「言われてみたらそうだな、うん少しはお洒落してみるかな?」
「二人は無理してお洒落なんてしなくて良いんじゃないかな? 充分綺麗だし…ちょっと豪華なご飯なら普段着で良いんじゃない」
大体、マリアはスレンダー系でスタイルが良いし、エルザは胸が大きいんだから…そのままで良いよ。
私の自慢は『この足しかない』から折角ミニスカート履くんだからね。
「それもそうね、幾ら豪華って言ってもそこ迄畏まる必要は無いか」
「それじゃ、なんでリタは、そんなにお洒落な恰好をしようとしているのかな?」
そう、聞いてくるよね。
「そうね、ほら、さっきも言ったけど? 最近リヒトかなり頑張ってくれているから…そう、これはね、そうご褒美よ! ご褒美! 私の事、可愛くて綺麗なんて言われたら、少しくらいはね…その、ねね」
「そう言えば、リヒト顔を赤くしながら言っていたわね。言われてみれば幼馴染だし『世界一の美少女に見える』とまで言われたら、恋愛は無理でも、そうね、うん決めた私もお洒落して見ようかな」
「確かに男女で飯を食うんだ、恋人で無くても少しは着飾るな…リタありがとう…」
「…どう致しまして」
失敗した…もっと時間が近くなってから用意するんだったよ。
2人も着飾るなら…意味ないじゃん。
◆◆◆
「お待たせ、皆!」
「え~とリヒトこれなに?」
「凄い馬車…白馬に白塗りの馬車なんて、まるで貴族みたい」
「どうしたんだ、これ」
「今日は豪華な食事をするって言っただろう?折角だから御者事借りてきたんだ、なかなか良いだろう?」
俺が御者をしても良いが、それだと話が出来ないから御者も手配した。
これから行く所はこれ位しても可笑しくないからな。
「それじゃ、手を出して…」
「「「はい」」
おずおずとリタが手を出してきた。
俺はその手を優しく掴み馬車へとエスコートした。
マリアもエルザにも同じように手を貸して馬車にエスコートした。
「それじゃお願い致します」
「はい」
馬車は静かに走り始める。
「それで、リヒトこんな凄い馬車に乗って何処に行くのかな?」
「本当に何処に行く気なの…こんな凄い馬車に乗っていく場所なんて、思いつかないよ」
「遠くに行くのか?」
「そう、遠くでも無いかな? これから行くのは王国ホテルだよ、豪華なディナーと言えば此処だろう。偶にはコースで食べよう」
「あの…王国ホテルと言えばこの国で一番高価なホテルじゃない、それにディナーは元宮廷料理人が作るっていう話じゃなかった」
「確か、予約は3か月待ちって聞いていた気がするけど…」
「揶揄っているんだよな、流石にこれは無い」
確かに普通は3か月どころか6か月待ちの状態だ。
これは例え大貴族でも例外ではなく待たされる。
だが、俺には『そんなの関係ない』
だって俺は『勇者パーティ』で食事をするのは『聖女』『賢者』『剣聖』なんだから…
まぁ、最初はかなりグズっていたが、通信水晶越しにロマーニ教皇と変わったら一発だった。
勇者>>>>>>>聖女位差はあるが『聖女』だって教会は好きなんだ。
教皇に『聖女様が食事出来ないホテルなら、関係者は全員破門するかも知れませんね』と言われ、震えながら俺に『何時でも使って下さい』
と青ざめて言って来た。
王ですら逆らえない教皇に怒られたら…こうなるよな。
「それなら、一生懸命頼んだんだよ…そうしたら特別に良いってさぁ…今日は食事を堪能しよう」
「本当に? 本当に王国ホテルで食事が出来るの?」
「さすがリヒト、本様に凄いね! どうもありがとう、まさか王国ホテルで食事ができるなんて思わなかったよ」
「すごいな…本当に凄い」
「あははっ、褒めるのは食事が終わってからにしてよ…まだ馬車の中なんだから」
食べる前からこんなに喜んでくれるなら、無理して良かった。
◆◆◆
「いらっしゃいませ、聖女マリア様、賢者リタ様、剣聖エルザ様にリヒト様」
「リリリ…リヒトこれ?!なに…ねぇどうしたらこうなるの」
「リヒト本当に凄いね、これもサプライズなのかな?」
「これは凄いな…壮観だ」
脅しすぎたのかも知れない。
オーナーを含む職員40人位跪いて待っていた。
だが、此処で怖気づいたら折角のサプライズが無駄になる。
「確かに少し驚いたけど…これ位当たり前だよ! だって3人はどんな王女様より綺麗な俺の自慢の幼馴染なのだから! さぁ行こう!」
「「「リヒト」」」
気のせいか3人の頬が少し赤くなった様に見える。
こんな顔が見れるからサプライズは止められない。
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説



今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた
こばやん2号
ファンタジー
とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。
気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。
しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。
そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。
※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる