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第8話 サプライズ ガイアSIDE
しおりを挟む「さぁ、此奴が皆の憧れ!勇者ガイアだぁぁぁぁーっ! 連れてきてやったぞーー!皆、盛り上がろうぜーーーっ」
「リヒト、これは一体なんだ…なぁ」
「はぁ?!此処は見ての通りの高級娼館カティだよ! ガイア」
「「「「「カティへようこそ」」」」」
本当は、もうワンクッション置きたかった。
だが、異世界には日本みたいにキャバクラみたいな物は無かった。
日本が如何に水商売、風俗天国が良く解った。
どうやら『異世界では女性と話すだけでお金を払う』なんて商売は成立しないみたいだ。
それとなく、情報を仕入れて見つけたのが『娼館』『ストリップバー(連れ出しOK)』『コールガール』こんなのしか無かった。
サロンはあるにはあるが半分社交界みたいな感じで、遊びというよりは知的な大人が会話を楽しむ場所だった。
まぁそこで仲良くなって男女交際はありだが。
俺は前世で言う『キャバクラ』にガイアを連れてきたかったが…無い物は仕方が無い。
尤も、此処は『高級娼館 カティ』は高級なだけあってヤルだけじゃない。
女の子とお酒や会話を楽しみ…気に入った子とお金を払い施設の上で楽しむ事も出来るし…同じくお金を払って連れ出す事も出来る。
お楽しみは勿論…アレだ。
ある意味、ヤル事が出来るキャバクラが近いかも知れない。
「リヒト、これは不味い、俺はこれでも勇者だ、問題になるから出よう…なぁ」
「なに馬鹿言っているんだ! 溜まっているんだろう? ここは美女と会話してついでに抜いて貰えよな!」
俺は前世の大沼部長を思い出し、ガイアのシンボルを掴んだ。
「なっなっ…リヒト、お前」
「俺がガイアに迷惑が掛かる事をするかよ! こう言う高級娼館なら口が堅いから大丈夫だ! しかも今夜はガイアで貸し切りだからぜーったいにバレないから安心しろよ! 親友だろう? 俺を信じろ」
「本当か? 本当に大丈夫なんだな」
「ガイア様、ご安心下さい。当娼館は高級で通っているカティでございます。沢山の貴族様をはじめ豪商の方や教会関係の方もご利用しております…勿論、皆口が堅く此処での楽しみは一切口外しません。今回は貸し切りですが、此処で会った人間について語るのはお客様同士でも法度とさせて頂いております」
「なぁ、高級娼館なら安心だ…ほら行こうぜ」
「なぁ、リヒト一つ聞きたいが何故俺を此処に連れてきたんだ…俺はお前を」
「友達だからな…それと接待だ」
「友達?! 接待?!」
驚いた顔をしているな。
「幼馴染にかまけてガイアが勇者だと言う事を忘れていたんだ…勇者が相手だ、接待位させろよ」
「そうか、まぁ良いや、安全なら言葉に甘えさせて貰うよ」
「そうそう、楽しもうぜ」
前世の頃は正にバブル。
この位の接待はあの時代は当たり前だった。
普通にヘネシーにマーテル、接待し、接待されるを繰り返す毎日。
その世界にガイアを引き込む。
これがスタートだ。
◆◆◆
「リヒト、凄い美人ばかりだな...本当にキレイだ」
勇者、聖女、賢者に剣聖…そうは呼ばれても元は『村人』だ。
簡単に言えば所詮は田舎者。
思い出すなぁ…田舎から出て来て、見た東京は正に夢の街だった。
都会の女が皆、綺麗に見えていたな。
「そりゃ、高級娼館だからな! それでガイアはやっぱりエルフか?エルフが良いんだよな?」
ガイアはガキの頃、エルフに憧れていた。
今はどうだ…
「エルフが居るのか?」
「勿論! それじゃ俺がガイアの好みを伝えて指名してやるよ…えーと…すみません」
流石に前世と勝手が違う。
呼び方が解らないな…
「はい、今参ります」
『お金は気にしなくて良いから、店に居るエルフにダークエルフを全てガイアの傍に頼む…俺はそうだなお茶引いてそうな子で良いや』
ガイアに聞こえないように小さな声で話す。
『そうですね、今この店にはエルフの子が2人にダークエルフの子が1人居ますが…彼女達の指名料は高いですよ』
『構わないよ…教会払いできるよな』
これが出来るなら青天井のカードを持っている様な物、お金なんて湯水の如く使える。
『出来ますけど良いんですか?』
『構わない…勿論、お金を使えば最後までいけるんだろう?』
『娼館ですから勿論可能です。その場合は花代として幾ばくかお金が掛かりますが』
『了解した』
「何を話しているんだ?」
「いや、この店にはエルフが2人にダークエルフが1人居るそうだ…全員つけて貰ったからな…」
「本当か?」
「勿論」
席に通されお酒を飲む。
「早く来ないかな」
こう言う所はこの世界も前の世界も同じだな。
俺も前世ではキャバクラに初めて行った時、風俗に初めて行った時…確かに緊張した。
「まぁ落ち着けガイア…直ぐに来るさ」
「ああっ、そうだな」
なんだ、少し震えているのか…案外初心なんだな。
「初めましてティアです」
「ラルムです」
「ラクリアです」
流石にエルフだけあって綺麗だ。
「コルマです…」
流石は高級娼館、お茶を引く様な子でもそこそこ可愛い。
「それじゃ、ティアちゃん達はガイアについてくれるかな? ガイアは勇者だから、そのつもりで接してくれ、それじゃコルマちゃんは悪いけどこっちで…それじゃガイア頑張れ」
「おい、リヒト…」
なんだ…焦った顔しているな…
「良いから、楽しめよ、自由に会話を楽しめよ! ガイアは勇者なんだ、その話をするだけで良いんだ…頑張れよ」
此処は娼館だ。
此方はお客なんだから、普通に話して居れば勝手に盛り上げてくれるさ。
◆◆◆
「それでな、村の自警団が死に掛けていた時に、俺が走って駆けつけたんだ…目の前には見渡す程のオークの群れが…だが俺は勇者だから…」
「流石、勇者様ですね、カッコ良いです」
「ガイア様、本当に凄いです!」
「凄いですね、そんな沢山のオークを相手に」
どうやら話が弾んでいるようだな…
そろそろだ…
「ガイアちょっと…」
「なんだ、リヒト今良い所なんだよ」
「良いから…」
「解ったよ、仕方ねーな」
全くガイアは…
◆◆◆
「それでガイアは三人のうち誰が好みなんだ」
「好みって? 三人とも好みだな。あんな綺麗な女の子見た事無い。エルフにダークエルフだぞ…スゲーよ、本当に」
確かに綺麗だけど、エルフって貧乳なんだよな。
ダークエルフはそうでもないって聞いたけどラクリアちゃんはかなり小ぶりだ。
「そうじゃ無くて、ガイアは一体誰とヤルんだよ!」
「ヤル?」
「良いかガイア、此処は娼館だ。そう言う事をする場所だよ。そうだなこの時間から連れ込み宿を探すのもなんだから泊って行くと良いよ…それで一体誰とヤリたいんだ」
「流石に俺は勇者だ不味いだろう?」
「大丈夫だ! 高級娼館は口は堅いから大丈夫だ! それに確認したら避妊紋を刻んであるから、そっちも問題ないよ…エルフ…ヤリたいよな…」
「全員綺麗で仲良くしてくれたんだ、決められない」
そりゃ商売だからな。
チヤホヤするさ…
「それじゃ、仕方ないな!三人全員に相手して貰え…店員さん、三人とオールナイトコースで頼むよ! ティアちゃん達ガイアを宜しくな」
「「「は~い」」」
「おい、リヒト、本当に良いのか? おい…あれってアレだよな…こんな可愛い子が…」
「良いんじゃないか?村に居たら婚約者とヤリまくっていても可笑しくない歳なんだからな、頑張れよ」
ティア達に腕を引かれ、ガイアは2階へと消えて行った。
しかし、ガイアの初体験は4Pか…
童貞喪失が4P、流石ガイア勇者だな。
「それじゃコルマちゃん、俺は帰るから」
俺は教会払いの書類に『勇者接待』と記入し、内訳をプラスして書いてサインをした後娼館を後にした。
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