勇者パーティを追放されかけた魔法剣士は、昭和バブルの夢を見るか?

石のやっさん

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第4話 変わる②

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「一体、これはどう言う事だ?」

「この料理…凄いわね」

「凄い…」

「凄いじゃ無いか」

何か行動するなら此処だ。

驚かせたサプライズの後に交渉する。

これが俺が居た時代の交渉術だ。

相手が何か言う前に土下座だ。

俺はすぐに頭を地に付けて謝った。

「皆…すまなかった。この通りだ許してくれ」

「お、おいどうしたんだよ一体、どうしたんだ」

「さっきからどうしたのよ。可笑しいわよ」

「なにか失敗したの?」

「何をしたか解らないけど、土下座まですることは無いよ」

「いや、今迄俺の態度が悪かった、この通り許して欲しい。追放という話も今考えれば良く解る。確かに勇者様に聖女様に剣聖様に賢者様…『様』をつけて敬う存在なのに、幼馴染にかまけて蔑ろにしてきた…皆が怒るのも当たり前だ…これからは態度を改めるから、少しだけ猶予を貰えないかな…頼むよ」

俺には落ち度が無い。

落ち度が無いにも関わらず、此処迄謝られたら…

普通の神経の人間だったら追い出したり出来ないだろう。

「おいやめろよ! お前は別に悪くない…ただ実力が届いてないだけだ…な、良いから」

「別にリヒトは悪くないよ…だけど力が届かないんだから仕方ないじゃない! こんな事されても困るだけだよ」

「そうだよ、止めてよ」

「別にリヒトは悪くない!剣聖のあたしから見たら実力が届いてないんだ…諦めてくれ」

違うよな。

確かに俺は4人に届いて無いが、それでも『魔法戦士』他にだれがお前等について行けるって言うんだよ!

ハーレムパーティが欲しいだけだろうが?

だが、それを言っても仕方が無い。

だが、此奴らが気がついていない盲点がある。

「皆、それなら『従者』はどうするのですか? 勇者様に聖女様に賢者様に剣聖様に従者が居ないなんて可笑しいですよ?」

「「「「従者?!」」」」

「はい?!ご自身の立場を考えて下さい。その身分なら従者は必要ですよ?今だって宿の手配から報告書の作成を全部俺がやっている状態です…追放なら諦めるしかありませんが…その場合は教会かアカデミーもしくは国から2名位派遣して貰うしかありません」

「それはリヒトを追放したら、別の誰かが来る。そう言う事か?」

「誰かが派遣されてくる…そう言う事?」

「それなら意味ないじゃない」

「誰かが来るのか」

これは俺のブラフだが『筋は通っている筈だ』

「当たり前じゃないですか?俺は『魔法戦士』だから狩の場にも居られるし重宝だと思うけど…どうだろうか?」

「そうだな、誰かが代わりに来るなら、まだリヒトの方が良い『追放』は無しで良いぜ」

「そうね…今迄通りで良いわ」

「うん、そうだね」

「私も同じだ」

「ありがとうございます…誠心誠意頑張ります」

こうして俺は追放を免れた。

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