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第3話 変わる
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ガイア達が居ないから一瞬置いて行かれたと思っていたがどうやら違うようだ。
さっきまでガイア達の話す声が聞こえていた。
恐らくは意識を失った俺を宿に運び込んで手当がされた状態なのだろう。
そして近くの部屋をとり…今は遅い時間だから彼らも眠った。
そんな所だろうな。
今後どうするか?
まずは謝罪だな。
土下座でもなんでもして許しを請う。
そこからスタートだ。
その後は『幼馴染だから』その甘い考えを捨てて、新しい態度で接する事から始めよう。
幸い、俺は支援金が何処からも出ない分、自分で稼ぐ事ができる。
それに、少しは蓄えもある。
取敢えずは…必要な物を手に入れる為にお店をたたき起こして…調達からだな。
◆◆◆
流行に沿った綺麗な服。
男用の簡単なお手入れ道具。
香草
調理器具一式。
食材 等々
昨日のうちに揃えた。
無精ひげを全部剃り、髪は綺麗に切りそろえた。
水浴びをして更に香草から作ったコロンを全身に振りかける。
買ってきた服に着替える…流石に物が無いから完全ではないがこれで前世のお洒落だった自分にかなり近づけた様な気がする。
この世界の宿には自炊ができるようにキッチンがついている。
朝食でも作ろう。
チキンを香草と調味料で人数分ソテーする。
そして、前世で得意だったカルボナーラに近いパスタもどきを再現。
そこに、チキンをベースにだしを取ったスープをつけ。
サラダも忘れずに…と。
パンを添えれば…リヒト特製モーニングの出来あがりだ。
これは前世で俺が作っていた料理だ。
この世界に比べてかなり豪華な朝食だ。
きっと喜んでくれる筈だ。
◆◆◆
トントントン
「朝食ができましたよ」
隣の部屋をノックして声を掛けた。
「どうしたの…朝から…えっリヒト?!」
「おはようございます。マリア様、昨日はご迷惑をお掛けいたしました…朝食を作りましたので、皆を呼んできて頂けますでしょうか?」
「マリア様?!」
「はい、他の方の部屋も解れば私が行くのですが…なにぶん解りませんのでお願い出来ますか?」
「それは構わないけど…マリア様って…どうしたの?」
「後で正式に謝罪しますが。幼馴染という事に甘え…気高く女神に仕える聖女のマリア様を蔑ろにしていた事に気が付いたんです。きっと傲慢な俺に女神様が罰を与えたのが昨日の頭痛だったのかも知れません…仲間なんかじゃなく仕えるだけで幸せな存在だったのに…もう手遅れかも知れませんが、出来ることなら改めますから、もう少しお傍にいさせて貰えませんか?」
「ちょっとリヒト…」
「それでは失礼しますね…綺麗で可憐なマリア様」
「リヒト…」
驚いている…驚いている。
勇者パーティとはいえ、少し前まで只の村娘。
聖女にならなければマリアは畑仕事をしていた筈だ。
しかも今だって支援こそあるが勇者パーティは旅から旅。
『こう言った事に免疫は無い』
まずは『驚かせた』此処からだ…
さっきまでガイア達の話す声が聞こえていた。
恐らくは意識を失った俺を宿に運び込んで手当がされた状態なのだろう。
そして近くの部屋をとり…今は遅い時間だから彼らも眠った。
そんな所だろうな。
今後どうするか?
まずは謝罪だな。
土下座でもなんでもして許しを請う。
そこからスタートだ。
その後は『幼馴染だから』その甘い考えを捨てて、新しい態度で接する事から始めよう。
幸い、俺は支援金が何処からも出ない分、自分で稼ぐ事ができる。
それに、少しは蓄えもある。
取敢えずは…必要な物を手に入れる為にお店をたたき起こして…調達からだな。
◆◆◆
流行に沿った綺麗な服。
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香草
調理器具一式。
食材 等々
昨日のうちに揃えた。
無精ひげを全部剃り、髪は綺麗に切りそろえた。
水浴びをして更に香草から作ったコロンを全身に振りかける。
買ってきた服に着替える…流石に物が無いから完全ではないがこれで前世のお洒落だった自分にかなり近づけた様な気がする。
この世界の宿には自炊ができるようにキッチンがついている。
朝食でも作ろう。
チキンを香草と調味料で人数分ソテーする。
そして、前世で得意だったカルボナーラに近いパスタもどきを再現。
そこに、チキンをベースにだしを取ったスープをつけ。
サラダも忘れずに…と。
パンを添えれば…リヒト特製モーニングの出来あがりだ。
これは前世で俺が作っていた料理だ。
この世界に比べてかなり豪華な朝食だ。
きっと喜んでくれる筈だ。
◆◆◆
トントントン
「朝食ができましたよ」
隣の部屋をノックして声を掛けた。
「どうしたの…朝から…えっリヒト?!」
「おはようございます。マリア様、昨日はご迷惑をお掛けいたしました…朝食を作りましたので、皆を呼んできて頂けますでしょうか?」
「マリア様?!」
「はい、他の方の部屋も解れば私が行くのですが…なにぶん解りませんのでお願い出来ますか?」
「それは構わないけど…マリア様って…どうしたの?」
「後で正式に謝罪しますが。幼馴染という事に甘え…気高く女神に仕える聖女のマリア様を蔑ろにしていた事に気が付いたんです。きっと傲慢な俺に女神様が罰を与えたのが昨日の頭痛だったのかも知れません…仲間なんかじゃなく仕えるだけで幸せな存在だったのに…もう手遅れかも知れませんが、出来ることなら改めますから、もう少しお傍にいさせて貰えませんか?」
「ちょっとリヒト…」
「それでは失礼しますね…綺麗で可憐なマリア様」
「リヒト…」
驚いている…驚いている。
勇者パーティとはいえ、少し前まで只の村娘。
聖女にならなければマリアは畑仕事をしていた筈だ。
しかも今だって支援こそあるが勇者パーティは旅から旅。
『こう言った事に免疫は無い』
まずは『驚かせた』此処からだ…
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