悪徳貴族になろうとしたが

石のやっさん

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怒りと憎しみの中で

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どうやっても勝てそうに無い。

俺には戦う気は無かった。

だが、襲い掛かってくる以上はやるしか無いだろう。

俺はスカルの話を聞いて、自分の中では中立になるべきかどうか考えていた。

だから戦う気は無かった。

少なくとも、魔王と話が終わるまでは...

だが、さっき聞いてしまった。

軍神トールが言っていた「だから勇者が弱いのか」と。

この話だと、トールは勇者と戦った事がある。

そして、魔王に戦いを挑んで生還した勇者は暫くは居ない。

つまり、そこから考えられる話は、かなり前から《勇者は武神と堕天使》に殺されている。

こんな酷い話は無い。

本当の敵は魔王では無い。

四天王のうちのの2人...こいつ等だ。

天使の姿になった。


「それが貴方の本当の姿なのね、少しはやれそうじゃない? トールは手を出さないで」

「俺も戦いたいが仕方ない、お前に譲るとしよう」

「さぁ、天使の戦い方を教えてあげるわ、天使長とただの天使の格の差を教えてあげるわ」

俺は羽を広げて飛び上がる。

天使の戦い方等は知らない。

だから、どう戦うかなんて知らない。

経験が圧倒的に不足している。

何千、もしかしたら何万年も生きている天使、その頂点の天使長とどう戦えば良いんだ。

知っている知識の中でやるしかない。

聖剣シルビアンを抜き斬りかかった。


「馬鹿ね、私は堕天使になったとはいえ、天使の力もあるのよ聖剣で斬れると思っているの?」


確かにそうだ、だが此処まで来たらやるしかない。


聖剣を突き刺す様に前にだした...だが


「嘘だろう...こんな事って」

「何もしなくても、聖剣が私を避けてくれるのよ、驚いたかしら? 魔王や魔族なら兎も角、天使が聖剣で斬れる訳ないわ」

俺の渾身の剣戟が自分からラファェルを避けた。

「それじゃ、聖剣の攻撃が...」

「あたる訳ないわ? だって私は「元」天使ですもの!」

不味いな、これ...仕方ない。

俺は聖剣を捨てて素手で殴り掛かる。

だが、それはあっさり躱された。

完全にスピードが違う、俺の動きが1だとすれば、相手の動きは数倍速い。

芋虫と蜂位の差があるような気がする。

「ぐはっ」

ただ殴られただけで、凄まじい衝撃が走った。

多分、胸骨が折れて内臓に突き刺さった様な気がする。

「あーあっ汚いわね、血がついちゃったじゃない...本当に腹がたつ」

駄目だ、なすすべも無い。

幾ら殴り掛かろうが、かすりもしない。

ラファエルは何処からか杖を取り出しそれで殴ってきた。

躱さなくちゃ殺られる。

スピードを出して逃げようとしたが、そのまま杖が当たり羽がもげて宙に舞った。

そのまま地面に落ちていく。


「あーあー詰まらないわね、天使だから少しは手ごたいがあるかと思えば、何これ、もしかして貴方、本当にイストリアの眷属か何か、あの出来損ないの女神の天使だから弱いのね」


イストリア様の眷属...多分俺は違う。

信仰という意味でいうなら、ホワイトや教皇程信仰していない。

だから絶対に違う。

だったら俺は...何者なんだ?


「くっ」


「流石に天使でも羽を斬られたら痛いでしょう...特に出来損ないの貴方じゃね」

「くそっ」

「もう只のオモチャ、もう空も飛べない...遊び飽きたから、トールにあげるわ」

俺は杖で殴られ、そのままトール近くの地べたに投げ捨てられた。

そのまま体が地面にめり込んだ。

「グ八ッ...」

駄目だ、もう...


「ほう、俺もここ暫く退屈していたんだ」

まさか、今度は此奴が相手に...

このままでは、俺は終わる。

立ち上がったが、そこにトールの渾身の一撃が放たれた。


俺の体は鞠のように跳ね転がっていった。

クソクソクソ...今ので腰の骨でも折ったのか痛くて立ち上がれない。

「ハァハァ...ぜぃぜぃ」


「最早口も聞けんのか?」

そう言いトールは残されたもう一枚の翼をもぎ取った。

「グワアアアアアアッ」


思わず痛みで転がりまわる。

羽を千切られるのが、こんなに痛いと思わなかった。


「こんな物じゃ満足できないな、ほらよ」

とてつもない連打が俺を襲った。

そのまま地面に深く埋め込まれた。

顔の形は元の姿が解らなくなるほど腫れあがり、手足は考えらえない方向に曲がってしまっている。


「天使はそう簡単に殺せないから面倒だな」

「よく考えたら、天使って死なないのよね...めんどくさいな本当」

「捨ててきてくれ、もう二度と魔王城に来るんじゃねぇ」


トールに仕える魔族に抱えられて、ルディウスは魔王城の奈落へと捨てられた。




【奈落の底】


覚えていろ...必ずお前等に...この仕返しをしてやる。

俺は...武神と戦った事もある...堕天使ともな...なんだこれは...こんな記憶..俺は知らない。


憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す憎い殺す

次は油断しない、魔族は全部敵だ...覚えておけ。

怒りと憎しみのなかルディウスは意識を手放した。
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