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魔王城へ

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う~ん困ったな。

俺はもうこれからどうして良いのか解らない。

最初に会ったのが、ダークエルフ。

次に会ったのはサキュバス。

明かに攻撃してくれば反撃もするが、どう見ても好意的にしか思えない。

大体、体を合わせてしまった相手を殺せるのか...出来ないだろう。

今ならスカルが言った事も少し解る。

この様に意思の疎通が出来る相手なんだから、戦うより話し合いをした方が良いんじゃないかな。


今現在、魔族領を歩いているのだが、シャインやアイラのお陰で何も揉めない。

「その連れている人がもしかしたら、天使かい」

「そうよ」


「そうか、魔王様の所に行くんだな、丁重にな」

「解っているわよ」


こんなノリだ。

確かに相手は魔族だが、敵だからと襲ってくる事も無い。

姿形が違う以外は殆ど人間と変わらない。


これは凄く戦いずらいな。

ちなみに、シャインやアイラの話では意思疎通が出来ない者が魔物で、意思疎通が出来る者が魔族らしい。

だから、ゴブリンやオークは魔物らしい。

稀にダークエルフやサキュバスも被害に遭うらしい。

逆にオーガはちゃんと意思疎通が出来て集落をつくり生活している。

確かに、この世界の魔族との戦いではオーガは加わっていたがゴブリンやオークは加わっていなかった気がする。

そう考えるなら、魔族とは戦争だから殺し合いをするが、戦争が関係ないなら、幾つかの種族だけ気をつければ良くなる。


「どうかされましたか?」

「こうして歩いていると、姿形は違うが、人間とそう大差ないなと思ってさぁ」

「確かにそうですね、エルフは基本的に森で暮らしますが、大昔は普通に人間と交流があり、婚姻を結ぶ者も居たと聴きました」

「そうか」

この辺りの情報は前の世界と変わらないな。

最初はハニートラップかと思ったがそうでは無そうだ。

両種族とも「歓迎」と言っていた。

そう考えれば、本当に俺には敵対しないのかも知れない。


「大体、サキュバスだって本来は人間と共存共栄している種族ですよ、もし人間が完全に滅んでしまったら、食料が無く困るのは私達ですから」

確かにそうだ...うん待てよ?

「それじゃ、今はどうやってその...食料を手に入れているんだ」

「買ってます...普通に奴隷を購入してます、まぁ人間に成りすまして購入して」

「まさか殺したりはしてないよな」

「まぁしませんよ...まぁ思いっきり精を搾り取って、飽きたらちゃんと記憶を消して人間の敷地に返して来てます」

まぁ、普通に性処理奴隷を買った扱いと変わらないな。


そうこう歩いているうちに魔王城についた。

見た瞬間に解る...今の俺ならどうにか出来るが、勇者じゃ無理だな。

大きな城から無数の気が感じられる。

「此処が魔王城です」


これからどうするか、相手の出方次第だ。





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