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王妃と王女
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「無礼者、王妃と王女の話中に踏み込んでくるとは何事ですか?」
「お母さま...」
「王女であるテレジアも怯えていますよ、この責任は」
「御恐れながら、マリアーヌ元王妃、我々は聖騎士です、今回は破門絡みなので貴方の話を聞く必要はありません」
「元王妃? 破門絡み? どういう事ですか?」
部屋には10人からの聖騎士が踏み込んで来ていた。
「国王であるアレフ4世が、勇者ルディウス様の母親とその故郷を滅ぼした、ゆえに教会を《破門》になった」
何を言っているのか解らなかった。
ルディウスとは勘違いで無ければ、勇者と剣聖を殺した少年の筈。
勇者達から決闘をけしかけられて、正々堂々戦いを挑み倒した貴族の少年の筈。
だが、私達はプレッシャーに負けて彼を罰しました
作法に則った決闘の勝者に罰を与えてしまったのです。
しかも、王国の為に戦い帝国を退けた英雄の妻で自らも戦争に出て戦ったアマンダをも無惨に処刑したと聞きました。
たしかに恥知らずな行い...ですが、言ってしまえば《貴族》の事で何故教会が出張ってくるのですか?
「確かに恥知らずな行動です、ですが王国内の事で何故、聖教国が聖騎士が出張ってくるのですか? 内政干渉です、確かに過ちは認めますが一国の王を破門する程の事ではありません、たかが一貴族の事です」
「貴方は何を聞いていたのですか? 一貴族? 貴方こそ無礼ですよ、ルディウス様こそは真の勇者、教皇様ですらひれ伏す存在、その母親に手を掛け、無実の罪で故郷の者を殺した、勇者の身内に手を掛けた、これの何処が内政干渉なのでしょうか? 既に 王は破門済みです、勿論妻や子供である以上貴方達にもそれ相応の罪を償って貰います」
「そんな、私は知りませんでした」
「娘は娘だけは赦して貰えませんか」
「無理です、まずは王妃、貴方には3つの罪の償い方があります」
「その3つとは、何でしょうか?」
「1つは王と同じ様に破門、二つ目は死罪、三つめはルディウス様の奴隷になり尽くす事です」
「なら、私は辱めを受けて迄生きていたくありません、死罪を望みます」
「それで宜しいのですかな? よく考えて下さい、同じような話は嫁いだ第一王女、第二王女、そして貴方の傍に居る、その第三王女にもします、死んで楽になるのは良いですが、それは何の償いにもなりません、生きて償う道を選んだ者に全てを押し付けた事になりますが宜しいのですか...母親としてそれは正しい道なのですかな」
「ううっ...それは解りました奴隷として生きる道を選びます」
「そうですか、ならばテレジア元王女はどうしますかな? 貴方の場合も同じですが、貴方はまだ未貫通ですから奴隷ではなく側室の話もあるやも知れませんよ」
「ちょっと待ちなさい、この子は王女なのです、側室ではなく正室に成れる筈です」
「今やテレジアは王女で無く破門された者の娘です、側室に成れるチャンスが貰えるだけありがたいと思った方が良いかと思いますよ」
「そんな...」
本来なら王女、勇者とはいえ正室に慣れる筈なのに...それが側室、側室なんて愛人みたいな者だわ、私の娘が...貴方恨みますよ、貴方がこの子の未来を摘んでしまった。
「お母さま」
「大丈夫よ、お母さまが貴方にはついていますからね」
まだ、マリアーヌは知らない...嫁いだ二人の王女、長女フランソワーズに次女エレノワールも強制的に婚姻を解消させられ自分と同じ様に奴隷になる運命にある事を。
【王国騎士団、鳳翼の翼】
「王を送っていった騎士団長を始め、その仲間が帰って来ません」
「そりゃそうでしょうね、あの方たちは家族が居ません、そのまま、きっと野党か山賊にでも成り下がるのでしょうね」
「副団長、それでは私達は、その死刑でしょうか?」
「まぁ家族の居る我々は逃げられませんよ、逃げたら家族に咎がいきます」
「まぁ私も妻や娘が咎人になるのをこの命一つですむのなら喜んで死にますよ」
「私も、その覚悟はしていたのですが...どうやらお咎めがない様です」
「副団長、それはどうしてでしょうか?」
「どうやら、暫くの間、此処は教会が統治した後、正式に勇者ルディウス様の物になる様だ」
「だからですか?」
「直接、手を下した者以外は罪を問わない、その代わり勇者に忠誠をと言う事だ」
「騎士とは忠誠を誓う者、その相手が変わっただけだ」
「だが、あいつ等は...」
「死刑は免れられぬな」
「王付きの騎士団、黒曜の剣...」
「王の信任厚く、その忠誠は国でなく王に捧げる」
「今となっては、死ぬしかありませんな」
結局、鳳翼の翼が騎士団長を含む数人しか処罰されなかったの対し黒曜の剣は全員が家族共々処刑された。
聖騎士に処分された彼らの首は街の広場に10日間見せしめの為晒された。
「お母さま...」
「王女であるテレジアも怯えていますよ、この責任は」
「御恐れながら、マリアーヌ元王妃、我々は聖騎士です、今回は破門絡みなので貴方の話を聞く必要はありません」
「元王妃? 破門絡み? どういう事ですか?」
部屋には10人からの聖騎士が踏み込んで来ていた。
「国王であるアレフ4世が、勇者ルディウス様の母親とその故郷を滅ぼした、ゆえに教会を《破門》になった」
何を言っているのか解らなかった。
ルディウスとは勘違いで無ければ、勇者と剣聖を殺した少年の筈。
勇者達から決闘をけしかけられて、正々堂々戦いを挑み倒した貴族の少年の筈。
だが、私達はプレッシャーに負けて彼を罰しました
作法に則った決闘の勝者に罰を与えてしまったのです。
しかも、王国の為に戦い帝国を退けた英雄の妻で自らも戦争に出て戦ったアマンダをも無惨に処刑したと聞きました。
たしかに恥知らずな行い...ですが、言ってしまえば《貴族》の事で何故教会が出張ってくるのですか?
「確かに恥知らずな行動です、ですが王国内の事で何故、聖教国が聖騎士が出張ってくるのですか? 内政干渉です、確かに過ちは認めますが一国の王を破門する程の事ではありません、たかが一貴族の事です」
「貴方は何を聞いていたのですか? 一貴族? 貴方こそ無礼ですよ、ルディウス様こそは真の勇者、教皇様ですらひれ伏す存在、その母親に手を掛け、無実の罪で故郷の者を殺した、勇者の身内に手を掛けた、これの何処が内政干渉なのでしょうか? 既に 王は破門済みです、勿論妻や子供である以上貴方達にもそれ相応の罪を償って貰います」
「そんな、私は知りませんでした」
「娘は娘だけは赦して貰えませんか」
「無理です、まずは王妃、貴方には3つの罪の償い方があります」
「その3つとは、何でしょうか?」
「1つは王と同じ様に破門、二つ目は死罪、三つめはルディウス様の奴隷になり尽くす事です」
「なら、私は辱めを受けて迄生きていたくありません、死罪を望みます」
「それで宜しいのですかな? よく考えて下さい、同じような話は嫁いだ第一王女、第二王女、そして貴方の傍に居る、その第三王女にもします、死んで楽になるのは良いですが、それは何の償いにもなりません、生きて償う道を選んだ者に全てを押し付けた事になりますが宜しいのですか...母親としてそれは正しい道なのですかな」
「ううっ...それは解りました奴隷として生きる道を選びます」
「そうですか、ならばテレジア元王女はどうしますかな? 貴方の場合も同じですが、貴方はまだ未貫通ですから奴隷ではなく側室の話もあるやも知れませんよ」
「ちょっと待ちなさい、この子は王女なのです、側室ではなく正室に成れる筈です」
「今やテレジアは王女で無く破門された者の娘です、側室に成れるチャンスが貰えるだけありがたいと思った方が良いかと思いますよ」
「そんな...」
本来なら王女、勇者とはいえ正室に慣れる筈なのに...それが側室、側室なんて愛人みたいな者だわ、私の娘が...貴方恨みますよ、貴方がこの子の未来を摘んでしまった。
「お母さま」
「大丈夫よ、お母さまが貴方にはついていますからね」
まだ、マリアーヌは知らない...嫁いだ二人の王女、長女フランソワーズに次女エレノワールも強制的に婚姻を解消させられ自分と同じ様に奴隷になる運命にある事を。
【王国騎士団、鳳翼の翼】
「王を送っていった騎士団長を始め、その仲間が帰って来ません」
「そりゃそうでしょうね、あの方たちは家族が居ません、そのまま、きっと野党か山賊にでも成り下がるのでしょうね」
「副団長、それでは私達は、その死刑でしょうか?」
「まぁ家族の居る我々は逃げられませんよ、逃げたら家族に咎がいきます」
「まぁ私も妻や娘が咎人になるのをこの命一つですむのなら喜んで死にますよ」
「私も、その覚悟はしていたのですが...どうやらお咎めがない様です」
「副団長、それはどうしてでしょうか?」
「どうやら、暫くの間、此処は教会が統治した後、正式に勇者ルディウス様の物になる様だ」
「だからですか?」
「直接、手を下した者以外は罪を問わない、その代わり勇者に忠誠をと言う事だ」
「騎士とは忠誠を誓う者、その相手が変わっただけだ」
「だが、あいつ等は...」
「死刑は免れられぬな」
「王付きの騎士団、黒曜の剣...」
「王の信任厚く、その忠誠は国でなく王に捧げる」
「今となっては、死ぬしかありませんな」
結局、鳳翼の翼が騎士団長を含む数人しか処罰されなかったの対し黒曜の剣は全員が家族共々処刑された。
聖騎士に処分された彼らの首は街の広場に10日間見せしめの為晒された。
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