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ルドル 逃げた先で

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不味いぞこれは...ルディウス様が犯罪者扱いになっている。

勇者を殺した? 剣聖を殺した、違うだろうが、ルディウス様が彼等を殺した犯人に仕立て上げられていた。

彼奴らは偽者として扱われた筈。

しかも、そうじゃないとしても、貴族としてしっかりしと決闘した結果だった筈だ。

《ルディウス様は何者かに嵌められたのか?》

不味いな、これは、どうにかしてルディウス様に会いに行かなくてはならない。

この竜車は聖女の名前で借りている。

上手く誤魔化して降りて逃げないと。

「御者さん、此処までで構いません、降ろして下さい」

「本当に此処で良いのですか?」

「はい」

どうやらこの御者は事情を知らないらしい。

万が一気がつかれて騒がれる前に逃げる必要がある。


上手く誤魔化せた。

「あの、ルドル様何があったのですか?」

「ミルカ、レイラ良く聞きなさい」

ルドルは自分が見て来た事を二人に話した。


「そんな事があったのですか?」

「これでルディウス様も身寄りが無いの? 私と同じ」


「すまないが感傷に浸っている暇はない、直ぐにルディウス様を追いかけねば、場合によっては今回の件に教会が絡んでいるかも知れない」

「「はい」」


三人は街などに手が回っている可能性を考えて獣道や裏街道から学園方面に向い...そこからルディウスの所へ向かおうとした。


「流石に腹が減ったな」

「はい、レイラは」

「聞かないでよ、三日前に兎をあぶって食べただけだもの同じよ」


「仕方がありません、お金はありますから、小さな町でなら大丈夫でしょう、そこで宿をとって食事をとりますか」


街道沿いの小さな町に入った所...


「見つけたぞ、彼等がルディウス様関係の方だ」


まさかこんな所に迄手が回っているとは...終わりだ。

これ程の聖騎士に囲まれたら...


「やむを得ません...降参だ、この二人は奴隷だルディウス様に買われただけの存在、見逃がしてくれないか」

「「ルドル様」」


だが、様子がおかしい。

聖騎士が抜刀してこない。

「勘違いしないで欲しい、我々は貴方達を探していたのです....敵では御座いませんご安心下さい、その様子では凄く苦労をされた様子、まずは宿に行き、汚れを落としてから食事でもしながら事情をお話しさせて頂きます」


宿に行き、三人は久々に風呂に入ってベッドで休んだ。

それから3時間位休むと、聖騎士が起こしにきた。

「お休みの所申し訳ないが、話をさせて貰ってよいか」

「解った」

「「解りました」」


「貴方は、勇者ルディウス様の執事ルドル様とその奴隷、ミルカ、レイラで間違いないのかな」

「その通りです」

「その通りでございます」

「はい、その通りで」


「良かった」


「所で、今ルディウス様が勇者と呼んでいましたが?」

「ルディウス様が聖剣を抜いて正式の勇者と教会が認定しました」


「ならば、何故ですか! 国王の名の元にアマンダ様が処刑され、ヘングラムは滅ぼされてしまった」

「私の様な下っ端には解りません、ですが、その件の責任として枢機卿が自害をし、国王には教皇様が自ら勇者様と話し合い確実に重い罰を与えてくれます...そこで生き残りの貴方達をルディウス様に届ける様に教皇様と八大司教の一人シャルナ大司教、アスラム大司教に言われているのです」

「それは私としても助かります、悲劇については主人であるルディウス様に会ってからの話ですが、まずは誤解が解けて良かった」

「貴方達三人は、勇者様にとって大切な方これより、早速向かいましょう」


外に出るとそこには...ギガントワイバーンに部屋が付いた者が居た。


これは、世界に3台しかない、飛竜船、たしか教皇絡みしか使えない筈。


「これは飛竜船...」


「何を驚かれていますか」

「そうですぞ、貴方達は勇者様の関係者なのだから、この位は当たり前ですぞ」

八大司教が2人...それが私になんかに。


「そこのお嬢さん二人も乗って下さい、食事も中で用意てあります、レストランで一流のシェフに作らせた物です、さぁ旅行気分で空の移動を楽しんで下さい」

「あの、ルドル様と違い私達は奴隷です...その」

「一緒で良いのですか?」


「構いませんよねぇ、アスラム」

「そうですよ、貴方達は尊いお方の所有物、そこらの貴族よりも大切な方です」

彼等は教会の関係者は凄く大切に扱う。


奴隷だろうが何だろうが...教会は彼らを大切にする。

何故なら彼らは信仰する勇者の大切な所有物なのだから。

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