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湧き上がる感情
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確かに「待ってくれる」そう聞いた。
「ルディウス様、どうですか? 勇者パーティーに入って頂けませんか?」
「まだ、考えている最中です」
「もし、入って頂けるなら、魔王の討伐後は、公爵、場合によっては王女と婚約して王になる事も可能ですよ」
「俺はそこ迄の器じゃないので、地方領主で充分です」
「あの、望めば聖女の私との婚姻も可能ですよ」
「そんな高望みは望んでいません、それこそ分相応が一番です」
「貴方がしっかりと仲間になってくれるなら、それこそ直ぐに恋人にだって」
「俺は事情があって一年入学が遅れました、これから俺は楽しい学園生活が送りたいんです、討伐の旅なんて考えていません」
いや、勇者とかになって旅に出るなんて究極の貧乏くじだろう。
昔の話によれば何時帰れるか解らない。
そんな旅をしたって得られるのは実質名誉だけだ。
短い旅で5年、掛かった勇者は20年近い月日を掛けていた。
しかもだ、現実は凄く厳しい...勝率は5割位、つまり二人に1人は死んでいる。
辛い旅路の果てに、1/2のデスゲーム、そんなのやる奴は馬鹿かマゾだ。
「勇者も剣聖も居ない...それなのに魔王と戦わなくてはならない、私に力を貸して下さい...手を貸してくれるなら何でもします」
これは普通に考えれば《最高の条件》なんだろうな、聖女を自由にできる。
だが、俺には前世の記憶がある。体は11歳だが、精神はもっと上だ。
聖女の年齢は12歳、前の世界でいえば小学6年生。
確かに美少女で可愛いが《手を出しちゃおしまいだ》そういう声が頭から聞こえて来る。
そして何より俺はロリコンじゃない。
この世界じゃ行き遅れ扱いだが20歳以上の大人の女が好きなんだよ。
だが、この世界だと14歳位で結婚して成人扱いになる事が多い。
貴族だと少し違うが平民や農家ならそんな物だ。
そしてまぁ男女の営みも普通にある。
そう考えたら、12歳はピチピチだともいえる。
大人になる一歩手前の少女...それは解るが、良いのか?
こんなガキともう一人に世界の平和を背負わせて可哀想だと思わないのか?
ヘングラムの領地は魔族の領地から立地的に王国を隔てた土地にある。
つまり、魔族が進行するなら必ず王国を経由しなければ来れない。
そういう意味で王国が滅びでもしない限り安全なのだ。
だから、《勇者》と《剣聖》の能力はあくまで保険として欲しかった。
勇者なんてなりたくは無い。
だが、この世界の奴がムカつく。
ガキに世界の平和押し付けるなよ。
前の世界の大人も最低だったが、そんな存在がいたら、自衛隊や警察が戦うだろう。
この世界の大人はゴミだ。
少なくともこんなガキに頼む位なら王都の騎士団1万5千。
教会が持っている聖騎士を含む1万2千で戦うべきだ。
こいつ等に出来るなら1万を越す騎士にでも出来る筈だ。
それをやらないでガキに全部押し付ける、俺なんかよりずうっとクズなんじゃないか?
教皇が一番偉くて、聖人だと言うならお前らが戦えば良いんだよ。
「なぁ、ホワイト様...何で笑っていられるんだ? 聖女だからって全て押し付けられて死ぬかも知れないのに?」
「聖女ですから、世界の平和の為に生きるのは当たり前です、そういう生き方しか私は知りませんから」
何だ、この世界は俺なんかより遙かにクズなんだな。
これって教育という名の洗脳じゃ無いのか?
「そうかよ、ホワイトは自分が無惨に死ぬかも知れないのに笑うのか」
「それしかありませんから、私には」
ガキの癖に嫌な目しやがる、この目を俺は知っている。
《男の為に風俗に落ちた女の目》に近い。
死ぬかも知れない、地獄に行くのに、このガキは笑って居る。
嫌な物見せやがって、このガキがじゃない、こんな目をさせる大人がムカついた。
こんな目を見せた代償は《この世界に払って貰おう》
「そうか、真剣に考えてみるよ、ただもし俺が勇者の代わりに戦うなら、一切の文句は言わせない、そして俺がする事全てに手を貸せ、あともし全てが終わったら、お前は家の領地で診療所を開いて好きな男でも作って楽しく過ごしてくれ...それが最低条件だ」
「それだけで良いなら、それで世界を救ってくれるなら、飲みますわ」
「解った」
これで気持ちは固まった。
あとは賢者というガキ女にあってからだ。
ルディウスの中で《卑怯で情け容赦ない》そんな自分の感情が蘇ってきた。
そして、その感情がこれからこの世界に大きな影響を与える事になるとは誰もまだ思っていなかった。
何もしていない...それが罪だ
口には出していないとはいえもう腹は決まった。
そうなれば、遣る事は自然と決まってくる。
この世界の人間は本当にクズだ、クズと解れば、使い道はある。
「どうかされましたか? ルディウス様?」
「聖女ホワイト様、別に何でもありませんよ、所で、ホワイト様以外で治癒魔法の使い手で有名な方はいらっしゃいますか?」
「クスッ、今はホワイト様なのですね! 昨日はホワイトと呼んでいましたのに」
「すみません、興奮してしまって申し訳ありませんでした」
《昨日は違う一面を見て嬉しかったのですが、今日はまた元通りなのですね...残念です》
「あっ、治療魔法の使い手ですね、それならやはり、ここ王都に居るロマーニ大司祭様ですね、この世界で二人と居ない《聖人》のジョブを持つ方ですから」
「聖人と聖女ってどう違うのでしょうか?」
「結構似ていますね、ジョブとしての能力は殆ど同じです」
「それなら、何でロマーニ様が戦わないんですか?」
「ロマーニ様はもうお歳を召されていますから、それに大司祭が戦う何てことはありません」
ガキに戦わせる位なら似たような能力を持つ奴がいるなら《そいつがやれよ》
司祭なら、世界を救う為に死んでくれ。
「そうか...」
「そうですよ、聖女の私が世界を救うんです、他は関係ありません」
本当にお人よしだな...全部押し付けられて馬鹿なガキ。
「そうか、そうだな、それで賢者に相当するような優れたジョブを持つ者も居るのかな?」
「そうですね、王立アカデミーの教授、ロカバリーヌ教授が《大魔道》のジョブを持っているとかいう話は聞きました、ただこの辺りは余り詳しくないんです」
なんだよ、代替が利くなら、この二人が戦ってやれよ。
「結構世の中には凄い人が居るんですね」
「そうですよ、そういう見聞を広める為にも旅をするのも良いですよ」
「そうですね、ちゃんと考えていますから」
「よい返事をお待ちしておりますよ」
「解りました」
【その日の夜】
「あの...ルディウス様、何でそんなに私達を愛してくれるのですか?」
「何度も言うが、俺から見たらミルカもレイラも凄く綺麗にしか見えない、それに俺は年上が好きなんだ」
「年上が好きなんですね、それは解かった気がしますが...本当に信じられません」
「だからこうして毎晩の様に」
「はい、愛して貰ってます...ですがこれが夢じゃないかって何時も思うんですよ」
「それじゃ、夢で無いと言う事で...もう一回頑張ろうか?」
「はい、ルディウス様」
さて、ミルカも寝ているし..ルドルも恐らく寝ているだろう。
俺はこっそり寮を抜け出した。
今の俺は勇者と剣聖の能力を引き継いでいる。
騎士に気がつかない様に外出するなんて難しくも無い。
目指すは中央教会。
教皇は聖教国から滅多に出ない。
そう考えたら王国の中央教会に入り、一番良い部屋に居るのがロマーニに間違いが無いだろう。
ロカバリーヌとどちらを優先するか考えたら...こっちが必要だ。
今の俺には回復系が無い...最悪、魔法上位者が賢者なら必要なくなる可能性もある。
教会に入った。
極力目立たない様に裏門を斬って入った。
剣聖って凄いな、鉄だろうが何だろうが斬れる。
そのまま押し入り気がつかれない様に探し回った。
大体、偉い人間は高い場所の部屋を使う、だから最上階まで上がってくればその部屋のどれかがその筈だ。
《この部屋は違うようだ》
部屋を見て回っていたら後ろから聖騎士が斬りかかってきた。
剣聖のジョブのおかげか、直ぐに反撃ができ斬り殺せた。
良かった、こういう貴人を守る騎士は音を立てずに声をたてずに邪魔者を排除するので《バレないので》助かる。
五つ目の部屋を開けた時に..居た。
あきらかに大司教の服が立て掛けてある。
俺の気配に気がついたのかロマーニが目を覚ました。
「貴様、何奴だ!」
「そんな事はどうでも良い...お前を殺しに来たんだよ」
「待て、私は大司教だ、悪い事は何もしていない、神に祈る事しか...」
俺はそのまま首を斬り落とした。
《何もしないのがいけないんだよ...バカが、お前のジョブやスキルは俺が使ってやる、折角有用なジョブを持っているのに使わず引き籠るなら、俺が貰った方が有用だ》
よくよく考えたら明日には大司祭を殺したんだ大事になるかも知れないな。
ならまだ時間はある..ロカバリーヌも今夜のうちに殺すべきか...まぁ見つからなくても仕方がない位に思うべきだな。
そのままアカデミーに向った。
侵入は簡単だったが、何処にいるかはやはり解らない。
どうしたものか? 出直すか? いや今日中にやるしかない、何か手が無いだろうか?
仕方ない。
「こんにちは」
「貴方は誰ですか?」
「そんな事はどうでも良い、ロカバリーヌの居る場所に案内しろ」
「教授に何の用だ」
「なぁにちょっと話を聞きたいだけだ」
「怪しいな」
俺は抑えつけながら、ナイフを首に当てた。
「お前がどう思おうと構わない、悪いが案内して欲しい、ちゃんと案内してくれたなら命は助ける...拒むならお前を殺し、次を探すまで」
「本当に案内したら命を助けてくれるんだな」
「考慮しよう」
この男は約束を守り、教授の部屋まで案内をしてくれた。
だが、生かして等置けない、顔を見られたのだからな。
「おい、約束が違うぞ...俺は」
「考慮すると言っただけだ、お前を俺は殺す、だが俺は魔王を倒す為に行動を起こす安心しろ」
「何を言って」
俺は此奴も斬り殺した。
魔王や魔族は人類の敵だ、僅かだがお前を殺した事により俺は強くなった。
魔王を倒す為に貢献できたんだ喜べよな。
流石は研究者、こんな夜遅くなのに論文を書いていた。
「貴様は何だこんな夜中に、儂は論文を書いているんだ...出て行ってくれ」
「なぁお前は、そんな論文を書いている暇があるなら何故お前は魔族と戦わないんだ?」
「はぁ、儂は研究者だ、そんなものは勇者達に任せて置けば良いんじゃよ...儂は研究がしたんいんじゃ」
「なんの研究かしらないが、お前はクズだ...死ね」
「まて、儂は何も悪い事など...してない」
「何もしないから殺されるんだ」
俺はさっさと首を跳ねて殺した。
何もしないから殺される、そんな事すら解らないのか驚いた様な顔で死んだ。
本当にこの世界の大人は腐っているな...魔王討伐の為に自分は犠牲になろうとしない。
安全な場所で権力を貪ってやがる。
戦わないお前等の為に俺が戦ってやるんだ...これ位の犠牲なんて安いもんだろう。
「ルディウス様、どうですか? 勇者パーティーに入って頂けませんか?」
「まだ、考えている最中です」
「もし、入って頂けるなら、魔王の討伐後は、公爵、場合によっては王女と婚約して王になる事も可能ですよ」
「俺はそこ迄の器じゃないので、地方領主で充分です」
「あの、望めば聖女の私との婚姻も可能ですよ」
「そんな高望みは望んでいません、それこそ分相応が一番です」
「貴方がしっかりと仲間になってくれるなら、それこそ直ぐに恋人にだって」
「俺は事情があって一年入学が遅れました、これから俺は楽しい学園生活が送りたいんです、討伐の旅なんて考えていません」
いや、勇者とかになって旅に出るなんて究極の貧乏くじだろう。
昔の話によれば何時帰れるか解らない。
そんな旅をしたって得られるのは実質名誉だけだ。
短い旅で5年、掛かった勇者は20年近い月日を掛けていた。
しかもだ、現実は凄く厳しい...勝率は5割位、つまり二人に1人は死んでいる。
辛い旅路の果てに、1/2のデスゲーム、そんなのやる奴は馬鹿かマゾだ。
「勇者も剣聖も居ない...それなのに魔王と戦わなくてはならない、私に力を貸して下さい...手を貸してくれるなら何でもします」
これは普通に考えれば《最高の条件》なんだろうな、聖女を自由にできる。
だが、俺には前世の記憶がある。体は11歳だが、精神はもっと上だ。
聖女の年齢は12歳、前の世界でいえば小学6年生。
確かに美少女で可愛いが《手を出しちゃおしまいだ》そういう声が頭から聞こえて来る。
そして何より俺はロリコンじゃない。
この世界じゃ行き遅れ扱いだが20歳以上の大人の女が好きなんだよ。
だが、この世界だと14歳位で結婚して成人扱いになる事が多い。
貴族だと少し違うが平民や農家ならそんな物だ。
そしてまぁ男女の営みも普通にある。
そう考えたら、12歳はピチピチだともいえる。
大人になる一歩手前の少女...それは解るが、良いのか?
こんなガキともう一人に世界の平和を背負わせて可哀想だと思わないのか?
ヘングラムの領地は魔族の領地から立地的に王国を隔てた土地にある。
つまり、魔族が進行するなら必ず王国を経由しなければ来れない。
そういう意味で王国が滅びでもしない限り安全なのだ。
だから、《勇者》と《剣聖》の能力はあくまで保険として欲しかった。
勇者なんてなりたくは無い。
だが、この世界の奴がムカつく。
ガキに世界の平和押し付けるなよ。
前の世界の大人も最低だったが、そんな存在がいたら、自衛隊や警察が戦うだろう。
この世界の大人はゴミだ。
少なくともこんなガキに頼む位なら王都の騎士団1万5千。
教会が持っている聖騎士を含む1万2千で戦うべきだ。
こいつ等に出来るなら1万を越す騎士にでも出来る筈だ。
それをやらないでガキに全部押し付ける、俺なんかよりずうっとクズなんじゃないか?
教皇が一番偉くて、聖人だと言うならお前らが戦えば良いんだよ。
「なぁ、ホワイト様...何で笑っていられるんだ? 聖女だからって全て押し付けられて死ぬかも知れないのに?」
「聖女ですから、世界の平和の為に生きるのは当たり前です、そういう生き方しか私は知りませんから」
何だ、この世界は俺なんかより遙かにクズなんだな。
これって教育という名の洗脳じゃ無いのか?
「そうかよ、ホワイトは自分が無惨に死ぬかも知れないのに笑うのか」
「それしかありませんから、私には」
ガキの癖に嫌な目しやがる、この目を俺は知っている。
《男の為に風俗に落ちた女の目》に近い。
死ぬかも知れない、地獄に行くのに、このガキは笑って居る。
嫌な物見せやがって、このガキがじゃない、こんな目をさせる大人がムカついた。
こんな目を見せた代償は《この世界に払って貰おう》
「そうか、真剣に考えてみるよ、ただもし俺が勇者の代わりに戦うなら、一切の文句は言わせない、そして俺がする事全てに手を貸せ、あともし全てが終わったら、お前は家の領地で診療所を開いて好きな男でも作って楽しく過ごしてくれ...それが最低条件だ」
「それだけで良いなら、それで世界を救ってくれるなら、飲みますわ」
「解った」
これで気持ちは固まった。
あとは賢者というガキ女にあってからだ。
ルディウスの中で《卑怯で情け容赦ない》そんな自分の感情が蘇ってきた。
そして、その感情がこれからこの世界に大きな影響を与える事になるとは誰もまだ思っていなかった。
何もしていない...それが罪だ
口には出していないとはいえもう腹は決まった。
そうなれば、遣る事は自然と決まってくる。
この世界の人間は本当にクズだ、クズと解れば、使い道はある。
「どうかされましたか? ルディウス様?」
「聖女ホワイト様、別に何でもありませんよ、所で、ホワイト様以外で治癒魔法の使い手で有名な方はいらっしゃいますか?」
「クスッ、今はホワイト様なのですね! 昨日はホワイトと呼んでいましたのに」
「すみません、興奮してしまって申し訳ありませんでした」
《昨日は違う一面を見て嬉しかったのですが、今日はまた元通りなのですね...残念です》
「あっ、治療魔法の使い手ですね、それならやはり、ここ王都に居るロマーニ大司祭様ですね、この世界で二人と居ない《聖人》のジョブを持つ方ですから」
「聖人と聖女ってどう違うのでしょうか?」
「結構似ていますね、ジョブとしての能力は殆ど同じです」
「それなら、何でロマーニ様が戦わないんですか?」
「ロマーニ様はもうお歳を召されていますから、それに大司祭が戦う何てことはありません」
ガキに戦わせる位なら似たような能力を持つ奴がいるなら《そいつがやれよ》
司祭なら、世界を救う為に死んでくれ。
「そうか...」
「そうですよ、聖女の私が世界を救うんです、他は関係ありません」
本当にお人よしだな...全部押し付けられて馬鹿なガキ。
「そうか、そうだな、それで賢者に相当するような優れたジョブを持つ者も居るのかな?」
「そうですね、王立アカデミーの教授、ロカバリーヌ教授が《大魔道》のジョブを持っているとかいう話は聞きました、ただこの辺りは余り詳しくないんです」
なんだよ、代替が利くなら、この二人が戦ってやれよ。
「結構世の中には凄い人が居るんですね」
「そうですよ、そういう見聞を広める為にも旅をするのも良いですよ」
「そうですね、ちゃんと考えていますから」
「よい返事をお待ちしておりますよ」
「解りました」
【その日の夜】
「あの...ルディウス様、何でそんなに私達を愛してくれるのですか?」
「何度も言うが、俺から見たらミルカもレイラも凄く綺麗にしか見えない、それに俺は年上が好きなんだ」
「年上が好きなんですね、それは解かった気がしますが...本当に信じられません」
「だからこうして毎晩の様に」
「はい、愛して貰ってます...ですがこれが夢じゃないかって何時も思うんですよ」
「それじゃ、夢で無いと言う事で...もう一回頑張ろうか?」
「はい、ルディウス様」
さて、ミルカも寝ているし..ルドルも恐らく寝ているだろう。
俺はこっそり寮を抜け出した。
今の俺は勇者と剣聖の能力を引き継いでいる。
騎士に気がつかない様に外出するなんて難しくも無い。
目指すは中央教会。
教皇は聖教国から滅多に出ない。
そう考えたら王国の中央教会に入り、一番良い部屋に居るのがロマーニに間違いが無いだろう。
ロカバリーヌとどちらを優先するか考えたら...こっちが必要だ。
今の俺には回復系が無い...最悪、魔法上位者が賢者なら必要なくなる可能性もある。
教会に入った。
極力目立たない様に裏門を斬って入った。
剣聖って凄いな、鉄だろうが何だろうが斬れる。
そのまま押し入り気がつかれない様に探し回った。
大体、偉い人間は高い場所の部屋を使う、だから最上階まで上がってくればその部屋のどれかがその筈だ。
《この部屋は違うようだ》
部屋を見て回っていたら後ろから聖騎士が斬りかかってきた。
剣聖のジョブのおかげか、直ぐに反撃ができ斬り殺せた。
良かった、こういう貴人を守る騎士は音を立てずに声をたてずに邪魔者を排除するので《バレないので》助かる。
五つ目の部屋を開けた時に..居た。
あきらかに大司教の服が立て掛けてある。
俺の気配に気がついたのかロマーニが目を覚ました。
「貴様、何奴だ!」
「そんな事はどうでも良い...お前を殺しに来たんだよ」
「待て、私は大司教だ、悪い事は何もしていない、神に祈る事しか...」
俺はそのまま首を斬り落とした。
《何もしないのがいけないんだよ...バカが、お前のジョブやスキルは俺が使ってやる、折角有用なジョブを持っているのに使わず引き籠るなら、俺が貰った方が有用だ》
よくよく考えたら明日には大司祭を殺したんだ大事になるかも知れないな。
ならまだ時間はある..ロカバリーヌも今夜のうちに殺すべきか...まぁ見つからなくても仕方がない位に思うべきだな。
そのままアカデミーに向った。
侵入は簡単だったが、何処にいるかはやはり解らない。
どうしたものか? 出直すか? いや今日中にやるしかない、何か手が無いだろうか?
仕方ない。
「こんにちは」
「貴方は誰ですか?」
「そんな事はどうでも良い、ロカバリーヌの居る場所に案内しろ」
「教授に何の用だ」
「なぁにちょっと話を聞きたいだけだ」
「怪しいな」
俺は抑えつけながら、ナイフを首に当てた。
「お前がどう思おうと構わない、悪いが案内して欲しい、ちゃんと案内してくれたなら命は助ける...拒むならお前を殺し、次を探すまで」
「本当に案内したら命を助けてくれるんだな」
「考慮しよう」
この男は約束を守り、教授の部屋まで案内をしてくれた。
だが、生かして等置けない、顔を見られたのだからな。
「おい、約束が違うぞ...俺は」
「考慮すると言っただけだ、お前を俺は殺す、だが俺は魔王を倒す為に行動を起こす安心しろ」
「何を言って」
俺は此奴も斬り殺した。
魔王や魔族は人類の敵だ、僅かだがお前を殺した事により俺は強くなった。
魔王を倒す為に貢献できたんだ喜べよな。
流石は研究者、こんな夜遅くなのに論文を書いていた。
「貴様は何だこんな夜中に、儂は論文を書いているんだ...出て行ってくれ」
「なぁお前は、そんな論文を書いている暇があるなら何故お前は魔族と戦わないんだ?」
「はぁ、儂は研究者だ、そんなものは勇者達に任せて置けば良いんじゃよ...儂は研究がしたんいんじゃ」
「なんの研究かしらないが、お前はクズだ...死ね」
「まて、儂は何も悪い事など...してない」
「何もしないから殺されるんだ」
俺はさっさと首を跳ねて殺した。
何もしないから殺される、そんな事すら解らないのか驚いた様な顔で死んだ。
本当にこの世界の大人は腐っているな...魔王討伐の為に自分は犠牲になろうとしない。
安全な場所で権力を貪ってやがる。
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