悪徳貴族になろうとしたが

石のやっさん

文字の大きさ
上 下
17 / 94

新しい一日の始まり

しおりを挟む
アマンダについて魔法を教わろうとした最初の日


「これはねルディウス、決して意地悪を言うためじゃないのよ? もう一回教会に行きましょう!」

アマンダについて教会に行った。

俺が凄く冷遇されていた訳は、前妻の子だっただけではない。

生まれた時に簡易ステータスチェックをしたら俺の魔法や剣術の適性が随分低かったそうだ。

あくまで簡易だからと事細かく調べたりは出来ないが魔力が多いのか少ないのか、剣に対する適正とかある程度解るらしい。

それで才能が無いと判断され、ある意味利用価値が無い、そう思われた俺は、使用人扱いになったそうだ。

このことはアマンダが凄く済まなそうそうに話してくれた。

だが俺もう10歳。

10歳になった俺はもう適正でなく実際のステータスが解る

ルディウス
LV 2
HP 80
MP 240
ジョブ 魔法使い (転生人)
スキル:アイテム収納、闇魔法レベル1 火魔法レベル1 風魔法レベル1 水魔法レベル1 格闘レベル1

ちなみに(転生人)は他の人にはぐちゃぐちゃした文字に見えるらしい。


「流石、ヘングラムの名に恥じない素晴らしい才能ですな、特に魔法については天才としか言いようがありません!これなら学園でも十分上位の成績を狙えますな」

「司祭様、この数値は間違いないのね...」

「はい、間違いなくルディウス様は凄い才能に恵まれていますね」

「この子は、前にここで簡易ステータスチェックを受けた時に魔力適正が20って言われたわ! そして剣術適正30って、これはどういうことなのかしら、前の時に何か間違いがあった、そういう事かしら!どう説明してくれるの? この子の一生をあと少しで終わらせてしまう所だったわ」

「このようなステータスの子がそんな適正の訳ありません、前の司祭の間違いとしか..」

「この事は王宮にも伝えます..厳しく」

「すいません、司祭様、ちょっと席を外します、お母さま、落ち着いてね」

「これが落ち着いていられますか? ルディウスは..」

「良いから、ちょっとね..」

僕は無理やりアマンダの手を引いて馬車に戻った。

「ルディウス..あなた、うぐうんううう」

何時ものようにキスをした。

「アマンダ、落ち着いてくれた」

「まぁ、はい落ち着いたわ、だけど教会は本当に許せないわ、絶対に抗議しなきゃ」

「それだけど、多分、司祭様は悪くないと思うんだ」

「ルディウス、それはどうして、そう思うの?」

ここで、僕が気付いた3つの事の内1つをアマンダに伝える事にした。

それに多分、これが一番アマンダが喜ぶ話だと思う。

「上位の魔法使いに魔力を流して貰うと、魔法の素養のない人でも魔力があがったり才能に目覚めるという本を読んだんだ」

「それは私も知っているわ、それとどう関係があるの?」

「手を触れて流すだけでそうなる事があるんだよ、僕とアマンダは何していたのかな?」

アマンダの顔が茹蛸のように赤くなる。

「そうね、そういう事なのね」

「手を触れて流すだけで、そういう事が起きるなら、それ以上の事をすればもしかしたら、こういう奇跡が起きるんじゃないかな?」

「そそそそそ、そうね、あれだけ愛し合ったから、確かにそれ以上に魔力は流れていたかも知れない..それに、最後までしちゃってた訳だから、一体感やふれあいから快感まで全部共有しているから、可笑しくないのかも..」

「でしょう? ほら、闇魔法レベル1 火魔法レベル1 風魔法レベル1 水魔法レベル1 アマンダの苦手な光魔法は入っていないよ?」

「ほんとだわね!」

「あのね、これはアマンダが僕を愛してくれたからおきた奇跡なんだよ! ありがとうアマンダ!」

こういう所、本当にずるいと思うのよ、大人になったり急に子供になったり、恋人といて子供として私の愛を根こそぎ持っていくんだから...今は母親として愛しましょう..

「よかったわねルディウス、それじゃ司祭様の所へ行こうか?」

「うん」

しかし、これ世紀の大発見だけど、どこにも公表できないわね..恐らくただ体を重ねただけじゃこんな事は起きないわ、もしそれで起きるなら高級娼婦は全員、大魔法使いになるわ。
恐らく、母子それが原因だと思う。同じような素養を持つとか、肉体の一部が同じとか、そういった別の条件が必要な筈よ。 近親相姦が条件...到底発表はできないわね。

戻ると司祭は青ざめていた。

「さっきは取り乱して申し訳なかったわね、逆ならともかくこれは喜ばしい事だから文句は言わないことにしたわ! 前の司祭は許せないけど、あなたはしっかりとこの子の才能を見出してくれた、それで前回の事は水に流します!」

「お許し頂きありがとうございます」

「良いのよ!今日は素晴らしい日だわ、司祭様もこの子の幸せを祈って頂戴!」

「はい」



「それじゃ、今日は最高のレストランで最高の食事を食べて帰りましょう!」

「はい」

アマンダは凄く楽しそうにルディウスと一日を過ごした。

貴族の間では子供が10歳になると祝う習わしがある。

少し遅れてルディウスはその権利を手にした。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

ラスボス姫に転生したけど、ドS兄貴はシスコン設定になっていたようです

ぷりりん
ファンタジー
転生ラスボス姫がドS兄貴の溺愛に大困惑する、ラブコメファンタジー

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

学園長からのお話です

ラララキヲ
ファンタジー
 学園長の声が学園に響く。 『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』  昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。  学園長の話はまだまだ続く…… ◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない) ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

処理中です...