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価値が無くなる前に...
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「離れでルディウスと暮らそうと思うの!」
アマンダが突然きて言い出した。
「どうしたんだ急に?」
俺は正直驚きを隠しきれない。
「いえ、ね、私は残念だけどもう子供が産めないわ」
「そうだな」
「だから、もう受け入れる事にしたわ、私だって貴族だもの、子供を産む事の出来ない女に価値が無い事位解るわよ...だから諦めたの」
「そうか、理解してくれて助かるよ」
「どうせ、貴方は側室を貰うわよね..跡取りは必要だからね」
「そうだな...済まない」
「良いのよ、仕方ない事だわ...だからね、もう心の整理をする事にしたのよ...どうせあの部屋も側室に引き渡さなければならないなら早い方が良いわ」
「本当に良いんだな」
「ええ」
俺は耳を疑った、何時切出すか毎日悩んでいた。
《恐らくはかなり揉めるだろう》そう思っていた、普通に考えれば今回の出来事は貴族の女としてある意味終わりだ。
他国は兎も角この国はまだ封建的だ。
俺はそうでは無いが、今だに《子供産めない女には価値が無い》そう言い張る人間も少なくない。
だからこそ、時間が惜しかった。
もし、最初からアマンダと結婚していれば子供が何人か生まれ問題は無かった。
だが実際は政略結婚でルディウスの母親と過ごした時間のせいでアマンダの妊娠適齢期を過ぎてしまった。
ヘンドリックが時間ぎりぎり、次の子に至ってはよくぞ妊娠した物だと思わぬばかりだった。
恐らく高齢の出産だからああも簡単に流れてしまったのだろう。
他の男と婚姻もしないで俺を待っていたアマンダに申し訳ない気持ちで一杯だった。
「それはそうと、最近は随分ルディウスと仲が良いんだな」
「そうね...あの子には親は居ないも同然だし、私も子供を失った、そしてこれからはアベル貴方も半分失う様な者だからね、残りのの人生はあの子を子供代わりに生活するのも悪く無いわね」
「お前がルデイウスと仲良く出来るなら、嫡男の廃止をしなくても良かったのだが」
「それはあの時点の私達には考えられないわ、今更の事だわ、ヘンドリックが居ないくなったからこその感情だもの」
「そうだな、済まない」
「貴方は側室を迎えるのよね..そうしたら私より側室と一緒にいなきゃ不味いわよ! それに、子供が出来たら私なんかに構っている暇はないわ」
「本当に済まないな」
「別に良いわ..だけど、私だって貴族、そして正妻だからそれなりの体面が保てるお金はお願いするわよ」
「それは仕方ないな..確かにお前と俺で築いた財産もある..だが家を潰す様な金額は駄目だ」
「解っているわ」
「なら良い」
「それじゃ私は行くわね」
.........何だろうか...何故か俺が捨てられたような気がするのは気のせいか。
「ねえルディウス...今日から離れで暮らすわよ」
「急にどうしたの?お母さま!」
「ルディウス....此処には貴方と私しか居ないのよ?」
「アマンダ」
「なぁにルディウス」
《まさか、此処まで変わってしまうなんて...流石に想定外だ》
「どうして急に離れで暮らす事になったのですか?」
「だって、ほらもう私は子供が産めないじゃない...だからアベルは側室を迎えなくちゃいけないわ..なら寝室も全部明け渡した方が良いじゃない」
「アマンダ、それ本当は違うでしょう、絶対」
「そうね、だって私が好きなのはルディウスよ..だったらアベルの傍にいる必要はないじゃない..離れに行ったらもう人目を気にせず居られるわ..特に夜はね」
《やりすぎたのか..確かに暇さえあれば抱き続けていたが...まるで別人じゃないか》
「そうだね、凄く楽しそうだ」
《確かに気は楽になったが...》
「あのさ..側室がきたらアマンダはどうなっちゃうの?」
「気にしてくれるの? 本当にルディウスは優しいわね..もうお役御免だわ..そうね私はルデイウスと楽しく暮らそうかしら..お金は気にしないで良いわ..それなりの金額が貰えるはずだから一生お金には困らないわよ」
「うん、楽しそうだね!」
「ルディウスならそう言ってくれると思ったわ!」
確かにアマンダは正妻で後から入ってくる女は側室、立場はアマンダが上だ。
アマンダの言う通り、結構な金額が貰えるだろう..だがそれで良いのか...
少なくとも、側室に子供が出来たら...跡取りはそいつだ。
そうなれば、将来的には追い出される可能性が高い。
アベルの生きている間は少しはましかも知れないが、それでも子供が出来たらどう転ぶか解らない。
実際にヘンドリックは目に入れても痛くない位に可愛がっていた。
幾ら財産を分けてくれるって言っても限界はある筈だし...大した金額は貰えないだろう。。
更に、多分貴族で居られるかどうか解らない...やがてはアマンダの価値も..俺と同じでほぼ無くなる。
そう考えるなら...アベルが側室を貰う前に..殺さなければならない。
アベルが側室を貰う前に殺せれば...アマンダは女伯爵となる筈だ。
だが、アベルは戦でも手柄を立てている、それもまるで英雄の様な手柄を立てたとも聞く。
「アマンダ、僕に魔法を教えて欲しいんだ」
聞いた話ではアベルは剣の達人、正面から戦ったら絶対に勝てない。
「どうしたのルディウスったら!」
「だって、僕はアマンダの事知らないんだもの..好きな人の事をもっと知りたいんだ」
「急にもう..良いわよ..後で教えてあげるわよ」
《この子は本当にずるいわ..いつもドキドキさせられる..もう離れる事は出来ないわね》
アマンダが突然きて言い出した。
「どうしたんだ急に?」
俺は正直驚きを隠しきれない。
「いえ、ね、私は残念だけどもう子供が産めないわ」
「そうだな」
「だから、もう受け入れる事にしたわ、私だって貴族だもの、子供を産む事の出来ない女に価値が無い事位解るわよ...だから諦めたの」
「そうか、理解してくれて助かるよ」
「どうせ、貴方は側室を貰うわよね..跡取りは必要だからね」
「そうだな...済まない」
「良いのよ、仕方ない事だわ...だからね、もう心の整理をする事にしたのよ...どうせあの部屋も側室に引き渡さなければならないなら早い方が良いわ」
「本当に良いんだな」
「ええ」
俺は耳を疑った、何時切出すか毎日悩んでいた。
《恐らくはかなり揉めるだろう》そう思っていた、普通に考えれば今回の出来事は貴族の女としてある意味終わりだ。
他国は兎も角この国はまだ封建的だ。
俺はそうでは無いが、今だに《子供産めない女には価値が無い》そう言い張る人間も少なくない。
だからこそ、時間が惜しかった。
もし、最初からアマンダと結婚していれば子供が何人か生まれ問題は無かった。
だが実際は政略結婚でルディウスの母親と過ごした時間のせいでアマンダの妊娠適齢期を過ぎてしまった。
ヘンドリックが時間ぎりぎり、次の子に至ってはよくぞ妊娠した物だと思わぬばかりだった。
恐らく高齢の出産だからああも簡単に流れてしまったのだろう。
他の男と婚姻もしないで俺を待っていたアマンダに申し訳ない気持ちで一杯だった。
「それはそうと、最近は随分ルディウスと仲が良いんだな」
「そうね...あの子には親は居ないも同然だし、私も子供を失った、そしてこれからはアベル貴方も半分失う様な者だからね、残りのの人生はあの子を子供代わりに生活するのも悪く無いわね」
「お前がルデイウスと仲良く出来るなら、嫡男の廃止をしなくても良かったのだが」
「それはあの時点の私達には考えられないわ、今更の事だわ、ヘンドリックが居ないくなったからこその感情だもの」
「そうだな、済まない」
「貴方は側室を迎えるのよね..そうしたら私より側室と一緒にいなきゃ不味いわよ! それに、子供が出来たら私なんかに構っている暇はないわ」
「本当に済まないな」
「別に良いわ..だけど、私だって貴族、そして正妻だからそれなりの体面が保てるお金はお願いするわよ」
「それは仕方ないな..確かにお前と俺で築いた財産もある..だが家を潰す様な金額は駄目だ」
「解っているわ」
「なら良い」
「それじゃ私は行くわね」
.........何だろうか...何故か俺が捨てられたような気がするのは気のせいか。
「ねえルディウス...今日から離れで暮らすわよ」
「急にどうしたの?お母さま!」
「ルディウス....此処には貴方と私しか居ないのよ?」
「アマンダ」
「なぁにルディウス」
《まさか、此処まで変わってしまうなんて...流石に想定外だ》
「どうして急に離れで暮らす事になったのですか?」
「だって、ほらもう私は子供が産めないじゃない...だからアベルは側室を迎えなくちゃいけないわ..なら寝室も全部明け渡した方が良いじゃない」
「アマンダ、それ本当は違うでしょう、絶対」
「そうね、だって私が好きなのはルディウスよ..だったらアベルの傍にいる必要はないじゃない..離れに行ったらもう人目を気にせず居られるわ..特に夜はね」
《やりすぎたのか..確かに暇さえあれば抱き続けていたが...まるで別人じゃないか》
「そうだね、凄く楽しそうだ」
《確かに気は楽になったが...》
「あのさ..側室がきたらアマンダはどうなっちゃうの?」
「気にしてくれるの? 本当にルディウスは優しいわね..もうお役御免だわ..そうね私はルデイウスと楽しく暮らそうかしら..お金は気にしないで良いわ..それなりの金額が貰えるはずだから一生お金には困らないわよ」
「うん、楽しそうだね!」
「ルディウスならそう言ってくれると思ったわ!」
確かにアマンダは正妻で後から入ってくる女は側室、立場はアマンダが上だ。
アマンダの言う通り、結構な金額が貰えるだろう..だがそれで良いのか...
少なくとも、側室に子供が出来たら...跡取りはそいつだ。
そうなれば、将来的には追い出される可能性が高い。
アベルの生きている間は少しはましかも知れないが、それでも子供が出来たらどう転ぶか解らない。
実際にヘンドリックは目に入れても痛くない位に可愛がっていた。
幾ら財産を分けてくれるって言っても限界はある筈だし...大した金額は貰えないだろう。。
更に、多分貴族で居られるかどうか解らない...やがてはアマンダの価値も..俺と同じでほぼ無くなる。
そう考えるなら...アベルが側室を貰う前に..殺さなければならない。
アベルが側室を貰う前に殺せれば...アマンダは女伯爵となる筈だ。
だが、アベルは戦でも手柄を立てている、それもまるで英雄の様な手柄を立てたとも聞く。
「アマンダ、僕に魔法を教えて欲しいんだ」
聞いた話ではアベルは剣の達人、正面から戦ったら絶対に勝てない。
「どうしたのルディウスったら!」
「だって、僕はアマンダの事知らないんだもの..好きな人の事をもっと知りたいんだ」
「急にもう..良いわよ..後で教えてあげるわよ」
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