たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語

石のやっさん

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第29話 お風呂②

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「悪いね…本当にごめん...はははっリヒトの為に頑張ったのにやっぱり迷惑かけちゃった」

「良いよ、良いよ…俺の為に頑張ってくれたんだから」

今、俺は裸のカルミーさんを担いで浴室に向かっている。

「此処は宿屋なんだから…そんな恰好で歩かないでよ」

「ルミナス、だけど客は居ないから良いじゃん!」

「うふふっ今日は偶々よ、偶々、カルミーそれが終わったら少し良い…」

「まぁ、今の私は無職で暇だからね、良いぜ、それじゃ…」

そう言いながら俺に担がれながらヒラヒラ手を振るカルミーさんに昨日までの悲壮感はなかった。

よく考えたら、カルミーさんは左手右足が無い…行為の後は、俺が洗ってあげる必要がある…当たり前だ。

「ふぅ~気持ち良いね…しかし、良くこの状態の私を抱けたもんだね」

いま俺はカルミーさんを洗っている。

一見綺麗だが、オークの臭いはまだ完全には消えてない。

まぁ、数日ハーブ水で体を洗ってハッカ水で口を濯げば…綺麗になるだろう。

「俺はこれでも勇者パーティですよ…もし追放されなければ過酷な旅を続けていました…俺に魅力が無くて追い出されましたが、追い出されなければ…俺も俺の付き合った相手も、将来は同じような状態だったかも知れません…だからそんなの気になりません」

「どう言う事?」

「カルミーさん、勇者パーティは魔族と戦い…最終決戦は魔王城です…果たして勇者、聖女、剣聖、賢者の4人が五体満足でたどり着けると思いますか? 恐らくはかなり犠牲が出る筈です! まず…そこに俺が最後まで加わっていたら、真っ先に俺が死ぬから…魔王城の中で死んで髑髏になっていても可笑しくない」

「うわぁぁ、大変だね」

実際の所は解らないがカルミーさんは随分元気になったような気がする。

「俺の幼馴染の勇者カイトはまぁハーレムパーティにしたくて、俺を追い出したけど…もし、追い出されなかったら、長い旅をするから俺の伴侶はカイトが選ばなかった三職から選ぶ事になる可能性が高い…皆勘違いしているけど、魔王や魔族相手に戦って無事でいられる可能性は低いから…きっと今のカルミーさんが軽傷と思える位俺の伴侶は酷い有様かも知れない…」

「あのさぁ…もしかして、それで治療とか、私のお世話が上手いの?」

「流石にジョブが治療に特化してないから…たかが知れているけど、聖女のフリージアが倒れた時の事を考えて一通り治療については勉強したし、将来は介護する可能性も少なからず考えてはいましたから、まぁ少しは出来ます。」

「凄いね、私が教えた後も沢山勉強していたんだ」

「まぁね」

「だけど…私みたいな汚い女…」

「それは言わないで良いよ…だけど、汚いとかカルミーさんに言って貰いたくないから、一度だけ言わせてくれるか!」

「何かあるの?」

「冒険者ギルドで良く見てみれば解かるけど…結構手足が無い人間は多いよ、此処のギルドは比較的平和な場所だから少ないけどね…村人とかはお金がないからオークやゴブリンに娘や妻が攫われてもそのまま我慢するしかないし、強い冒険者は…強い魔物と戦うから決して安全じゃないしカルミーさんみたいになる事も結構ある、それは解っているよね…だけどね、それでも生きて行かなくちゃならない…ゴブリンやオークの苗床から女性を救出したことは俺も何回かある、だけど皆泣きながらも頑張って生きていく…辛いだろうけど…これからは楽しい事を沢山して忘れちゃおうよ」

「そうだね…これからリヒトが昨日みたいな楽しい事沢山してくれるんだよね」

「うん、カルミーさんが楽しい毎日を過ごせるように頑張るよ…ほら体は綺麗に洗い終わったから湯舟に浸かろうか…」


「うん…ふぅ凄く気持ち良いね」

宿屋のお風呂の湯舟は大きいから充分二人で入れる。

危ないから俺が後ろからカルミーさんに抱き着くようにして入っている。

だから色々あたっている。

「そうだね…」

「あれ…リヒト大きくなってあたっている…」

「仕方ないじゃないか…これじゃ…」

「しかし、女として嬉しいね…なんだか凄く自信がついたよ…本当に私が好きなんだね…仕方が無いな…これじゃ辛そうだから、ここでしちゃおうか?」

『駄目だって…あれ』

『なんだルミナスが廊下にいるのか…それじゃ仕方がない夜まで我慢だね…今日も頑張っちゃうからね』

「うん…それじゃそろそろ出ようか?」

「うん…悪いね」

俺はカルミーさんを抱き上げると再び担ぎ、脱衣所で体を拭き始めた。

もうカルミーさんは大丈夫な気がする…

それより、今日の夜は…2人から誘われたけど…どうすれば良いんだ。

まぁなる様になるか…




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