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第20話 ボッチと勇者の伝言
しおりを挟むルミナスさん以外か…
本当に困る…
俺は勇者パーティだから、基本的にあの4人しか仲間は居ない。
女性という意味なら、剣聖のリダ、聖女のフリージア、賢者
のミルカ…この3人位しか思い当たらない…
大体にしてこの3人は勇者であるカイトのハーレムパーティだし…
『絶対にそういう目で見れない』
もし、幼馴染を女性として意識して好きなら、あそこでしがみついてでも頑張ったよ。
友人としてなら兎も角、恋愛相手として俺の友達(勇者ガイア)との逢瀬を見せつけてくる様な女と恋愛なんて出来ない。
ルミナスさん…酷だよ。
だって、俺…ほぼボッチだよ!
勇者パーティとして殆ど4人と一緒に過ごしていたから…他に知り合いは居ない。
もし、無理やり、親しい女性を言えとなると『冒険者ギルドの受付嬢』になるけど、仕事の話しかしてないからね…
大体ルミナスさんだって、本来は俺の一方的な片思いで、憧れていただけで…こうなる前は、そこ迄深く付き合ってなかった。
勇者パーティって呪いなんじゃないかな?
恋愛対象が魔王討伐迄最大で3人になるんだから…
あとで良い縁談を紹介されるのは…その罪滅ぼしかもな。
村に帰って、他の幼馴染をあたっても農村だから、もう皆、相手は決まっている…
それに俺の恋愛対象は大人の女性だから…対象は、カイトや幼馴染のお母さんになる…流石に幼馴染や勇者の母親に手を出す度胸は無いし、お世話になった人たちの家庭は壊せないし、壊したくない。
それじゃ、それ以外…そう考えたら顔が浮かぶ相手は2人しか居ない。
だが、2人とも深いつきあいじゃないし、人妻だし、更に1人は名前すら知らない。
勘違いじゃなければ2人とも夫婦仲も円満な筈だ。
つまり…ほぼボッチ状態だった『俺にはそういう相手は居ない』
これから探すのか…
俺としてはルミナスさんと結ばれた所で終わり…そう思っていた。
◆◆◆
その後、リヒトは魔王や勇者と関わらずにルミナスと一緒に楽しく暮しました。
FIN
これで終わるつもりだったんだ…よ
◆◆◆
まぁ、今は一旦保留するしかない。
久々に一人で冒険者ギルドに来た。
今日は、討伐報酬が振り込まれているから、サプライズでルミナスさんに何かプレゼントしようと思っている。
流石にサプライズしようと思っているから、2人では来れないな。
「リヒト様いらっしゃいませ! 討伐報酬はもう口座の方に振り込んであります…あと伝言が届いております」
「もう勇者パーティじゃないんだからリヒトで良いよ」
「いやですね、勇者パーティじゃなくても最高ランクのSランク、ギルマス以外は敬語、これは当たり前ですよ」
「そうか…」
良く考えたらSランクでも凄いんだよな。
勇者パーティで雑魚扱いされていたから、忘れていた。
しかし『伝言』
手紙じゃ無くて…伝言。
俺に伝言を寄越す人間は限られている。
村長かカイト達勇者パーティだ。
嫌な予感しかない。
「それじゃ伝言内容を教えて貰えますか?」
この世界の伝言は前の世界の電報みたいなものだ。
「こほん、それでは読み上げます『リヒト カエッテキタケレバ カエッテキテ ヨイ カイト』 お相手は勇者カイト様です」
「そうですか、それなら返事をお願いして良いですか?」
「はい、銅貨8枚になります」
用紙を貰い書き始めた。
『カイテキダカラ カエラナイ マオウトウバツヲココロカラオウエンシテイマス リヒト』
「これでお願いしています」
「あの、勇者パーティに戻れるんですよ!こんなチャンス二度とないかも知れませんよ」
「自分の実力の無さは解っているつもりだ…勇者パーティの4人に実力でついていけないからこその…円満追放、今更戻るつもりはないよ」
「ですが、リヒト様はワイバーンやオーガを狩れる実力者じゃないですか?」
「これが限界だよ…この程度じゃ魔族には通じない、俺なりに死ぬ気で努力した限界がこれさ…もう4人は俺なんかより先に進んでいる…一緒に居ても惨めになるだけだよ」
「そうですか」
「ああっ」
取り敢えずこう言っておけば角は立たないだろう。
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