たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語

石のやっさん

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第10話 ル三ナスSIDE 困るわ...

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本当に困るわ...

まさか、自分と親子程の歳の差の男の子に好かれているなんて夢にも思ってなかったわ…

ハァ~

いや、好かれているとは思ってはいたわよ…

だけど、それは母親代わりという意味だと思っていたわ。

だってそうじゃない?

15歳の男の子が私みたいなおばさんを普通は好きになるなんて無いわ。

近所の私の友達も…息子さんからはおばさん扱いされているし…

口の悪い子なんて『婆ぁーーっ』なんて呼んでいるのよ…

この年齢差で『恋愛対象』に見られるなんて思わないじゃない…

ハァ~ どうしよう。

普通の子ならまだ良いわ。

リヒトくんは元勇者パーティでSランク冒険者。

一部の女の子の中には熱烈なファンも居て『英雄リヒト』なんて呼ばれているのよ…当人は無自覚だけど

Sランク冒険者ってだけでも凄いのに、あの生真面目な感じ…

勇者が自分のパーティの子としっかり付き合っているのを周りは知っているから、自然とお目当てはリヒトくんに移るじゃない…

凄い人気者なのよ…

それがよりによって『好きなのが私?』

可笑しいわよ…そりゃ若い頃なら解るけど…今は無いわ。

自分で頬っぺたを叩いたけど…痛かったからこれ、私の妄想とかじゃないのよね…ハァ~

だけど、あの目…真剣な眼差し…どうしようかしら…

どうも食事の時から様子が可笑しかったのよね…

『若くて綺麗』

『実はルミナスさんに会いたくて…つい来ちゃいました』

『俺が見た女性の中でルミナスさんが一番綺麗でした…ルミナスさん以上に綺麗な女性を見たことありません』

こんな歯の浮く様なセリフ、もう何時言われたか解らないわ。

困ったなぁ~

現実を見せれば、幻滅して終わると思って恥ずかしいけど肌まで見せたのに…

『そんなにおばさんの体が見たいの…良いわ、見なさい』

普通に若い子ならこの体を見たら幻滅するでしょう…

『これで解ったでしょう? リヒトくんが期待したものじゃ無かったでしょう? 胸だって大きいし少し垂れているし、お腹だってほらね、良く見れば弛んじゃっているわ…お尻だって大きいのよ…他にも色々緩んじゃっている…おばさんの体だわ…大したものじゃないわ』

これで立ち去ると思ったのよ…

それがなんなのよ…どう見てもおばさんの体なのに…顔を赤くしてもう…

『ルミナスさん…凄く綺麗だ…』

なんでそうなるのよ…こんな体お金貰っても抱きたくないんじゃないの…普通は…おばさんの体なんだから…

『えっ、ちょっと待って…リヒトくん…ストップ…ほら良く見て胸なんこんななのよ…ほらもう若くないから少し垂れていてハリもないわよ…』

『ほうら、お腹なんてこんなに弛んじゃって…ねほら…』

『ほうら…お尻だってこんな豚みたいに大きいし、太腿なんてこんなに太いし弛んじゃっているのよ…ねねっ落ち着いて、絶対に後悔するから…こんなおばさん…相手にしたら絶対に後悔するから!』

幾ら言っても駄目んだから…なんでかな…

止めはこれ…

『俺はルミナスさん以上に綺麗な人は見た事が無いから…』

本当に困る…もし、私が若くても、只の宿屋の女。

釣り合う訳が無い…

「逃げちゃだめよ」

そう言ったけど、逃げたいのは私…

もうすぐリヒトくんがお風呂から出てくるわ…どうしよう…








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