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第49話 デスラとの戦い②
しおりを挟む俺は要塞都市ジブヤに来た。
街によっては手荷物検査もある。
ここジブヤの検査はかなり徹底した物だ。
だが…俺には関係ない。
冒険者のランクがS級。
勇者パーティの所属の為顔パスだ。
「へぇ~勇者パーティ、二つに別れたんですね」
「まぁな」
「はっ、申し訳ございません、どうぞお通り下さい」
「ご苦労様」
こんな感じだ。
◆◆◆
俺は適当に歩きながら裏道を歩いた。
勿論、寒さよけのフードを来て顔が解らないようにして…
『この辺りで良いか』
恐らくはスラム街の近く、人が周りに居ない場所。
そこにデスラを置いていく。
相手が『数の暴力』を使うなら『それ以上の数で対処』すれば良い。
此処、要塞都市ジブヤの人口は5万人を超える。
その中には騎士や魔導士がいるんだから、どうにかなるだろう。
1万の死霊VS一般人5万。
案外、良い勝負になるだろう。
勇者保護法には『魔王討伐はあらゆる事に優先する』とある。
そして教皇様や諸国の王が『すべてに優先する』そう言った。
吐いた言葉の責任はとって貰う。
『覆水盆に返らず』
全てに優先するなら…5万人が死んでも良いよな?
俺にとって大事なのは3人だけ、更におまけでも4人…それ以外はどうでも良い。
勇者パーティは俺からしたら『究極の貧乏くじ』だと思うんだ。
だってそうだろう?
俺がワイバーン1体狩ると金貨500枚(約5千万)は下らない。
なのに…それより手ごわい魔族と戦っているのに…支援金しか貰えない。
魔族との戦いなんかしないで冒険者でもしていた方が遥かに見入りが良い。
ガイアは馬鹿だが勇者だ。
よくも悪くもエゴの塊、前の世界で言うならエリート意識が高い。
そんな人間に『勇者』なんて最高の地位を与えたらもう手放せないだろう。
俺はあいつと畑でも耕しながら安いエールでも飲む生活がしたかったがもう無理だ。
彼奴の中にある『選民意識』『エリート意識』はもうどうする事も出来ない。
勇者なんて馬鹿な生き方しかできないなら…仕方ない。
だが、勇者はな…他の冒険者より遥かに狩れない物を狩っているんだ…
死ぬまで他の奴の為に命がけで戦う。
世界その物を救う使命があって…最後は魔王と1/2以下の命がけ…
何でも貰って、良いんじゃないのか?
はっきり言えば『この世界最強の貧乏くじ』だ。
1/2と言ったが…実際はそれ以下だ、魔王に負ける勇者の方が多い気がする。
旅から旅を繰り返し、命がけの戦いを強いられて、最後は死ぬ可能性の高い相手と殺し合い…それを1人の人間に望むなら…
『全部差し出す位の覚悟』はした方が良い。
その一人の欲望を存分に満たす位当たり前だ。
◆◆◆
「そのスケスケの下着とブラ6組と穴が空いた下着3つ下さい」
俺は今下着屋に来ている。
俺が何をしているのかは、あの三人には知られたくない。
だから…
「お客さんも随分好きだな、これ結構高いんだぞ、ビッグモスの糸からつくる高級品だぞ」
「ああっお金は気にしないで良いんだ、あっそこのピンクのキャミソールとネグリジェも3つくれ」
「ありがとうございます、おまけして全部で金貨3枚になります」
「はい、金貨3枚ね…あと近くに、丈が短い…こう何とも言えない服を売るようなお店はないかな」
「好きだな~かなり若いのに…隣の隣がそうですよ」
出かけた理由が必要だからな、それも買っていこう。
そろそろ夕方だ…服を買ったら、一旦、エビルの街に戻ろう。
ここはもうすぐ戦場になる。
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